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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
05 | 2010/06 | 07
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窓空きだらけの寄り付きだけの相場…ドスンと落ちたら後は横ばい。現物株の売買ができなくなっているのでは?
 30日水曜日の日経平均株価は、188円03銭安の9382円64銭、TOPIXは10.77ポイント安の841.42と、ともに続落して終わりました。相場環境の悪化を嫌気した持ち株の処分などから、出来高は18億6298万株、売買代金は1兆3363億円とともに前日比で増加して終わっています。また、日経平均サイコロは4勝8敗、騰落レシオは98、RSIは45、25日線かい離は-4%でした。サイコロとかい離率が買いゾーンに近づいてきましたが、騰落レシオやRSIなどモメンタム系指数の遅れが目立っいます。今日の終値での25日線は、9778円となり、再び下落ピッチを早めてきました。今日で6月相場は終わりましたが,月足は陰線。日経平均月足サイコロは4勝8敗になりました。長期ほど調整が進んでいるという変な状態になっています。

 さて、最悪の環境を引きずって始まった今日の日本株ですが、相変わらず寄り付きで勝負がついてしまうという相場が続いています。今日も、ドスンと落ちて始まったあとは小動きに推移。日経平均の終日値幅は73円という狭いレンジの動きになっていました。この狭いレンジのなかで、先物売買が飛び交っているのですが、日々ベースでは利益を上げることができないんでは無いのでしょうか。また、市場への参加者が少なくなっていますから、大口投資家の玉もまともに捌けず、結局、玉が処分できるまで、先物で売りつないでおくしかなく、これも先物への売り圧力になって市場を圧迫しています。億単位の株数でも消化できた流動性に富んだ市場はどこへいったんでしょう。どうやら、取引所がデリバティブを充実すればするほど、市場の流動性がなくなるという減少を生んでいるようです。もともと、取引所の存在目的は色んな投資家の異なる考え方を反映して、大衆の総意にも基づいた株価を形成する場だと思いましたが、一部の、先物業者などが腕力で指数銘柄を売買し株価操作まがいのやり方でついた価格が果たして正当な値段ということができるのでしょうか。最近、非常に疑問に感じ始めました。

 先日も書きましたが、このところ先物の売りポジション(今日も3000枚以上を売り増し)を積み上げている外資系証券が、日経平均寄与率の高い採用銘柄3銘柄を格下げしても、誰も疑問を呈しない…。こんな腕力のあるものがやりたい放題をやって形成されている価格を素直に信用していいものでしょうか。少ない資金の投資家は、投信を買え…といわれますが、これも自分のふところを重視。大量設定するためにテーマ人気が沸騰しているときに大規模のファンドを販売。結局、個人投資家は天井をつかまされてしまうことになる。銀行も、毎年手数料が入る投信に預金から乗り換えさせるケースも多いようですが、なけなしの老後預金を取り崩し、泣いている人も多いのではないでしょうか。個人投資家の立場に立ったら、今みたいな閑散状態に設定すれば、利益が上がる可能性が高いのに、こんなときに設定しても売れるわけは無いだろう、手間ばかりかかって儲からないということで、積極的にはやらない。どこの業界でも、消費者の意向や消費者のために…を合言葉に業務の改革に取り組んでいるのに、いまだに自分の利益を基準に物事を考える証券業界。寂れていくのも当然のような気がします。お客さんを泣かせる業界が発展した、という話を聞いたことがありません。まあ、指数銘柄はできるだけ避けて銘柄選定するようにしましょう。

 まあ、グチばかり書いても仕方がありませんが、今日の朝も書いたように、今の波乱がヘッジファンドや年金ファンドなど6月末に中間決算を控えた連中のご都合で起きているものか、または、本当に世景気の後退を織り込み始めたのかの見極めをしなければなりません。市場に流れている悪材料をみると、ECBの資金吸い上げによるEU域内銀行の金融危機、中国のPMI指数が事前予想を下回る…という話は、タイムテーブルに乗っているものを悪材料に仕立て直した可能性があります。一方、コンファレンスボードの計算間違いによる中国先行指標の下方修正は偶発的なもの、また、消費者信頼感指数の急落は米国景気の減速を暗示しており、注意を要する…ということになるのでしょうか。どうも為替については、ためにする話でリードされている感じがします。7月に入ると変化する可能性がありますが、米国の景気指標の場合は、相場のファンダメンタルに絡むものだけに、今後発表される指標によるフォローが必要…。やはり、中期的にみると、今後の相場の鍵を握るのは景気になりそうです。

 世界各国は、財政再建に取り組むことで合意しましたが、今後、安易な発想で作られたプロジェクトは見直しの対象になる可能性が出てきます。温暖化だって世界の景気が冷え込めば排出ガスは減少しますので、環境問題だって忘れられてくるのではないでしょうか。早速、イギリスでは政権が変わり、高速鉄道計画の見直しが俎上に上がっています。企業の利益につながらない環境対策だって真剣味が違ってきます。人気化したテーマは、裏切られる可能性がありますので注意した方がよさそうです。でも、はっきりしていることは、成長が減速しても企業は利益を出さなければなりませんから。コストカットにつながるものはテーマとしても生き残っていきそうです。米国でも、コストカットの目的からアウトソーシング(業務の外部委託)が進んでいますが、この分野はまだまだ成長が期待できます。特に、この分野でIT化が進み始めていることが、米国の産業に新たな分野を生み始めています。後ろ向きにはなりますが、この分野が「成長」株を生んでくることになりそうです。

 当面の株価については、海外情勢次第という面は変わりません。中小型株中心の流れには変化はありませんが、」これも指数が安定していればこその話。今日、ザラ場では6月初旬の安値9378円を切りましたので、2番底論議は消え、新たに、今回の安値を中心に底いれパターンを模索することになります。当面、昨年11月安値9081円が次のターゲットになりますが、ここまで行けば日経平均のPERは15倍台まで低下してきます。益回りは6.4%台になりますから、債券と比較した割安感も台頭。株と債券の間の裁定がはたらき株式への資金流入も考えられます。個人的には、格下げが相次いだことによる、組み入れ資産の見直しが影響しての波乱で、7月に入れば落ち着いてくるものと思われますが、財政再建とこれまでの環境保全やインフラ整備が果たして両立してくるものかどうか…。また、景況感の悪化に耐え切れず財政再建を緩和することは無いのか…。今晩の海外が最後の波乱場面です。もう勝負はついていると思うのですが?

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世界同時株安の流れと国内景況感の悪化で急落…市場は偽りの夜明けに騙された政策を懸念
 おはようございます。
 欧州情勢は、ますます厳しさを増してきました。欧州中央銀行が1年前に実施した4420億ユーロの銀行向け融資の期限を明日1日に控え、返済に窮する銀行が出てくるのでは、との懸念が台頭。銀行間貸出金利が急騰しています。また、市場から50兆円近い資金が一気に吸い上げられることへの不安から、域内の債務問題国にも懸念が波及。スペインやポルトガルなどのCDS金利は、軒並み過去最高水準まで上昇。これを嫌気し欧州株は軒並み3%を超える下落をしています。

 一旦坂道を転がり落ち始めたら、次から次へと悪材料が飛び出してきます(好材料が無視される側面もあるが…)。昨日の米国株は、アジアや欧州株が急落したことを受け、続落してスタートしました。明日巨額の資金返済を控えたEU域内銀行への返済懸念が浮上し、銀行株が売られたほか、昨日流れた6月の中国PMI景気指数の低下予想に続き、この日は米国調査会社コンファレンスボード(CB)が、4月の中国景気先行指数の計算に誤りがあり、数字を1.7%増から0.3%増に修正。これを受け、中国の景気に対する慎重な見方が増えたことも売りを加速しています。さらに、悪材料は続き、この日発表されたCB社による消費者信頼感指数(6月)が、前月の62.7から52.7に急落。事前見通しの62.8も大幅に下回ったことから、米国自体の景気への警戒感も高まり、下落幅を拡大。テクニカル的な節値を下回ったことによりストップロスの売り物も巻き込んで急落。一時、ニューヨークダウは330ドル近く下落する局面もありました。結局、主力3指数とも大幅に続落して取引を終了しています。ニューヨーク市場の出来高は、前日比6億7834万株増の16億359万株。騰落状況は値上がり259、値下がり2831とほぼ全面安商状。

 この日の米国株は、4月のS&Pケースシラー住宅価格指数が上昇したほか、電気自動車ベンチャーテスラモーターが株式を公開するなど、好材料はあったものの、欧州金融情勢の緊迫化、米国景況感の悪化という悪材料にはこうしきれず、下落幅を拡大してしまいました。一昨日まで、下値抵抗線として意識してきた、ニューヨークダウの52週移動平均線もこの日は簡単に下方突破されてしまっています。市場は、景況感の悪化を織り込む格好で下落を強めていますが、欧州ECBの資金吸い上げによる金融収縮懸念については、もともとタイムテーブルに載っていたもので、すでに織り込まれていたものとみるのが自然。やや、割り引いて見る必要がありそうです。ただ、昨日も書いたように、今回の世界同時株安が、G8、G20首脳会議による期限付き財政赤字半減合意からスタートしている点には注意が必要。悪材料の中には噂先行のものも多く、6月という「中間決算期末」を意識した動きも含まれている可能性があります。当面、7月入りしてからの相場状況、週末の52週線と株価の状況などをチェックして次の行動を判断するところかと思われます。

29日の米国市場
ニューヨークダウ 9870ドル30セント -268ドル22セント (2.65%)

NASDAQ総合指数  2135.18ポイント -85.47ポイント (3.85%)

S&P500   1041.24ポイント -33.33ポイント (3.10%)

CME日経平均先物 (ドル建て) 9375円 -175円

          (円建て)  9345円 -205円

米国10年もの国債金利 2.9527% -0.0700%

WTI原油 75.44ドル -2.31ドル

GOLD  1242.4ドル +3,8ドル 


 米国株は大幅続落、CME日経平均先物も、大証先物終値を大幅に下回り9400円を割り込んで帰ってきています。円相場は対ドルが88円50銭台、対ユーロが107円90銭台と、ほぼ前日並の水準で取引されていますが、今日は、世界同時株安の流れを受け、先物リードで下値を探る厳しい展開が予想されます。とりあえず2番底完成観測が出ていましたが、この安値を維持できるかどうか。簡単に切るようだと先物へのヘッジ売りも増加、下落幅が拡大する懸念がでてきます。以前から書いているように、板がウスうなってきている局面での裁定解消売りは影響が大きく、下値の目処が立てにくいところがあります。日本株が独自に下げ止まるには、政府や金融当局者からの何らかのアクションが必要ですが、かれらには、まったく市場を意識した考えはなく、当面、海外市場の立ち直り次第になりそうです。中国株、GLOBEX米国株先物の動きがカギ…。はたして、レポートで予測したように今週が山になるかどうか…?今日の相場でしがみついていた人たちもふるい落とされるか。

