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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
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やっぱり支払われていた…職権乱用でないの?ポールソンさん
 週明け16日の日経平均株価は、134円87銭高の7704円15銭、TOPIXは17.39ポイント高の741.69ポイントと、ともに続伸して終わりました。出来高概算は20億3000万株、売買代金は1兆2420億円と、週明けの手がかり材料難から、週末に比べ急減しています。また、日経平均サイコロは6勝6敗、騰落レシオは90、RSIは59、25日線かい離はプラス3%になっています。騰落レシオの上昇は物色範囲の拡大を示しています。良い調子で戻っていますね。

 今日は、週末の米国株高やG20 の景気刺激策拡大報道を受け、続伸しました。GLOBEXの米国株先物は終日小安く推移していましたので、この影響を受けなかった、という点では日本株の独自性が出てきた、と見てもいいのかもしれません。日経平均は7750円台に入って急速に伸び悩んで終わりましたが、これは1月26日の安値7671円に到達したことによるもの…。今晩の米国株次第では、ワンクッションおきにくるポイントに来てるのかもしれませんね。

★とりあえず、無視してきた悪材料から「煙」が…
 米国では、色々心配な動きも出ています。ビッグスリーの再建問題を審議している自動車作業部会が破たん専門の弁護士と契約。アドバイスを受けるようになった、と伝えられ、再び連邦破産法による再建が視野に入っています。GMの役員が破産法による再建を否定して一旦は落着したはずですが、作業部会が、再建法の選択肢として検討していることはリスクとして考慮しておいた方がいいでしょう。

★やはり、AIG救済資金がポールソン財務長官の出身母体に支払われていた
 それに、バーナンキFRB議長が激怒した…と伝えられる、AIGのボーナス支払い問題ですが、これは再検討する…ということで落ち着いたようです。ただ、これまで投入された公的資金によって支払われた債務の支払い先が公表されました。やはり、というか予想通りというか、ゴールドマンザックス向けが最大の129億ドルに達していました。このほかにも、ソシエテゼネラルに119億ドル、ドイツ銀行に118億ドルなど欧米金融機関向けが主なものでした。

 以前、このコーナーでもブッシュ政権時代のAIG救済資金の使途について、当時のポールソン財務長官の出身母体であるゴールドマンザックス向けのCDS関連支払いに回されたのではないか…という疑問を紹介しましたが、今回の発表で裏付けられる格好になりました。メリルやバンクオブアメリカの巨額のボーナス支払い、実質的に破たんしているにもかかわらず最高3億円にも達するボーナスを支払おうとするAIG経営陣。脅し文句で救済資金を強要するGM経営陣…つくづく懲りない人たちです。自分たちが、とんでもないことを引き起こしたという自省の念がまったくありません。この構図は、何度もBSEが問題になりながら、平気で危険部位を輸出する食肉業者となんら変りはありません。とどのつまりが、ややこしいことを言う日本が悪い…と言われましたが、今の銀行幹部に言わせれば、カネを出さない政府が悪い…ということになるんでしょうか。困ったものです。

★これから金融安定化が動き出すのに、国民感情は大丈夫か
 問題は、この件が米国民の感情を害し、今後の公的資金投入がやりにくくなることです。今週中には、ガイトナー財務長官の「バッドバンク構想」の詳細が発表され、今晩には米財務会計基準審議会の時価会計についの真偽が始まります。また、4月中には、大手行のストレステストの結果が出ますし、月初めの8日からは、SEC(米証券取引委員会)でアップティックルール復活の検討が始まります。特に、ストレステストの結果は、損失額が大きい場合資本調達が課せられますが、民間からの調達が出来ない場合は公的資金の投入が実施されることになります。そのとき、AIGの問題がこじれていたら、公的資金の投入もままならない状態にならないとも限りません。今日公表された、AIGの資金使途リストへの国民の反応には注意が必要です。もし、公的資金をつかって、自分の出身母体に資金を返させた…とすると、大きな問題だと思うのですが…。所詮はポールソン財務長官もウォール街の恥知らずの一人だった、ということでしょうか。

★指数への過度の期待は禁物…森より木を見る相場
 ただ、当面の相場は、堅調に推移しそうです。このコーナーでは、各論相場と割り切ってテーマ株に的を絞るように書いてきました。株式レポートでは、水関連と液晶部品の底入れ期待で日東電工(6988)を3週間前から継続注目してきましたが、今日は71円高し2000円大台に乗せてきました。同じく、海水淡水化で必需品のポンプを扱う酉島製作所(6363)も、今日再び4桁大台に乗せてきました。どこかの証券会社が格下げしてくれて迷惑しましたが、同社のポンプは海外の大手海水淡水化プラントメーカーからの評価も高く、海外からの受注も増加しています。何で格下げなの?という感じですが、このところ、思ったように株券が集まらないので格下げして売ってくるところを買い集める…なんて汚いやり方をしているという噂もあります。真偽のほどは分かりませんが、さきほど書いたウォール街の恥知らずな連中のことを考えると、まんざらない話でもないな…と思わないでもありません。

 とにかく、指数を云々しても仕方が無いこと…。米国でストレステストをやればやるほど海外資産の引き上げが必要になることは確か…。指数採用銘柄には売り圧迫がかかりますので、当面は下がらなければそれでいい…。来月になって業績感応相場が始まるまでは、テーマ株優位の展開…。光ファイバー、超電導、水処理、原子力、クリーンエネルギー…テーマはいっぱいある。

 
 

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プロフィール

大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。




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