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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
08 | 2008/09 | 10
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やはり厚かった1万1700ドルの壁
 3日水曜日の日経平均は80円12銭高の1万2689円59銭、TOPIXは8.18ポイント高の1220.55と、ともに反発して終わりました。日経平均サイコロは4勝8敗、騰落レシオは75、RSIは43、25日線かい離はマイナス2.2%でした。出来高概算は19億3000万株、売買代金は1兆9939億円と二日続けて増加しました。今日の値動きは上下120円…相変わらず膠着した展開が続いています。

★新安値銘柄は、流動性重視で海外投機家が買った株
 日経平均は、順調な右肩下がりの「大名行列」を続けていますが、RSI(相対力指数)や騰落レシオは一向に買いたい水準まで落ちてくれません。値上がり数、値下がり数を計算の基準にしていますが、値上がり数が連日そこそこの数あるだけに、指数がなかなか落ちてきません。その意味では、全体的に売られている反面、物色されている銘柄もそこそこある…ということでしょうか。今日も、新安値銘柄数は180近く出ていますが、その企業をみると、資源や不動産、素材、銀行、建設機械、工作機械のほか、いわゆるブルーチップがズラリと顔を並べています。いずれも、相場全体が下がるなかで、最後の最後まで突っ張っていたグループ(高値が近い…)ですね。ヘッジファンドなどが腕力に物を言わせて買った、いわゆる「大きいことは良いことだ銘柄」(流動性の高い銘柄)群です。

 一方、中小型の株はあまり顔を出していないのも特徴です。おそらく、騰落レシオやRSIが落ちないのは、この種の株がとっかえひっかえ物色されているからではないでしょうか。以前から、指数を見ているとデリバティブ(金融派生商品)の影響を受けて相場の実態は把握できない…と書いてきましたが、新安値銘柄にインデックス採用銘柄が多く顔を出しているのも、裁定解消売りなどから下押し圧力がかかっているからだと思われます。来週末が、3ヶ月に一度のメジャーSQですから、しばらくは、先物やオプションに振り回される状況が続くことになりそうです。昨日も書いたように、当分は「大崩しなければ良し…」として、我慢の相場が続くことになりそうです。

★ロシアの強硬姿勢と原油価格の関係(勝手な解釈ですが…)
 さて、原油価格はとうとう105ドル台まで落ちてきました。先日も、「ロシアの動きと原油価格の動きを見ていると面白いですよ…」と書きましたが、ロシアが強硬姿勢を強めれば強めるほど、原油価格は下がってきます。ロシアは資源以外に産業らしい産業はありませんし、油田やガス田について強引な国有化を進めた結果、生産効率が低下。採掘コストが上昇しています。もともと、自噴力が弱っていますから、保守をきっちりやらないといけないのに、放置しているから生産量は落ちてきます。そんなときに原油価格が下落すると、これはもうロシア(プーチン首相)にとっては尻に火がついたも同じ事。すでに外貨準備高も減少し始めたといいます。(この点については、外貨準備の内容を金などに変えた可能性もあり、一概に認めることはできませんが…)
 
 このところ、大統領の強気発言に対し、プーチン首相サイドから国際協調体制を重視するような、交渉の余地を残す発言が出ていることには注意を要します。アナリストの間からは、80ドル程度まで下がる…という予想が出ていますが、100ドルラインというのは、中東を含めた政治的に需要なライン…ロシアがまだ強硬な姿勢を続けるなら、もう一段安もあるかもしれません。直接的な武力衝突はあってはならないことですが、現実には資源価格というロシアの生命線を締め上げる戦争が始まっていると、いってもいいのでhないでしょうか。案外、早く妥協案を探る動きが始まるものと思います。

★やはり強かった1万1700ドルの壁
 さて、生臭い話はこのへんにしておいて、昨日のニューヨークダウは原油価格の低下を好感して、1万1800ドル手前まで買われ、いよいよ抵抗ライン抜けか…と思わせましたが、ISM指数の50%割れや週末の「デル・ショック」を引きずりIT関連株が売られたことで、結局、押し戻されて小安く終わりました。やはり、3月安値1万1730ドル付近を中心にする上値抵抗帯は相当強いようです。韓国のウォン防衛から、GSE商品への売り圧力が高まっているほか、月末の短期債券の借り換えも心配…。来週末からは大手金融機関の決算も始まる…。また、11月末にはヘッジファンドの決算を控えていますが、この解約期限が来週末。ただでさえ、原油や商品の下落で痛んでいるのに、ここからの決算対策は決算対策は大変です。このへんが、株価の波乱要因になるかもしれません。

 「大仏さん、弱気すぎますよ…」と、電話をいただきますが、別に弱気はしていません。まだ、2年は強気相場が続くと書いてきたはずです。ここは、じっと我慢して次の出動場面を探すところ…。

★新興国市場の変化はサブプライム後の経済を展望…?
 話は変わりますが、先日ベトナム市場のことを書きました。その後も、高値でしっかりした動きをしています。ついでに、他の新興市場の動きをみてみましたが、インドやフィリピン、バングラディッシュなども、ちょっと動きが変わってきたみたいです。いずれも、中国に変わる生産拠点として最近注目を集め始めた国々ですが、継続してみてみる必要がありそうです。株価は先に売られたものから底が入る…とすれば、この動きは要注意…。

 世界はすでに「サブプライム後」を見越して動き始めているのかも知れません。足元の日々の動きに関心を奪われていると、大きな成果を取り逃がしてしまう可能性も…。潜水艦の潜望鏡のように全方位で見る目が、いまは必要です。
 

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プロフィール

大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。




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