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円高を促す悪材料の山…米国債市場はついに3%割れ。リスク資産からの逃避が加速
 29日火曜日の日経平均株価は123円27銭安の9570円67銭、TOPIXは8.81ポイント安の852.19と、ともに3日続落して終わりました。出来高は15億9587万株、売買代金は1兆1138億円と、前日に比べ増加したものの、依然、薄商い状態が続いています。また、日経平均サイコロは5勝7敗、騰落レシオは103、RSIは54、25日線かい離はマイナス2.2%でした。今日の引け値での25日線は9784円。前日の9779円から、4円の上昇に転じました。日経平均週足のサイコロは4勝8敗、RSIは30まで落ち込み、昨年11月安値時の水準も下回ってきました。それでも、まだ日足ベースのテクニカル指標の調整不足が目立っています。

 米国株は良い引け味だったんですが、今日の為替市場が全てをぶっ壊してしまいました。G8、G20が終わった途端、ドバイ首長国の政府系航空機会社ドバイエアロスペースが、ボーイング、エアバスに発注した220機の引渡し延期を要請。キャンセルの恐れもあるとフランスの経済紙が報道。デフォルト懸念が一気に高まったほか、英国は再度金融危機が起きると、財政面から支援はできない可能性があると報じられ、その次には、中国の6月PMI指数が事前予想数字を下回り、景気の先行きに懸念を生じさせるような話も流されています。中国では、中国農業銀行の大型IPOで市場から2兆円を超える資金が吸い上げられる可能性があり、市場が神経質になっているところに、こんな話が流され先物に売り叩かれ、大幅に下落しています。アジア株も全般的に下落。これを受け、欧州市場も大幅に下落してスタートしています。

 また、GLOBEX米国株先物もニューヨークダウが130ドルを超える大幅な下落している一方、債券市場で10年物国債金利が3%を割り込み、2.97%に低下するなど、市場は大荒れになっています。為替市場も、昨日の荒れ模様を受け継ぎ、ドバイ政府系航空機会社のデフォルト(債務不履行)懸念を受けてユーロが急落。対円で107円70銭台に下落。8年半ぶりの安値に下落しています。まさに市場は大荒れの状態…。日経平均の下落率が1.2%台にとどまっていたのが不思議なくらいです。前場中は意味の分からない先物の買いに値を上げる場面もありましたが、これでもか、これでもかと海外から流れてくる悪材料に、先物売が増加。ヘッジの売りも増加したことから、これが裁定解消売りを誘発。下落幅を拡大したようです。今日、裁定取引で大きなシェアを持つ国内大手証券が170枚を超える先物を買っていましたが、先物を買い戻して、現物を売る裁定解消売りを出したのでしょう。

 まさに、大荒れの展開ですが、この急激な波乱が、G8,G20首脳会議で、2013年までの財政赤字半減で合意したあとに起きていることに注目したいと思います。昨日も、「偽りの夜明け」に騙され、消費税の引き上げやゼロ金利の解除を実施。かえって景気を悪化させた日本の失敗について書きましたが、欧米市場の下落幅が大きくなっていることをみると、もしかしたら、市場は、欧米政府が日本と同じ間違いを犯した…と判断したのかも知れません。今日の動きは、リスク資産から一斉に資金を引き上げ、米国債や円などリスクフリー資産に資金が集中した格好である意味「極端」な動きが出た…とみることもででます。特に、3%割れの国債を買うことに躊躇する投資家が多かった、といいますが、昨日の米国の債券市場でも、二の足を踏んでいた投資家がせかされるようにして、3.1%割れの国債を買いに行ったようです。いろんな意味で、「極端」な動きが出始めました。

 ただ、日本の場合、まだ信用買い残が増加するなど引かれ腰の弱さが目立っています。今日あたりの前場主力輸出株買いは、前日安値を更新したから…という値ごろ感からの買いですが、こういうのが出ている間はまだまだ…。一分でも早く手放さなくては…という感覚になって初めて底が入ります。以前も書きましたが、相場の神様は皮肉なお方…。天井が近づくと買いやすいような材料をどんどん流してくれますし、底値に近づいてくると、悪材料をどんどん流し、投げやすいようにしてくれます。今日あたりの動きを見ると、まだ投げたり無いと仰っているようです。まあ、直近のレポートでは、今回の底入れパターンは「逆三尊底」として、今週はかなりきつい場面がでるが、底入れするかもしれないとして、押し目買いをする準備だけはするように…として起きました。どうやら、その兆候が出てきたような感じです。昨日も、シカゴIMM通貨先物市場で円ロングのポジションが3ヶ月ぶりに買い越しになった、と紹介しましたが、G8、G20首脳会議で通貨波乱問題が出ませんでしたから、早速、お墨付きをもらった、として投機筋が仕掛けてものと思われます。

 これが、単なる中間決算期末の動きなのか、それとも新しい仕掛けのはじめなのかは分かりませんが、答えは月代わりしたら出てくるでしよう。とにかく、今回の波乱が、財政再建が世界会議で公認されたあとに起きていることには注意が必要です。景気に配慮する…などといっていますが、二兎を追うやり方ができるほど優秀な政治家も金融マンもそんなにたくさんはいないでしょう。やはり、市場は「あんたたち…、偽りの夜明けに騙されているよ…」といっているような気がしてなりません。世界中が雁首をそろえてデフレ経済に突っ込んでいくのでしょうか。中国と米国は、景気刺激策で乗り切っていくような気がしますが、教条主義者が金融を支配しているEUと日本は…。まあ、良い時に選挙戦が始まっていますね。何しろ、どれだけ円高になっても来月11日過ぎまで何の手も打てませんからね。今日みたいな日には、何か一言くらい政府や日銀から出ても良いとは思うのですが…。

 短期のテクニカル指標が、中期に追いつけば底は入る…。米国株の二枚腰に強さに期待…。

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強気、弱気材料が交錯するなかで小幅続落…25日線改善のチャンスを生かせるかどうかが焦点に
 おはようございます。

 ユーロ情勢は週明けも波乱含みの展開が続いています。この日は、このところユーロに対し上昇基調を続けていたスイスフランに関し、スイス政府関係者が「景気への影響は無い…」と発言したことをきっかけに、ユーロ売りスイスフラン買いが活発化。これを受け、ユーロ・ドル相場にも波及し、ユーロは1.22ドル台に下落。対円でも109円台半ばに下落しています。

 米国株は、週末から開催されていたG8,G20 首脳会合が、経済情勢に配慮しながら財政赤字の削減に取り組んでいくという玉虫色の宣言を採択して終わったものの、手がかり材料とはならず、前日の地合を受けて軟調なスタートになりました。ただ、この日発表された5月の個人消費支出が前月の「変わらず」から0.2%の増加に転じたことを好感し、ウォルマートなど小売や飲料など消費関連株が買われました。また、政府からの利益返還請求が棄却されたことを受けタバコ業界も上昇しています。さらに、政府がスマートホンの増加を受けこれに対応できるネットワーク網の強化を図ると伝えられたことから、通信関連も買われました。一方、首脳会議で銀行課税が見送られたものの、先行して買われていたとして、この日は材料出尽くし感から銀行株が売られたほか、メキシコ湾で発生したハリケーンが湾岸の石油施設を直撃することは避けられそう…との観測から、原油価格が下落。つれて資源・エネルギー株が軟化したことも指数の上げを妨げました。強気と弱気材料が交錯するなか指数は小動きに推移。結局、主力3指数とも小幅続落して終わりました。ニューヨーク市場の出来高は、16億2954万株減の9億2525万株。騰落状況は値上がり1420、値下がり1626でした。

 ニューヨークダウは、4日続落になりました。再びユーロが弱含んだことで、輸出への影響を懸念するなど景況感の悪化が投資家の気迷い感を強めています。三本新値は陰転し、弱気相場入りしていますが、すでに陰線は4本目。また、週末段階で25日線が上昇に転換するなど、強気に変わる地合は整い始めました。ただ、25日線が横ばいに転じたものの、ここ数日の商いでは同移動平均線を上値抵抗とするような動きも見られています。状況が改善している間に、移動平均線上に株価が出てくることが望まれます。その中で注目されるのが、わずか発売3日で170万台を売った「i PHONE4」。米国では大容量の情報をやり取りするスマートホンやiPADなど新通信機器の登場で、従来の通信インフラでは対応できない事態が生じています。オバマ政権のスマートホン向け通信網の整備計画もこれを受けてのもの。景況感が悪化するなか、民間活力を利用して景気刺激策につなげられる事業として、大きなテーマに浮上してくる可能性が強まってきました。かなり先食いされた部分はありますが、引き続き低迷の突破口として動きが注目されます。

28日の米国市場
ニューヨークダウ 1万138ドル52セント  -5ドル29セント(0.05%)

NASDAQ総合指数  2220.05ポイント  -2.83ポイント (0.13%)

S&P500  1074.57ポイント -2.19ポイント (0.20%)

CME日経平均先物 (ドル建て) 9705円  +15円

        (円建て)  9675円  -15円

米国10年もの国債金利  3.0227%  -0.0869%

WTI原油  78.25ドル  -0.61ドル

GOLD 1238.80ドル  -17.60ドル 


 米国株は続落。CME日経平均先物も小幅ながら大証先物終値を下回って帰ってきました。円相場は、対ドルが89円30銭台、対ユーロが109円60銭台とともに円高で推移しており、今日も株価の圧迫材料になります。選挙期間中で相場の方向性も定められず、当面、先物の影響が強まりそうです。昨日のCMEで円建て安値は9645円をつけており、先物筋の売り目標となることも弱含みの相場を暗示しています、昨日から、先物の売りポジションを積み上げている外資系証券が再び、売りを増やしていることも懸念材料。昨日発表された先物の残高をみると国内大手証券の買い残が極端に多くなっていますが、恐らく裁定取引に付随したもの。米国の長期金利が急低下しており、日本の債券先物への影響が懸念されますが、これにともなう株先物売から、裁定解消売りの増加も懸念されます。板が薄くなっているだけに下値が読みづらくなっています。今日も、個別の材料株や超低位株物色でお茶を濁す展開か?

