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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
09 | 2009/10 | 11
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予定通りの二進一退相場…米国シリコンバレーの躍動に注目
 21日水曜日の日経平均株価は、3円45銭安の1万333円39銭と小反落したものの、TOPIXは0.25ポイント高の913.70と、小幅続伸して終わっています。相場の方向感がつかめないことから見送り気分が強まり、出来高は17億9000万株、売買代金は1兆2380億円と、ともに前日比で減少しています。
 また、日経平均サイコロは8勝4敗、騰落レシオは82、RSIは58、25日線かい離はプラス2%でした。昨日は日経平均の終日値幅が50円にとどまったことが話題になりましたが、本日の値幅は58円…。相場は上にも下にもいけず、膠着感を強めてきました。

 まあ、米国株は安い、海外も安い、GLOBEXの米国株先物も安い…ときては、動きようがないというところでしょうか。むしろ、堅調だった…という見方も出来るかもしれませんね。米国株は、業績相場真っ只中…という感じで、個別の業績に一喜一憂する展開が続いていますが、利益が予想を上回っても、売り上げが予想に届かなかったものは売られる、また、次の四半期見通しの暗いものは評価されない、など、先行きを重視する展開になっています。これまでのように、ファンダメンタルの安定を評価する動きから、先行きを展望するより前向きな投資姿勢に変りつつあるように思われます。この意味では、相場の質はよくなってきているものと思います。

 今後、追加的な景気対策や、新たな成長業種の登場で、株式市場には新たなインパクトが加わってきます。これまで米国では金融業界だけで、製造業界が生み出す付加価値以上のものを生み出してきましたが、これが崩壊。今後は、この落ち込み分を埋める新たな産業の登場が望まれます。以前から、何度か書いていますが、アップルの決算を支えた「アイホン」は、絶好調ですが、これによりアイホン用に情報コンテンツを提供する企業が多く育ちつつあります。また、スマートグリッドや電気自動車への取り組みが、シリコンバレーに多くのベンチャー企業を生み出し、また、クラウドコンピューティングサービスの登場は、単に新しいサービスの提供にとどまらず、大容量の情報がやり取りできたり制御できるブラウザやサーバーなどハード面の需要を喚起しています。

 会員の方と話をしていても、米国の経済の総量の部分での論議がおおいのすが、証券化バブルで生み出された消費バブルは、元に戻るには10年以上かかるかもしれません。むしろ、総量は縮小する可能性すらありますが、問題はパイが縮小するなかでも自らの業界のパイを拡大する新たな産業が生まれてきているかもしれないのです。以前から、米国経済の柔軟性を無視してはいけない…と書いてきましたが、すでにクラウドコンピューティングやツィッターなどインターネット革命がおき始めています。この国の強さは、「反省がない」ことと、「めげない」こと。また「危機に陥れば陥るほどやる気が出てくる」こと。また、なによりも「自らと並ぶものの存在を認めない」という、強さがあることが、弱点でもあり強みでもあります。

 すでにシリコンバレーでは、次から次と成長企業が生まれ、投資ファンドやベンチャーキャピタルなどの資金面、経営面、販路面でのアシストが始まっており、今後、次々に株式を公開してきます。おそらく危機をばねに米国経済は新たなステージに進む可能性が出てきます。翻って、日本経済を見たとき、いま何がおこなわれているか。成長市場で物を売らなければ勝負に負ける…と、人件費の安い新興国企業と安売り競争に巻き込まれようとしています。あくまでも大量生産、大量消費という、旧態依然とした成長の方程式に依存しようとしていますが、所詮、コスト競争では勝てるはずはありません。やはり、日本は技術力を生かし、米国で起きようとしている新しい流れを自らの成長にどう取り込んでいくか…という付加価値を追求する経営を続けるべきだと思います。また、新興国での安売り競争に参加するなら、組み立てではなくやはり付加価値がある部品や素材などの供給で勝負すべきで、労働集約的な部門での競争は避けるべきだと思うんですが…。

 まあ、現在の株式市場にしてからが、新興国、新興国といますが、米国株が安ければ他の市場も安い…と言った感じです。結局、有り余った低金利のドル資金を借りて、高金利通貨や商品、成長市場に投資する「ドルキャリートレード」が資金運用の世界を支配している…ということですね。それが、一斉に韓国やタイ、インドネシア、インド、ロシア、ブラジル…などへ流れ込み、通貨とともに資産価格を押し上げ初めています。ただ、いずれも輸出依存の高い国々ですから、ここでの通貨高は景気に対してマイナスに作用しますから、新興国では通貨介入を強化。ブラジルは海外からの資金に課税するなど、ドル安が新興国経済に悪影響を与えています。日本の場合、マーケットが大きすぎて短期に成果を上げられませんから、いまのところ圏外に置かれていますが、それが世界的な株高に遅れている要因になっているのではないでしょうか。

 ただ、この勢いでドルキャリー取引が進むと、もし米国で再び株安が進んだり、金融危機が再発したりすると、一斉にドルキャリーがまき戻され通貨危機が起きる危険性が高まっています。また、米国の景気回復が進み金利が上昇を始めると、金利上昇が新興国にも波及。経済の腰を折ってしまうことも予想されるなど、新たな波乱の種を抱え込み始めてきました。その際、ドルキャリーの圏外に置かれた円やユーロは通貨の逃避先として急騰する可能性も出てきます。まあ、しばらくは米国の景気状況からみて、金利の引き上げはないようですから、今のところは安心でしょう。しかし、政策変更から金利が上昇に向かえば…。いまドルキャリーしている連中は、これくらいは百も承知でやっているでしょうから、ちょっとでも変化の兆しを感じたら一斉にまき戻しに入ってくるはずです。