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G20首脳宣言で問題国扱いされても通貨が上昇する不思議な国…整理の日柄は満ち始めた?
 週明け28日の日経平均株価は、43円54銭安の9693円94銭、TOPIXは6.50ポイント安の860.80と、ともに続落して終わりました。前週に続き見送り気分が強く、出来高概算は14億2540万株、売買代金は9613億円と、とうとう1兆円の大台を割り込んでしまいました。また、日経平均サイコロは6勝6敗、騰落レシオは100、RSIは54、25日線かい離はマイナス0.9%でした。今日の終値での25日線は9779円。下落ピッチは弱まっていますが、依然、下落が続いています。先週末の段階で日経平均の週足サイコロは4勝8敗、RSIは36でしたから、中期の指数はほぼ底値圏に到達していると言えそうです。市場のムードとしては、悲観的というより、何か、「どうでもいい…」というムード。市場心理としても中途半端な状態になっています。まあ、先週末の下落で、日経平均の三本新値が陰転したばかり…。今日で陰線2本目ですから、まだ日柄が足りない、というところでしょうか。なかなか、中期と短期のテクニカル指標が揃って「GOサイン」を出すところまで行きませんね。

 さて、注目のG8、G20首脳会議は、2013年までに財政赤字を半減させるという大見出しをつけて閉幕しました。大見出しについては、日本を除く…という例外が設けられ、ダメな国日本のレッテルが、さらに輝きを増しました。ただ、成長に配慮したままの財政再建なんて本当に可能なんでしょうか。リーマンショック後の景気収縮に対し、赤字覚悟の財政出動が行われ、なんとか、世界の景気は恐慌に突っ込んでいくことから避けられたんですが、果たして、民間部門による自律回復ができるのかどうかも分からないうちに、投入資金を市場から引き上げたら、いろんなひずみが出てくる可能性が出てきます。このことは、「偽りの夜明け」に騙されて、金融引き締めを実施。景気をさらに悪化させ、デフレに突っ込んでいった日銀の失敗で証明されていることです。わずか3年で財政赤字を半減させるには、かなりの緊縮財政を引かねばなりませんが、これだけ短期間に市場から資金を引き上げたら何が起きるか…。米国の長期金利がものすごい勢いで低下してきましたが、景況感の悪化だけを読んでいるのなら良いのですが、もし、デフレへの突入を読んでいるとしたら…。

 投機筋に痛めつけられたEUでは、たいして景気も回復していないのに、ドイツを中心に財政赤字削減運動の急先鋒に立っています。なにしろ、PIIGSという問題児を抱え込んでおり、ユーロは安くなる…おかげで、輸出の伸びで景気回復は保証されたようなものだ…。この際、EU規則のマーストリヒト条約の規定を守ってもらおうじゃないか、というドイツの勝手な理屈にフランスも折れ、政権交代があった英国も、前政権の反対をやって緊縮財政に取り組みはじめました。結局、この勢いに米国も押し切られた格好になっています。ただ、過去、ドイツの手前勝手な行動が世界の混乱を助長してきた事例が多いだけに、今回の早すぎる財政健全化対策が果たしてうまく機能するかどうか…。偽りの夜明けに騙されていなければ良いが…と願うばかりです。しかし、白川日銀総裁も行っていたはずですが、偽りの夜明けについて何も言わなかったんでしょうか。

 ドイツはこれを機会に、財政赤字のGDP比3%以内の規約に収めようと緊縮財政を引くようですが、経済規模の大きなドイツが実施すれば、ドイツ以外の域内からの輸入が減少し、他の国の経済にマイナスの影響を及ぼしてくるはずです。大物投機家のソロス氏もドイツが緊縮財政を実施することのリスクを警告しています。1987年のブラックマンデーも国際協調体制を無視して利上げを実施したことから起きていますし、リーマンショック後も本来利下げすべきところを利上げして、ドイツの金融界を危機に落とし込みました。今回も、財政赤字の拡大がインフレにつながるとして、警戒しているようですが、世界の生産力と需要を比較したら、まだまだ、供給サイドが大きく、インフレになんかなるわけはない。にもかかわらず、ここで需要の部分を絞り込んだら何が起きるかは明白。結局、追加的な財政出動をしなければならなくなることになるかもしれません。しかし、強い経済力を持っているドイツにとって、問題国を抱え込んで、共通通貨ユーロが安くなれば、これほどラッキーなことは無い。困ったものですね。

 ただ、例外的な措置が講じられるくらいの問題児である日本の円は、週明けの相場で、ユーロに対してもドルに対しても高くなっています。例外措置を設けられるくらい悪い国の通貨が下落しないというのも、不思議な話。週末の、IMM通貨先物市場では、差し引きの円買いポジションが3ヶ月ぶりにプラスになってきました。米国の景気減速懸念を映し、金利が低下。日米の金利差が縮小するから円を買おうということでしょうか。なにか辺ですね。EUはこのままほっといてユーロ安の恩恵を受け、景況が改善してくるなら本来はユーロ高になってもおかしくはありません。日本の場合は、円高になればなるほど、輸出がダメージを受け不況感が強まってくる…。にもかかわらず、相手の不況感が強まれば強まるほど、円は上昇し、日本経済はモット不況感が強まる。

 何で、こんなに日本だけが貧乏くじを引かなくてはいけないのか理由が分かりません。多分、この背景には、インフレ率を加味した実質金利が日本の方が高いということに起因しているのかも知れません。表面的な金利は、米国と変わりませんが、物価を加味すればマイナス物価になっている分、日本の金利が高く、円買いが強まってきます。この状態は、バブル崩壊以降ずーと続いていること。実質金利の低下が、日本経済の不況感を和らげる答えだと分かっていながら、放置してきた日銀の責任は大きいと思われます。デフレを解消するためにカネをバラまけば、インフレになる…とどこかの国とおんなじことを行っています。しかし、今でもまだ日本経済の需給ギャップは25兆円もあり、少々カネをばら撒いてもインフレになるわけは無いのに、昔から日銀の先輩方が言ってきた理論に従えば、インフレになるということなんでしょう。とにかく、ドイツと日銀の教条主義をナントカしないと、将来禍根を残すことになりそうです。

 当面の動きについては、今週が山場になると株式レポートに書いておきました。チャートの読み間違いについても訂正を入れましたが、レポートで書いた底入れパターンになるなら、どうしても日柄が必要になってきます。一番最初に書いたように、投資家心理は「悲観」なら底入れは早いのですが、「どうでもいいや」では、整理に時間がかかってしまいます。IMMの取り組みから円高懸念が強まっていますが、このところ、先物を売りまくっている外資系証券が、今日再び1700枚を越える売りをしています。円高がさらに進行し、日本経済がダメージを受けるとみているのかもしれません。ただ、今週から来週はじめは、日柄から見ても大事な週になってきます。4月の頭に底打ちし、「小回り3ヶ月」を迎える日本株。4月の26日に天井をつけ、まだ日柄が足りない米国株。日米株が出直った3月に入れ替わるように天井を打った中国株。このところ2500ポイントを中心にもみ合い始めましたが、果たしてこれからどうなるか。日柄が満ちる日本株は、どちらに引っ張られるか…。来月は中国株が焦点になりそうです。それにしても、今の日本経済は、錨を失った舟のようなもの。本来なら、しっかりした船長(政治家)がいて、航路を示すべきですが、為替ひとつにしても対策をうちだせない肩書きだけの船長。昨日のどこかのテレビ番組ではないけれど、本当にこの国は危ないよ。そのうち、どこかの国の国旗の星のひとつになってしまうんじゃないかと真剣に思い始めました。

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金融改革法案の合意で悪材料が出尽くすも、GDP下方修正による景況感の悪化が上値を抑え、膠着相場に
 おはようございます。

 昨日の欧州情勢は、主要な舞台がカナダで開催されているG8,G20に移っているため、比較的平穏に推移しました。ただ、財政再建の行き過ぎを懸念する米国をよそに、ドイツのメルケル首相は、EUや同国の財政再建の強化を提唱。フランスもフィヨン首相が、1000億ユーロに達する赤字削減に言及。前提となる経済成長率が低下する場合、削減額を増額する必要があるなどと発言。EU全体で財政再建に取り組む姿勢を強めることをアピールしています。

 昨日の米国株は、高安まちまちの終わり。この日は、第一四半期GDPの確定値が発表されましたが、改定値の3.1%増から、2.7%に下方修正。特に、個人消費や設備投資が下方修正されたことから、第二四半期の見通しへの警戒感が高まり、小売や日常買回り品関連が下落しました。っまた、この日、長らく市場の頭を押さえてきた金融規制改革法案について、上下両院の合意ができ、内容的にも銀行の業績を悪化させるほど厳しい内容にならなかったことから、悪材料出尽くし感で金融株が買われたほか、格付け会社への締め付けが予想より緩かったとして、格付け会社が買いなおされたことから、引けにかけ全体的に下落幅を縮小。結局、ニューヨークダウは続落したものの、金融株の上昇を受けたNASDAQ総合指数やS&Pは反発して終わりました。ニューヨーク市場の出来高は前日比12億9370万株増の25億5464万株。騰落状況は、値上がり2212、値下がり810と買いが上回っていました。

 この日は、金融規制改革法案が思ったほど厳しい内容にならなかったことを好感、シティやAIG、AMEXなどの金融株が商いをともなって買われ、S&P500やNASDAQ指数の上げに寄与しました。ただ、GDP確定値が消費の弱さを受け下方修正されたことから、ウォルマートやコカコーラ、P&G、ジョンソンアンドジョンソンなど消費関連の足を引っ張りました。消費関連の場合、中国に仕入れ拠点を置くものが多く、元切り上げによるコストアップを懸念する動きもあるようです。一方、景気減速懸念を受け、ドルが軟化したことを受け、ボーイングが堅調に推移したほか、ドル軟化による金、原油など資源価格の上昇を受け、産金株、アルコアなど素材株の上げも目立ちました。

 米国株は、当面の懸念材料だった金融規制改革法案成立に目処がついたことから、買いが先行しましたが、欧州を中心とした緊縮財政で景気が悪影響を受けるのでは…との懸念が上値を抑え、上にも下にも動きにくい展開になっています。週明けからは、需要な経済指標の発表が続くことや、合意をみた金融規制改革法案の市場への影響を探る動きが始まります。また、景況感の後退からアナリストの第二四半期業績の下方修正が増えており、実際の業績内容との刷り合わせも始まります。さらに、下半期入りとなるファンド筋がユーロへの攻勢を再開するかどうかも焦点となり、当面は、小動きの展開となるのでしょうか。以前から書いているように、下落中の13週線、26週線と上昇中の52週線にはさまれ、三角持合的な動きへ。オラクルの好決算にみられるように企業のICT投資回復でメリットを受ける企業に日が当たる…?

25日の米国市場
ニューヨークダウ 1万143ドル81セント -8ドル99セント (0.09%)

NASDAQ総合指数  2223.48ポイント  +6.06ポイント(0.27%)

S&P500 1076.76ポイント  +3.07ポイント (0.29%)

CME日経平均先物 (ドル建て)  9790円  +50円

         (円建て)   9760円  +20円

米国10年もの国債金利  3.1130%  -0.0100%

WTI原油  78.86ドル  +2.35ドル 

GOLD  1255.80ドル +10.30ドル


 米国株は高安まちまち。CME日経平均先物は、大証先物終値を20円上回って帰ってきています。円相場は、ユーロの安定を受け、対ユーロは110台前半で日本と同水準で終わったものの、米国のGDP下方修正を受け円の対ドル相場はやや上昇。90円20銭台の終わりになっています。週明けの日本株は、選挙戦が佳境に入ってくることや、外部環境にらみで、動きづらい展開になりそう。米国と異なりテクニカル的な下値支持線が無いのが難点だが、下げ幅が拡大する原因を作った欧州系ファンド勢の売りが、中間決算期末の通過で緩和する期待があることは好材料。しかし、これもユーロ相場次第のところがあり、外部環境次第の流れに変わりはありません。日本株については、日々の相場環境を見ながら判断するしかなさそう。

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月内最終受け渡しで換金売りが増加…相場はドスンと落ちた後は小動きに推移
 なんだか知りませんが、また家の周りで工事が増え始めました、もう一週間くらい朝早くからドリルをつかってガリガリやっています。ほかにも、色んな機械をつかって、一日中騒音を撒き散らしています。道路工事かと思ったら、個人の家の工事…。ストレートに騒音が部屋の中に飛び込んできて、頭の芯が痛くなってきました。怒鳴り込みたいけど、御近所さんだしな~。何か、騒音が漏れないような配慮くらいしろよ。お隣さんたちは、文句もいえず、じっと耐えているんだぞ~。ブログの書き込みも遅れ始めたじゃないか。
 

 さて、ちょっとは気分が晴れたところで、週末金曜日の日経平均株価は、190円86銭安の9737円48銭と反落、TOPIXは12.47ポイント安の867.30と続落して終わりました。月内最終受け渡し日でもあり、出来高は18追う8921万株、売買代金は1兆2772億円と、ともに前日比で増加しています。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは104、RSIは56、25日線かい離はマイナス0.5%でした。今日の終値での25日線は9782円。前日から2円の低下。ほぼ横ばい状態になってきましたが、来週になると対応点が時価を下回り、25日線が上向く可能性が強まってきます。

 今日は米国株が、欧州情勢が再び波乱を強めそうなことや、昨日のFRBによる景況感の下方修正、議会で調整中の金融規制改革法案が厳しいものになりそう…など、懸念材料を嫌気。好調な景気指標が発表されたにもかかわらず下落した流れを受け、先物売りが先行して始まりました。為替相場には大きな動きは無いものの、先物売が増加。裁定解消売りを誘発したことが下落幅の拡大につながったようです。米国で景気の2番底懸念が強まっていることや、7月相場に入るとヘッジファンド勢が再びユーロ売り攻勢を強めてくるとの話もありますから、月内に売れるものは売っておこうと、最近上がった中小型株にまで売りが及び、全面安みたいな格好で終わっています。何しろ、CMEの日経平均先物の安値は9695円までありましたから、買い方も手の出しようが無かった、ということでしょう。

 今日は、月内最終商い日でしたから、海外ファンドなどのなかで、中間決算を迎えるところは売りを優先しなければなりませんでした。まあ、海外投資家の売りのピークはとりあえず終わった、とみても良いのではないでしょうか。短期のテクニカル指標は、底値ゾーンというには中途半端ですが、日経平均週足のサイコロは4勝8敗、RSIは昨日までで36…。昨年11月の底の時には、サイコロは4勝8敗、RSIは33…。どうなんでしょうかね。ちなみに明日26日は「満月」となり、相場の重要な変化日。その変化日に、25日線とのかい離修正が終わり、下落を続けていた25日線の状況も変わってくる…。 それなりの腹積もりをしておく必要があるのかもしれませんね。

 さて、来週相場に期待したいところですが、今日もまた外資系のなかに不可解な動きをするところがありました。市場筋の中では大量の先物売り(1万枚以上あったが、昨日一部を買戻し)の残高があり動向を注目している外資系証券ですが、今日、アドバンテスト、キャノン、東京エレクトロンの3社の格付けを引き下げたり、株価目標を下方修正しています。通常の業務の一環だと思いますが、三社とも日経平均の指数採用銘柄だった、ということが問題。さらに言うなら、アドバンテストは指数への寄与度が2.61%で採用銘柄中ナンバーワンの影響力を持っています。また、キャノンは2.26%で5番目、東京エレクトロンはは2.05%で9番目の影響を持っています。これを同時に引き下げしたんですから、日経平均の下落幅が大きくなるのも当然です。調査と分析を尽くして出した結論だと思われますが、市場も警戒するような大量の売りポジションをもっているような証券会社が自己(または顧客)のポジションを有利にするような行為をしてもいいんでしょうか。

 以前から、証券会社の格付けの発表と先回り買い(売り)の間に疑義を生じるような行為は無いのか…と何度か書きましたが、今日の格下げは日経平均への寄与度上位10傑のうちの三銘柄を同時に引き下げています。いずれも外需依存の高い企業ですから、円高がマイナスになる…といわれれば、それまでなんですが、自らが持つポジションに有利な材料を自由にディスクローズできるとしたら、こんな楽しいことはありません。本来なら、監督する立場から何らかの問い合わせがあっても良かったんではないでしょうか。以前から、操作性が高い単純平均型の日経平均先物には問題がある、と指摘されているにもかかわらず、当局はなんらの改善措置も講じません。もしかしたら、今日のようなことは外資系証券の間で日常茶飯事的に行われているんではないでしょうか。不勉強で申し分けないのですが、このような疑義をはさまれるような行為にたいして、何らかの規制をするような措置は設けられていないのでしょうか。

 海外のたちの悪い投資家にとって、日本市場はやりたい放題の無法地帯だと冗談めかして書いてきましたが、こういう事例をみるにつけ、やはりそうだったか、と思わざるを得ません。まともな投資家はどんどん市場から離れているといわれますが、こんなことがまかり通っているんですから仕方が無いことでしょう。そろそろ、まともな市場にしないと日本経済がおかしくなってしまいますよ。
 昨日といい、今日といい、工事の音に頭の芯を痛めつけられ、妄想が渦巻いて変なことを書いてしまいました。とにかく、指数みたいな背後霊がついたものは無視して、来週からは新しい時代を担う成長分野の銘柄を仕込むことにしましょう。今日の寝言は聞き流してください。  

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金融規制強化、景気の二番底懸念、G8,G20…とりあえず、売って様子見
 おはようございます。
 
 欧州危機は、財政危機国への緊急融資や金融安定化基金の創設などにより、小康状態を取り戻していました。当事国も、厳しい赤字削減措置を打ち出して、債務返済に備えていましたが、ここにきて、財政赤字削減への取り組みが、景気に悪影響を与えるとの観測が急浮上。特に、ドイツが債務の削減を強化したことで、EUの景気に悪影響をもたらす恐れがあるとの懸念が強まっていました。市場は、景況感の悪化が問題債務国の債務弁済に影響をもたらすとして、景気指標への関心を強めていましたが、このところ発表される数字が伸び悩んでいたほか、昨日発表されたユーロ圏鉱工業受注(4月)は市場予想の1.6%増を大幅に下回る0.9%増。景況感が悪化したことから、債務支払いに問題がでるとして、ギリシャのCDSは過去最悪の1085bpに上昇。来月162億ユーロの国債償還を控えるスペインは4bp上昇の269bp、ポルトガルも16bp上昇し336bpになっています。これを受け、ユーロは一時下落しましたが、取引が米国に移ると、ショートポジションのまき戻しが入り、1ユーロ1.23ドル台に戻して終わっています。市場の攻撃を受けるEUは財政再建を優先。一方、景気への影響を懸念する米国は赤字削減ピッチの緩和を要求するなど、EUとい米国間の対立が鮮明になってきており、投機筋がつけこむスキが出来始めた点には注意が必要です。ただ、米国に入り、ショートポジションのまき戻しが入るなど、相場的には最悪期は通過したものと思われ、当面は、底値、上値を探る戦後処理が続くものと思われます。

 昨日の米国株は、好調な耐久財受注や新規失業保険申請件数の減少など景気の底堅さを示す経済指標があったものの、欧州情勢の悪化や前日のFOMC(公開市場委員会)でのFRBの景況感引き下げを嫌気。前日引け値を大きく割り込んでスタートしました。また、議会で行われている上下両院の金融規制改革法案のすりあわせで、規制の内容が厳しいものになりそう、との観測から銀行株が売られたことも下落幅を加速しています。終日安値圏で推移していたものの、G8,G20でのヘッジファンド規制や銀行税問題、景気持続と財政赤字削減問題への状況をみたいというムードが強く、引けにかけ持ち高調整の売りが増加。結局、主力3指数とも下落して終わりました。ニューヨーク市場の出来高は前日比1億3102万株増の12億6094万株。騰落状況は値上がり690、値下がり2336と、ほぼ全面安商状になっていました。

 この日は、原油流出事故を起こしたBPが事故発生後の安値を更新したことから、資源・エネルギー関連株が下落したほか、金融規制強化を嫌気して銀行株も売られています、また、前日政府の支援策再開を期待して買われたホームデポなど住宅関連も景気の2番底懸念から売られています。ニューヨークダウは一昨日の下落で三線転換が陰点。目先、弱気相場入りしていますが、この日は当面の下値支持線だった5月下旬~6月初旬のテーブルを下回ったことも弱気を増幅しています。以前から、書いているように、現在は景気が、財政出動による他力本願の回復から、民間による自力回復に移行する局面にあり、どうしても強弱感が対立しやすいといころ。民間主導の景気回復を示す指標がでてくるまで、持ち合い相場は避けられないところではないでしょうか。昨日も書きましたように、上昇中の52週線の下値支持と、下落中の13週、26週の圧迫を受けて、だんだん振幅が小さくなっていく展開か…?