 現状からみれば、新興国や商品くらいしか資金の移動先はないようですから、しばらくは大丈夫なんですが、一旦反対を向いたら怖いものがありますから、投資するにしても全力投球は避けておいたほうが無難でしょう。

 日米の株価の見通しについては、「2進一退じり高…」というのは、以前から書いてきたこと。ほぼ予定通りのコースを歩んでいますのであえて新しいことを書くことはありません。ただ、最近、新興国は、金は…米国株は…などの質問が寄せられますので、今日はあえて自分なりの考え方をまとめてみました。付加価値経済を追求すべき日本にとって、どちらの道を選ぶのか…大きな成長の分岐点に差し掛かっていると思います。日本の景気が崩壊寸前にあるのに、財政の健全化などといって、予算を切りまくっている民主党政権…。真剣に景気のことを語る閣僚は見当たりませんね。基本的に財政再建は民間にとってはデフレ策と同じ意味を持ちます。

 以前から、民主党の人材はテクノクラートとしては優れた人が多いが、日本経済をどうして良くかなどのグランドデザインを描ける「政治家」がいない…ことを心配していましたが、どうやらその欠点が露呈してきたようです。まあそのうち自滅するでしょうからどうでもいいことですが、いま目を向けるべきは米国でおき始めている「パイの中身の変化…」。この成長をささえるのも基本は日本の技術。ただし、安売り競争の新興国と違い、こちらは付加価値が大きい…。

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景気の先行き懸念と好調な企業業績。マクロとミクロのはざ間で揺れる米国株
 おはようございます。
 昨日の米国株は、予想を下回る経済指標と好調な企業決算とのはざ間で、強気と弱気が交錯。結局、利食い売りが増加し、主力3指数とも反落して終わりました。この日は、前日のアップルやTI(テキサスインスツルメント)の好決算を好感し続伸して始まったものの、住宅着工件数、卸売物価指数(ともに9月分)が市場予想を下回るものになったことから急速に高値警戒感が台頭。これに、化学大手デュポンやコカ・コーラの決算で売り上げが市場予想に届かなかったことから売りが加速。一時は1万ドル大台を割り込む局面がありましたが、建機大手キャタピラーの決算が市場予想を大幅に上回る内容になったことから押し目買いが増加。結局、下げ幅を縮小して終わりました。
 この日は、ヤフーやフラッシュメモリー大手のサンディスクが引け後に決算を発表しましたが、いずれも市場予想を上回り、時間外取引で大幅に上昇しています。

 この日発表された住宅着工件数(9月)は、前月比0.5%増加。年率59万戸になりました。ただ、事前予想の61万戸には届きませんでした。また、前月の数字は59万8000戸から58万7000戸に下方修正されました。集合住宅部門の着工件数が前月比15.25減と大幅に減少したことが予想値を下回った原因。指数の大半を占める戸建住宅の着工件数は3.9%増となっています。また同日発表の卸売物価指数(同)は総合指数が0.6%の低下。市場予想は前月比変らずを予想していましたが、実績値はこれを下回りました。また、振れ幅が大きい食品・エネルギーを除いたコア指数は0.1%の低下。市場予想は0.1%の上昇を見込んでいただけに、デフレに対する警戒感が台頭。債券価格が上昇するなど市場に影響を及ぼしました。

 この日の米国株式は、経済指標に神経質に反応したほか、企業業績では売り上げに関心が集中。利益が市場予想を上回っても売り上げが届かなかったコカコーラやデュポンが売られるなど、企業の成長性に注目した動きが強まっています。引け後に発表された、サンディスクとヤフーの好決算を背景に、本日はGLOBEXも堅調に推移するものと思われますが、今晩はモルガンスタンレーやウェールズファーゴなど金融大手、新型旅客機の納入遅れが目立つボーイングなどの決算発表を控えており、内容次第で波乱含みの展開も…。ただ、ハイテク株を中心に予想を上回る決算が続いており、次第に景気敏感株へと物色の中心が移っていくものと思われます。以前から書いているように、日米とも、大台を中心に数年にわたってもみ合ったチャート的な壁に届いており、壁を突破するには日柄が必要。しばらくは2進1退の動きがからじり高が続くことになりそう。

 20日の米国株
 ニューヨークダウ  1万41ドル48セント -50.71ドル (0.50%)

 NASDAQ総合指数  2163.47ポイント  -12.85ポイント (0.59%)

 S&P500    1091.06ポイント  - 6.85ポイント (0.62%)

 CME日経平均先物 (ドル建て) 1万335円 +5円

              (円建て)  1万315円 -15円


 米国株は反落、CME日経平均先物はほぼ変らずで帰ってきました。株価が反落したことで、ドルが買いなおされ、円は1ドル90円後半の動き。ドルが持ち直したことから原油、金とも反落しており、今日は手がかり材料難から小動きの展開か。ただ、引け後に発表されたヤフー、サンディスクの好調な決算がハイテク株の買いを刺激するのではないでしょうか。日本株も、じょじよに業績感応度を強め、海外景気回復を取り込める企業への期待感が強まりそうですが、やはり、問題は為替…。底堅い動きが予想されるものの、全体としては小動きか…?BNPパリバの不正商いが摘発されて以来、先物や裁定取引での海外投資家の動きが鈍り始めていることには注意が必要です。

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プロフィール

大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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