24日の米国市場
ニューヨークダウ  1万152ドル80セント -145ドル64セント(1.41%)

NASDAQ総合指数  2217.42ポイント -36.81ポイント (1.63%)

S&P500  1073.69ポイント -18.35ポイント (1.68%)

CME日経平均先物 (ドル建て)9795円 -115円

         (円建て) 9755円 -155円

米国10年もの国債金利 3.1230%  +0.080%

WTI原油 76.57ドル +0.29ドル

GOLD  1245.20ドル  +11.40ドル


 米国株は大幅下落、CME日経平均先物は、大証先物終値を大幅に下回ル9755円で帰ってきました。円相場は、対ドルで89円60銭台、対ユーロは110円50銭付近の取引。本日はCME先物終値にサヤ寄せし、先物売りから大幅下落して始まりそうです。CMEでは一時9695円まで売り込まれており、今日の相場で先物筋が目標にすれば下落幅が拡大する可能性もあります。週末控えで、後場からはポジションの手仕舞いから下落幅は縮小しそうですが、今日も裁定解消売りが出る可能瀬尾があり、下値については読みにくくなっています。選挙期間に入っており、政策的なフォローも期待できず、当面、外部環境の落ち着きを待つしかなさそうです。まあ、来週に期待をつなぐことにしましょうか。

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先が読めないと、バブル状態の債券市場に突っ込んでいくプロと言われる人たち
 24日木曜日の日経平均株価は、4円64銭高の9928円34銭と小反発したものの、TOPIXは1.07ポイント安の879.77と続落して終わりました。投資家の見送り姿勢はますます強まり、出来高は15億1503万株、売買代金は1兆312億円と、大台割れ寸前まで来ています。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは101、RSIは50、25日線かい離は+1.5%でした。今日の終値での25日線は9784円。前日比で4円の低下でした。まあ、まともな相場で動いているものはあるのかな…という感じになってきました。動いているのは、先物とそれに絡む現物株、それと何らかの理由で毎日売買をしなければならないデイトレーダーたちだけ、といった感じになってきましたね。買われている銘柄を見ても、トレーダーたちの悲鳴が聞こえてきそうな気がします。

 さて、米国の景気頭打ち懸念と9800円台のGLOBEX日経平均先物終値、対ドル89円台、対ユーロ110円台のハンデキャップを背負って始まった今日の相場ですが、予定通りまずはGLOBEXの日経平均先物の終値にサヤ寄せする儀式でスタート。中国市場は冴えない、円は高くなるはで、一時下げ幅を拡大(といっても30円程度ですが…)する場面がありましたが、後場にかけては、なんだか公的年金っぽい買いが入り、先物が買いもどされ、1万円の大台を回復する場面もありました。しかし、欧州市場が軟化して始まったことや、堅調に推移していたGLOBEX米国株先物でニューヨークダウの下落幅が30ドルほど二拡大。これを受け先物売が増加。日経平均はなんとかプラス圏を維持して終わったものの、TOPIXは続落して終わっています。また、今日公示された参院選も投資家の手控え気分に拍車をかけたようです。

 昨日も書きましたように、政府がリスクを背負って景気刺激をしてくれて、世界の景気はなんとか持ち直して着ましたが、ここにきて、景気の見通しは明るいのに、世界の株式市場は、財政の撤退から景気は二番底に突っ込んでいくような見方をしているようです。でも、実際にはそんなに悲観的ではなく、株なんか叩き売ってリスク市場から撤退しようという感じではありません。あくまで、財政の支援無しに民間の力だけでどれだけの景気が維持できるか様子を見ようということでしょうか。ただ、リスク資産の圧縮によるキャッシュの増加や新年度に入ってからの新規資金の流入で、手元資金が増えており、仕方無しに「金」を買ったり、債券を買ったりしてお茶を濁しています。今日の日経でも、企業年金が株での運用をやめ、債券だけに一本化する…、とか株の組み入れ比率を圧縮するなどの記事を掲載。株の投資家のやる気を削ぐような記事を書いています。どこかの国が、もっともっと株価を安くして、日本企業の安いところを買わせろ…と行っているような気さえします。

 冷静に考えると、昨日の米国債の金利は瞬間的に3.1%を割り込み、金融危機後の最低金利に落ちています。それだけ、値上がりしてバブル状態になっているのに、債券の運用を増やすというのは正気なんでしょうか。景気が減速するとしても、ここまで金利が下がってくると、債券と比較した株式の割安感も出てきます。また、中古住宅販売、新築住宅販売と立て続けに冴えない数字が発表され、米国の住宅業界は大丈夫か…という心配も出ていますが、これだけ長期金利が低下してくると、これによって住宅取得が促されてくるという側面もあります。実際、悪い、悪いと言われながら、住宅価格は上げに転じていますね。米国の住宅バブルは、販売数量がピークを打った後も、金利の引き締めを続けたことから需給関係が急速に悪化。短期間に住宅価格が下落したことから起きました。ここにきて、販売数量は傾向的に回復、価格も上げに転じたところで、住宅ローン金利の低下が始まった…果たしてみんなが心配しているようになるんでしょうか。今は株から撤退するどころか、どこで何を本格的に仕込むかを考えるところで、ファンドマネージャーとしては、腕の見せ所のはずですが…。

 債券市場の方が、人が集まっているから安全なように見えますが、相場の世界では、同じ考え方の人が集まるところほど危ないところはありません。日本の企業年金が日本株をどんどん売り、海外のファンドがそれを買う。そして、株主の圧力を使って虎の子の技術を、海外企業に移転する…。ソニーの外人持ち株比率が急増した後、何故か、サムスンと不思議な提携をし、ソニーはサムスンに当時彼らがもっとも遅れていた画像処理技術を移転。その後、どうなったかは皆さんも日経のサムスン礼賛記事でお分かりのことと思います。最近、世界を震撼させたのは、日本の惑星探査衛星はやぶさが、気の遠くなるような距離をわずか66キログラムの燃料で往復。トラブルはあったものの、セットされた仕事をこなして帰還したことです。恐らく、日本の技術力の高さに、世界は恐怖心さえ抱いたはずです。まさに、自信喪失状態の日本人に元気を取り戻すチャンスだったのに、マスコミ大手は連載を組もうともしません。日本人が自信を喪失するような記事は、世界中駆け回って探してきて(日本人が元気を出すことが困るところから情報をもらって…)掲載するのに、なにか不自然なことを感じさせます。

 日本は世界大戦で、連合国にはむかった敵国ですから、日本が軍事力や科学力をつよめ強国になることを好まない国があるのかもしれません。アジアの安定や極東の安全のため、日本国内の基地が必要という説がありますが、駐留の本当の目的は、果たして日本やアジアの安定を守ることにあるのでしょうか。どうしても、二度と逆らえないように、足元において監視している…としか考えられません。また、その統治機構の一貫としてマスコミの記事統制がしかれているとしたら…。また、夢にうなされてうわごとを書いてしまいました。まあ、大事なのは、日本の投資家が日本の企業や経済の実力を一番わかっていないのではないか…ということ。安値で、株式を拾われ、自分たちが投資している国の企業を成長させるために技術を移転させて、成長を促進する…。最小の投資で、最大の効率を上げる…実に良いシステムではないでしょうか。昔の東インド会社が、他国から搾取するシステムとして編み出したものだといわれていますが、日本は、どこかの国の植民地なのでしょうか。

 まあ、今日は書くことがありませんから、日ごろから思っている夢の中の話を書いてみました。株価については、以前から書いているように、日米とも25日株価移動平均線がポイント。今日で、日経平均の25日前の水準は、5月20日の1万30円が落ち、対応点は今日の引け値を下まわってきました。明日の相場次第では上向きに転じてくるかも知れません。また、昨日、今日ともんだところは、6月4日の戻り高値付近…チャート上の急所に当たっています。さらに、日経平均の週足一目均衡表では雲を抜け、境い目のところでもみ合っているところ。さらにさらに、日経平均週足のサイコロは、4勝8敗、RSIは35という数字。昨年11月の底値時は、RSIが33でしたから、今のこの水準をどう考えるか。少なくとも、弱気になるようなところでは無いような気がするんですが…。これも夢にうなされていっているうわごとでしょうか?

 何を買うかが大事ですが、日本植民地支配の経済コントロールの道具としての先物売買の影響が大きい指数採用銘柄は当面見送り…か。そういえば、今日の日経6面にクラウド関連の成長が世界で17%…なんて、感じの良い記事がありましたね。

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欧州情勢と景気の先行きを懸念し高安まちまちの動き…景気支援策の再開を期待
 おはようございます。

 昨日の米国株は、前日に続き住宅関連指標の悪化が伝えられ続落してスタート。ユーロ情勢の緊張が続いていることも株価を圧迫。一時、下落幅は60ドルを上回る局面もありました。ただ、この日閉会したFOMCで、景況感が下方修正されたほか、ゼロ金利を当面据え置くことが決定されたことが株式市場にとってプラスになるとして買いなおされ、70ドル以上反発するなど、神経質な動きを繰り返した後、ニューヨークダウは小反発して終了。ただ、銀行株が売られたS&P500やNASDAQ総合指数は続落しておわるなど、高安まちまちの展開になりました。ニューヨーク市場の出来高は、前日比1305万株増の11億2992万株。騰落状況は値上がり1422、値下がり1601と値下がり数が上回っているものの、押し目買い姿勢も強まっています。

 この日は、引き続きフランスの銀行や国債への格下げ懸念が強く、ユーロが下落。5月の新築住宅販売件数が、支援策の打ち切りから過去最大の32.7%減になったことを嫌気。景気の先行きへの懸念からリスク回避姿勢が強まったこともドルを上昇させました。また、この日実施された5年債の入札が応札倍率、間接入札比率とも前回を下回り、財政資金調達の先行きに懸念を強めたことも、金融株売りなどにつながっています。ただ、中古住宅販売に続き、新築住宅販売が過去最大の落ち込みを記録。住宅部門の先行き懸念が強まったことから、支援策の再開が近いとの観測がでて、DRホートンなど、住宅関連株が上昇に転じるなど、投資家心理の基調が強いことを示す動きも出ています。個別では、アルミ需要の拡大予測を受けてアルコアが上昇したほか、米空軍との納入契約がまとまったボーイングが上昇するなど、採用銘柄がしっかりだったことが、ニューヨークダウの上げに貢献しています。

 ニューヨークダウは、乱高下を繰り返したあと、ほぼ前日引け値水準で終了しています。前日の下落で、これまで下値を支えてきた200日線を下回り、再び弱気局面入りしています。ただ、200日線にかわり、5月下旬から6月初旬にかけて形成したテーブルが下値支持ゾーンとして機能。この日の下値を支えました。以前から書いているように、現在は下落している25日線の改善待ちの段階。週内に25日線は上向きに転じてきますが、焦点は上向きに転じた同線が、どれだけの下値支持力を持っているか…。大きな成果は期待できないものの週末にはG8,G20首脳会議が開催され、つづいて来週になると月末控えから、週明けの雇用時計など経済指標を意識。また、第二四半期決算発表へと、重要イベントが相次ぎ、ますます動きがつらくなってきます。
 ざっくり書けば、上昇中の52週線と下落中の13週、26週線に押さえられて三角持合を形成。決算内容を映しながら次の展開を探る動きになるのでしょうか。全体の動きが停滞するだけに、逆にクラウド関連など急成長中のICT関連の動きが目立ってきます。今回のG20では、金融規制の問題もありますが、昨日も指摘した財政再建への急激な傾斜にブレーキがかけられるかが焦点。そのためには格付け会社を黙らせることが大事。(出来ないでしょうけど…?)

23日の米国株
ニューヨークダウ 1万298ドル44セント +1ドル92セント(0.05%)

NASDAQ総合指数  2254.23ポイント  -7.57ポイント (0.33%)

S&P500    1092.04ポイント  -3.27ポイント (0.30%)

CME日経平均先物 (ドル建て) 9925円  +25円

         (円建て) 9880円 -20円

米国10年もの国債金利 3.1500%  -0.050%

WTI原油  76.35ドル -1.50ドル

GOLD   1234.00ドル  -5.90ドル

 
 米国株は高安まちまち。CME日経平均先物は、円がドル、ユーロに対し買われたことから、小幅に下落9880円で帰ってきました。国内円相場は、対ドルが89円90銭台、対ユーロが110円70銭台とともに、やや円高水準で推移しており、今日の相場の足を引っ張りそうです。日本は今日が参院選の公示日となり、来月11日の投票日まで政治的な空白が続き、ますます外部要因に左右される展開が続きそうです。米国株については25日線への接近を意識して下値抵抗感が出てきており、今日のGLOBEX米国株先物の反応が注目されます。米国株では相変わらずハイテク株が強く、昨日もSOXX(フィラデルフィア半導体株指数)はプラスで終わっており、日本でもハイテク株の動きが注目されますが、為替が足を引っ張るだけに模様眺め気分が強まりそうです。昨日に続き、クラウド関連。今日も裁定解消売りが懸念材料に…。

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米国の写真相場が続く…格付け会社の脅しに、ますます萎縮する投資家心理
 23日水曜日の日経平均株価は189円19銭安の9923円70銭、TOPIXは13.72ポイント安の880.84とともに続落して終わりました。重要イベント控えで投資家の手控え気分は強く、出来高は16億1302万株、売買代金は1兆1170億円と市場エネルギーは日ごとに縮小しています。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは97、RSIは50、25日線かい離はプラス1.4%でした。今日の終値での25日線は9788円。再び下落幅を拡大してきました。あまり、マスコミは書きませんでしたが、昨日の段階で、日経平均週足13週線と26週線が下落しながら交わるデッドクロスを示現。昨日の高値も下落中の52週線にタッチしたところで頭を押さえられ下落に転じています。

 さて、昨日のクレディスイスの先物売り手口で、昨晩は何が起きるやら…とみていたら、格付け会社スタンダードアンドプアーズが、スペインとフランスは、モット根性入れて財政再建に取り組むべきと発言。下手すると格下げされるんじゃないかと、戦々恐々でユーロが売られ、不透明な世界に引きずり戻されてしまいました。米国株の下落要因として中古住宅販売が予想を下回った…と説明されていますが、発表を受けても、住宅ローン申請手続きの遅れが原因とわかっていましたから、午前中はしっかりに推移していました。ところが、S&Pの余計なコメントがあったあと、ユーロが下落。やはりこれはまずいぞとして、改めて予想を下回った中古住宅販売関連を売りなおした、ということです。朝も書きましたが、市場はユーロ安による輸出競争力の低下や世界の国が一斉に財政再建に取り組み始めたことによる景気回復の腰折れを懸念し始めています。そんなときに、格付け会社が内政干渉じみた発言を繰り返し、みんなが一斉に財政再建に走ったら、その後に何が起こるかは、日本で証明済み…。

 バブル崩壊後に企業や個人が過剰借金体質を是正するため、合理化や事業の見直しを進め、浮いた資金で一斉に借り入れの返済に走った結果、景気の悪化が一層増幅された…という、いわゆる「バランスシート不況」に落ち込んでしまいました。個々の行動は正しいことをやってるのですが、みんなが一斉に同じ方向に走り出すと誤った結果に陥る、いわゆる「合成の誤謬」として、注目された事象です。何しろ格付け会社の発言の裏には、(俺たちが忠告しているようにしなかったら、格下げするぞ…。そうなったら、資金調達も出来なくなるぞという)圧力があるため、名指しされた国は言うことを聞かざるを得ないという、状態になっています。日本に対しても、「うん、うん、今のようなやりかたならちょっとは良くなるな…」みたいなフィッチの発言がありました。

 個人的には、お前ら何様だ…といいたくなってきますが、彼らが、あまりあちこちで発言しすぎると、世界経済が「合成の誤謬」に陥る懸念が強まってきます。発表のタイミングや根拠、必要でないときはコメントを出さないなど、何らかの制限が必要な時期に来ているような気がします。発言が市場に与える影響が大きくなっていますから、ファイヤーウォールが完全に守られているかどうかの社内的な体制もチェックする必要がありそうです。昨年の米国の金融危機時、今回のユーロ危機といい、あまりにも投機筋の動きと彼らの格下げのタイミングが合いすぎているケースが多かったことなど、追求されなければならないことは多いはずなのですが、いまだに、なにもなされていないようです。とにかく、インチキがまかり通るような市場にだけはしないようにしてほしいものです。

 結局、今日の相場もユーロ安のとばっちりを受けて下落したようなもの。ユーロが安くなると欧州から売り物が出てきて日本株(というよりインデックス銘柄)は下落してしまいます。おまけに、今日は国内で円高が進むは中国株は安いは…で、先物の売り攻勢が続きました。また、米国の債券が買われたことを受け、日本市場でも債券先物買いが増加。一方で株の先物を売るロングショート取引が強まったことも、先物への売り圧力を強めています。結果、先物価格が現物を下回り、いつものように裁定解消売りがでて、下落幅を拡大しています。今日みたいな日に、野村証券は先物を買っていましたが、同社は裁定取引を活発にやる証券会社としても著名。先物を買い戻して、現物を売る…という解消売りをとおして、今日の下落に貢献してくれました。また、昨日売ったクレディスイスは、また今日も売り越して、枚数は3000枚を優に超えてきました。雇用統計発表前も、大体同じ枚数を売っていましたが、まだ何か大きな悪材料をつかんでいるんでしょうか。何か気持ちが悪いですね~。

 前日の米国株次第で、寄り付きの状況が変わる日本株は、毎日窓を開けまくっていますが、今日の窓をあけての下落で「離れ小島」の目先天井型が完成。米国次第でどう変わるか分かりませんが、目先ちょっともたもたするかもしれません。

 そういえば、今日発表された先週18日までの裁定取引状況によると、株価が上がりましたので裁定残は753億円増加。1兆5798億円に増えていました。しっかり、下落エネルギーは溜め込まれていたということですね
。まあ、またしばらくは「賽の河原の石積み相場」でSMゲームを楽しむことにしましょうか。ただ、鬼の一人が国内の証券会社というのは腹が立ちますけどね。

 まあ、ユーロ相場については、当面は戦後処理に入っていると思いますから、前のように厳しい下落は無いものと考えています。すでに、ユーロの下落により、ルイビトンの売り上げが増加するなど輸出の増勢が始まっています。景気の改善が始まっているわけですから、ここからユーロを売るにはリスクがあるものと思われます。まあ、あまり深刻に考えない方がよさそうです。ただ、米国では、景気建て直しの支援策が次々に終了し、景気回復の勢いが落ち始めています。また、世界的な財政再建への取り組が景気の回復ピッチを遅らせるというリスクを市場は感じ始めているようです。つまり、これまでのような急なピッチでは景気は回復しないということを市場が織り込み始めているのではないでしょうか。景気が腰折れすることは無いが、勢いは減速するということです。そうなると、政府の支援を受けて回復していた企業はしんどくなるのは当然…。金融や住宅、土木など。また、ドル安政策にのっかっていたところも同様。

 でも、いつも書いているように、政府の支援を受けなくても自然発生的に成長し始めた分野が米国にはあります。この乱調子のなかでもしっかり買われています。まあ、言い方を替えれば、他力本願で回復してきた企業ではなく、自ら市場を開拓している自力救済型の企業が花形になる時代が来た…ということでしょうか。少なくとも主力株ではないようですね。とにかく、今晩何もないことを祈っておきましよう。

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再び、波乱し始めたユーロ相場に耐え切れず下落…やはり、波乱を暗示した昨日のクレディスイスの売り手口
おはようございます。
 
 小康状態を保っていた欧州情勢ですが、英国が消費税の引き上げや銀行税の導入により財政再建を強化、スペインなど財政問題国も再建への取り組みを増強しているにもかかわらず、一昨日は、格付け会社フィッチが仏銀BNPパリバを格下げ。昨日はスタンダード・アンド・プアーズがフランス、スペインの財政健全化の必要性を指摘。これを嫌気してユーロは再び下落。一時、1ドル1.24ドル台に上昇していたユーロは、1,22ドル台に下落。理論価格の1.23ドルを再び割り込んできました。折角、安定していた為替情勢は、格付け会社の不透明な動きで、再び不安定な動きに引き戻されようとしています。ユーロ・円相場は111円の台割れ寸前まで売られています。

 昨日の米国株は、中国の為替政策変更の経済効果への疑問が高まっていたところに、5月の中古住宅販売が市場予想を下回ったことを嫌気。景気の2番底があるのでは、との観測が強まり売りものが次第に増加。午前中は前日引け値水準を維持していたものの、S&Pのスペイン、フランスへの財政健全化コメントを機にユーロが軟化を始めると、前日までに買われたキャタピラーや住宅関連株が下落幅を拡大。主力株で構成されるS&P500が当面の支持線であった200日線を割り込むと、売りは全体に拡大。結局、主力3指数とも大幅続落し、ほぼ安値圏で終わりました。ニューヨーク市場の出来高は前日比4940万株増の11億1687万株。騰落状況は値上がり617、値下がり2446と、売りが大幅に上回っています。

 この日発表の中古住宅販売戸数(5月)は、前月比2.2%減少し、年率566万戸。市場予想の5.5%増、612万戸を大幅に下回りました。4月の販売戸数は577万戸から579万戸に増額修正されています。市場予想とのくい違いについては、住宅取得支援策終了間際の駆け込み申込の増加で、住宅ローン申請手続き事務が停滞していることが影響しているとされています。ただ、市場は住宅市場の先行きを懸念。ホームデポやKBホームなど住宅関連が大幅に下落しています。

 このところの米国株は、ユーロ相場との連動性を強めています。この日も、中古住宅販売の予想を下回る数字や中国為替政策への過剰期待の剥落という悪材料にはナントカ耐えていたものの、ユーロが下落するとともに、緊張の糸が切れたように全体が売られて下落しています。格付け会社のコメントに神経質になりすぎている感じがしますが、それだけ、輸出主導で回復してきた米国景気の先行きにとってユーロ安が障害になると見ているのでしょう。市場はいまだに「懐疑」の段階を抜けきれないようです。昨日も、書きましたように、現在は25日線の状況の改善待ちの段階。25日線は1万200ドルを割り込んだところにありますが、数日中にも対応点が急低下し、上昇転換してきます。しばらくは、26日線の支持力のテストがありそうです。ただ、昨日も、悪地合の中でアップルが買われたり、クラウド関連機器製造販売企業が買われるなど、ICT業界の突出ぶりが目立ってきました。日本と同様に指数を気に過ぎないほうがよさそうです。

22日の米国市場
ニューヨークダウ  1万293ドル52セント -148ドル89セント(1.43%)

NASDAQ総合指数  2261.80ポイント  -27.29ポイント(1.19%)

S&P500   1095.31ポイント  -17.89ポイント (1.61%)

CME日経平均先物 (ドル建て)  9980円  -130円

         (円建て)  9940円  -170円

米国10年もの国債金利 3.1660% -0.0770%

WTI原油  77.21ドル  -0.61ドル

GOLD   1240.8ドル  +0.1ドル


 米国株は続落、CME日経平均先物は1万円の大台を割り込んで帰ってきています。円相場は、対ドルが90円50銭台、対ユーロが111円をはさんだ円高水準で始まっており、今日も先物売り先行で軟調な始まりが予想されます。昨晩書きましたように、相場の節目で動いてくるクレディスイスが先物のまとまった売りを出したことが懸念される…とかきましたが、心配したとおりになってしまいました。相場巧者がやっていると思いますが、あまりにもタイミングが合いすぎているケースが多く、インサイダー的な行為が行われていないことを願うばかりです。今日も売り一巡後は、外部環境にらみの展開になりそうですが、ここでは指数に振り回されるより、米国で始まったアップルを中心にしたICT革命の流れを素直に反映する日本株を発掘して押し目買いをするのがベストな作戦だと思われます。それにしても、格付け会社って、本当にわずらわしい…。

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外部環境に振り回され、現実を思い知らされた一日…25日線の転換が近く弱気は無用
 22日火曜日の日経平均株価は、125円12銭安の1万112円89銭、TOPIXは7.93ポイント安の894.56と、ともに反落して終わりました。重要イベント控えで見送り気分は強く、出来高概算は16億9194万株、売買代金は1兆2086億円と、ともに前日よりも減少。依然、薄商いが続いています。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは100、RSIは63、25日線かい離はプラス3.2%でした。今日の終値での25日線は9798円。昨日、上昇に転じましたが、一日で再び下落に転じました。昨日はなんだか訳もわからず、GLOBEXの米国株高に煽られるようにして上がりましたが、まだ、足元も固まっていないのにちょっと危なっかしい感じがしましたが、早速、今日は「反省!」の相場になりました。

 今日の朝もかきましたが、中国の元の切り上げに浮かれて、アジアから上げ相場が始まり、欧州、米国へとつながって行きましたが、流石に、当事者である米国に行くと分析も進み浮かれ気分もクールダウン。元高が金融引き締めにつながるとの解説がでてきたり、ウォルマートなど量販店が商品の仕入れを中国に依存しているため、利ざやの縮小や販売価格の引き上げにつながりかねないと分析。後場からの相場は一転して利食い売り一色になってしまいました。また、市場が一番心配したのは、国債の消化問題。タイミングの悪いことに、今晩から1080億ドルの国債入札がはじまります(22日:2年債400億ドル、23日:5年債380億ドル、24日:7年債300億ドル)。元を切り上げたら、もう米国の国債を買わなくなるのでは…との思惑が強まり、国債が急落。利回りは一時3.31%に急上昇しています。結局、資金調達に対する不安がこの日の相場に止めを刺し、前場中に上げた分を全部なくしています。

 今日の日本株もこの環境を受けて、昨日買われた先物の売りから下落してスタート。裁定解消売りも加わったことから下落幅を拡大しました。また、忘れたころにでてくるお騒がせ屋の格付け会社フィッチが、忘れてもらっては困るとばかり、フランスの銀行BNPパリバの格下げを実施。引き下げの理由は、別に今のタイミングでやら無くても良い内容でした。おかげで、ユーロが売られ円が上昇。後場からは、前場しっかりしていたGLOBEX米国株先物が軟化。これを嫌気して先物売が先行。裁定解消売りもでて下落幅を拡大して終わっています。最近も書きましたが、市場のムードが良くなってくると、不思議なくらいタイミングをあわせて格下げを実施してきます。なんだか貧乏神みたいな感じになってきましたね。ただ、神様のお札もあまり数が多いとありがたみにかけるのと同じ。最近は連発しすぎるから、影響力も弱まってきたような感じがします。まあ、昨日も書きましたが、先物やデリバティブの背後霊がついた指数はこんなもの。あまりこだわると相場の実態が見えなくなってしまいます。

 ただ、今日の先物の手口で気になるのが、相場の節目、節目で、売りに出てくるクレディスイスが先物を売ってきたこと。米国の雇用統計への期待感が高まり日本株が上げたときも発表当日に3000枚を超えるまとまった売りを実施しており、ちょっと注意しておいたほうが良いかもしれません。

 まあ、今日は、昨日浮かれて上がった分を修正した、という感じですが、日米ともここからの注目点は25日線の動向。米国株については今日の朝書きましたので、それを参考にしてもらいたいのですが、日本株の場合は、52週線、200日線という長期線の下に株価が入っており、どうしても上値圧迫を受けやすくなっています。また、米国の場合は、両線ともに上昇。下値を支えているものの、日経平均には下値を支持する線が無いのが、下値不安を強めることになっています。それだけに、25日線がどちらを向くのかが重要。その25日線は明日から対応点がどんどん切り下がって行きますから、早ければ明日からでも25日線は横ばいから上昇に転じて行きます。これで下値不安が解消されてきますから、外部環境をにらみながらいよいよ200日線、52週線奪回のチャレンジ相場が始められるようになります。もちろん先物に引っかきまわされますから、簡単にはいかないでしょうが、25日線が上げに転じれば、先物筋も売り込みづらくなってくるだけに、相場にとってはプラス。

 とにかく、指数は崩れなければ、あとはどうでも良い…。昨日も、米国で始まったICT革命の話を書きましたが、日本でもクラウド関連などで東芝や富士通など大手の企業が取り組むものの、相場的に魅力なのは核心的な技術を
持つ中堅企業…。直近レポートで取り上げたクラウド関連の本命企業は、今日も大幅高で終わっていました。昨日も、当面は、中小型株中心の相場になる…と書きましたが、「主力株水準が安いのに何故…」という質問がきます。一番簡単な答えは、中小型の代表指数である単純平均の天井は2006年1月のライブドアショック時。主力株の天井は、ヘッジファンドが闊歩した2007年7月…。単純平均型の銘柄はまるまる4年半売られてきた一方で、主力株はまだ売られ始めて3年たっていません。ファンダメンタルを無視して需給関係だけ見た場合、どちらが整理が進んでいるんでしょうか。この違いに、米国で始まった大きな変化が絡んでくるわけです。

 あまり、書き過ぎると会員様からのお叱りを受けますので、この辺にしておきますが、相場の流れは確実に変わりつつあります。ここで大事なことは、逆張り銘柄と順張り銘柄の区別をつめること。マスコミやテレビ番組の解説はどうしても主力株や指数を中心にしすますから、相場の実態がつかめないケースが多くあります。米国で何が買われているか、一度、調べてみてはいかが…。

 7月までは強気。

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夢から醒めたら、厳しい現実が様々見えてきた…という感じ?
 おはようございます。

 中国の為替政策変更の反応は、最初にオープンしたアジア市場が我を忘れて反応。欧州に移っても「熱烈歓迎」というムードで主要市場は全面高していました。

 昨日の米国市場も、戦争に勝利したようなムードで、対中輸出が増加するなどの楽観論が支配的になり、急伸してスタート。しかし、時間の経過とともに、市場は冷静さを取り戻し、製品調達を中国に依存する小売業にとっては、製品価格の上昇につながる、として売られ始めたほか、元切り上げが実質的には金融引き締め措置につながるとの観測がでたことから上げ幅を縮小。さらに、元高により米国債の購入が減少するのでは…として、国債市場が下落(金利は上昇)すると、売りが加速。一時、150ドル近くあった上昇幅を全て打ち消し、結局、主力3指数とも5日ぶりに反落して終わりました。ニューヨーク市場の出来高は、デリバティブ決済があった先週末から、6億9828万株減の10億6747万株。騰落状況は値上がり1262、値下がり1782と、結局、値下がり数が上回りました。

 この日は、中国向けの輸出拡大が期待できるとして、アルミ大手アルコアや鉄鋼株など素材関連がしっかりに推移しました。一方、元高による製品価格の上昇や利ざやの縮小が懸念される小売株が売られたほか、同様に、中国からの輸入が多い食品や生活必需品なども軟調でした。また、この日は、参入業者の増加から競争が激化している電子ブックリーダーでパイオニア的な存在だったアマゾンが、「キンドル」の価格を値下げしたことから売られて下落。これを機に、アップルやマイクロソフトなど最近買われてきたハイテク株全般に利食い売りが増加。ハイテク株が多いNASDAQ総合指数は、ニューヨークダウを大幅に上回る下落になりました。

 昨日のニューヨークダウは、完全な「往って来い」の相場になりました。浮かれ気分で世界一周してくる間に、冷静な分析が進み、中国の為替政策の変更が思ったほど、メリットをもたらさないことがわかったほか、国債の消化や消費にマイナスの影響をもたらす可能性があるなど、気迷い感を強めています。ニューヨークダウについては、下値は固いものの、13週、26週という中期の移動平均線がいずれも下落したまま、接近しており、頭を押さえられる可能性が強いことはこれまでにも書いてきました。昨日の高値も結局、この中期線で押さえ込まれる格好になってしまいました。直近のレポートでも同様の指摘をしています。52週線、200日線という、長期線はいずれも上昇基調を支えていますが、目先的な出直りには短期線の改善が必要。まだ、ちょっと早かったんですね。

21日の米国市場
ニューヨークダウ 1万422ドル41セント -8ドル23セント(0.08%)

NASDAQ総合指数  2289.09ポイント -20.71ポイント (0.90%)

S&P500  1113.20ポイント -4.31ポイント (0.39%)

CME日経平均先物 (ドル建て) 1万200円  -30円

         (円建て) 1万160円  -70円

米国10年もの国債金利 3.25% +0.02% ←一時3.31%に上昇。今晩からの総額1080億ドルの                         国債入札に対する消化懸念。中国の為替政策変更の副作用?

WTI原油  77.82ドル  +0.64ドル

GOLD  1240.7ドル  -17.6ドル  ← 一時、1266ドルの過去最高値更新


 米国株は往って来い。CME日経平均は、大証終値を下回って帰ってきました。円相場は、対ドルでは金利差拡大により1ドル91円台へとやや円安気味ですが、対ユーロでは、依然、EUへの先行き懸念が高く、ユーロがドルに対して下落した流れを受け112円をはさんだ水準へ上昇しての取引になっています。今日の、株式市場は、昨日の浮かれすぎ相場への修正が行われ先物売から軟化してスタートしそうです。米国債が下落したことから債券先物売り・株先物買いのロング・ショート取引も増え、先物売りの影響は限られそうです。当面、小幅な下落にとどまると思われますが、その後は、昨日と同様に、外部環境(特に、中国市場とGLOBEX米国株先物)にらみの展開になりそうです。引き続き、中小型ハイテク株への注目をしたいのですが、今日は米国NASDSAQ市場が、他市場を上回る下落をしており、爪を伸ばすのは避けたいところ。クラウド関連や電子部品、設備投資関連の徹底した押し目狙い…。昨日、指数を押し上げた裁定取引の解消売りに注意。

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GLOBEXの米国株の上げが無かったら、今日のアジア株の上げはあったのかな~
 週明け21日の日経平均株価は242円99銭高の1万298円01銭、TOPIXは17.85ポイント高の902.49と、ともに急反発して終わりました。出来高は17億7107万株、売買代金は1兆3029億円と、前週末比でやや増加したものの、依然、薄商い状態が続いています。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは99、RSIは64、25日線かい離はプラス4.4%に拡大しています。今日の終値での日経平均25日線は9804円。前週末の9803円から、1円上昇しました。今週号のレポートでは週内か来週はじめくらいから状況が改善するか…としましたが、うれしい誤算になりました。この改善で、下値のライン(直近レポートで図示)がますます固くなってきそうです。

 さて、レポートでは、今回の中国の為替変動幅の拡大は「円安要因」としました。新聞などの論調では、中国が米国議会の圧力に負けて変動幅の拡大に踏み切った…として、米国国会議員の勝ち誇ったようなコメントを流していました。でも、本当にそうなんでしょうか。中国元は米国ドルにリンクしているおかげで、今回のユーロ安では、実質的に15%くらい通貨高になった勘定になります。本来なら、変動幅の拡大なんかしたくないはずですが、中国としては国内金融政策上、どうしても通貨を切り上げなければならない事情があるようです。詳しくは書きませんが、だから円高では無く円安になる…としました。実際、取引終了後、円は対ドル、対ユーロとも円安方向に動いているようです。今後の中国国内情勢にもよりますが、小幅な通貨調整は否応無しにしばらく続くのではないでしょうか。

 今日の日本株は、大幅高で終わりました。値下がり数がわずか141銘柄しかありませんから、全面高商状になっています。為替はやや円高方向に振れてスタートしていますから、本来は、こんなに上げるはずは無かったのですが、結局、寄りつき前から、GLOBEX米国株先物が急伸。ニューヨークダウは100ドルを超える上昇になっていましたので、これが全体を引っ張る格好で上げをリードしています。もし、GLOBEXがちんたら始まっていたら、先物が売りから入り、今日の指数とは反対の結果になっていたかも知れません。まあ、米国としては、「元がきりあがったんだから、俺たちの国の輸出がしやすくなる…」ということなんでしょう。また、シットヘッド(くそ頭)とあだ名される議員さんたちにしてみれば、元切り上げに抵抗する中国を屈服させてやった…、これで中間選挙に向けて点数稼ぎが出来たくらいにしか思っていないでしょう。とにかく、上海市場が始まるまでは反応は分からないはずだったのに、米国のおかげで、先物が買い戻され、これにリードされる格好で裁定買いが入り指数を押し上げ、さらに、GLOBEX米欧株先物が150ドル近くまで上げ幅を拡大したことも、先物買いや裁定買いの増加につながり指数を一段と押し上げた…というのが今日の相場だったんでしょう。(でも、レポートで予想したとおりの行動を中国が取ったら、今日の買いが全部売り物に変わるかもしれませんが…)

 まあ、全面高相場ですから、まずは万歳ということなんでしょう。おかげで、出遅れていた、TOPIXが6月初旬の戻り高値を更新。これで、先日の安値が2番底だったことが確認されました。すでに先週の段階で2番底を確認していた日経平均や新興市場、中型株指数、小型株指数に比べて、出遅れていた主力大型株がやっとキャッチアップしてきた、ということですね。ただ、週足を見れば分かりますが、欧米ファンドの売りを浴びてチャートを壊された主力株は、柳の下の幽霊状態…。少し上がろうとするとすぐに柳の枝に引っかかってしまいます。まだ、しばらくは逆張り圏内の動きでしかないということです。一方、いち早く2番底を確認した軽量級の銘柄群は右肩上がりを維持。押し目買い基調を続けており、完全に二極化しています。個人は、動きの良い新興市場や、中小型の方に注力していますね。

 このコーナーでは株式レポートと並んで、6月初旬から強気相場の流れに変わる…と何度も書き、物色の中心は軽量級になるとしてきました。すでに、5月30日号から、中小型株中心に注目銘柄の数を増やして会員様にお届けしましたが、いまのところは、オリジン電気やセガサミー、NTTデータ、電化などが順調に値幅をかせいでます。また、昨日発行した直近号では、このコーナーでもしつこく書いているクラウドコンピューター関連で3銘柄取り上げましたが、本日は日経一面の記事の後押しもあり2%を超える上昇をしています。以前から書いているように、米国ではアカマイなどのクラウド関連は連日の新値更新になっています。今回取り上げた企業も、クラウドサービスに不可欠な技術を持つ会社で、もしかしたら、米国と同様な相場に発展するかもしれない…と、一人期待しているんですが果たしてどうか?

 どうも、日本の市場関係者は、中国ばっかりに目が向いている感じがしますが、日本の企業にとって採算の良い取引先は中国ではないはず…。それにしても、今日の日経一面の記事「ITで70兆円新市場」の見出しはいいのですが、いまどき、ITなんていっているのは日本だけ…。見識の無さを図らずも自ら示すことになりました。ソフトバンクだって、アイホンをどんどん売るのは良いんですが、これだけ大容量のデータをやり取りするようになったら、通信インフラが突いていかなくなることぐらいは、米国のトラブルの増加をみていれば事前にわかって対処できたはず…。ウエブ業界は新しい世界に入っている…という認識を政治かも業界人も持たないと、また遅れを取ることになる…。

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じり高が続く米国株…業績にらみの膠着相場だが、下値からの買い圧力は予想以上
 おはようございます。昨日は、書き込み出来ずに失礼しました。ちょっと横になっていたら、朝まで寝てしまいました。誰も起こしてくれませんでした。思いやりなのか、それとも無視されているのか…。

 さて、昨日の米国株は、欧州市場が高安まちまちになるなか、この日開催されたEU首脳会議が、域内主要銀行のストレステスト結果を7月下旬までに公開することを決定。これを好感して銀行株などが買われ高よりしてスタートしました。ただ、この日が、先物やオプションなど4種類のデリバティブの決済日に当たっていたことや、昨日までに発表された冴えない景気指標や雇用の悪化に関する指標が株価を圧迫。一時暴落後の戻り高値を更新したものの、その後は前日引け値付近で小動きに推移。結局、主力3指数とも小幅続伸して取引を終えました。ニューヨーク市場の出来高は前日比6億700万株増の17億6575万株。騰落状況は値上がり1681、値下がり1339と値上がり数が上回っています。

 この日は、金融情勢の波乱をヘッジ目的で金価格が上昇。一時、1オンス1263ドルの最高値を更新。これを映し、これを映しニューモントマイニングなど産金株が買われたほか、非鉄や原油価格の上昇を受け資源・エネルギー株も買われ指数を押し上げました。また、欧州銀行がストレステストを実施することで債務懸念が減少する、として、金融株も買われるなど、全般が小動きとなるなか、堅調に推移しました。

 この日で、ニューヨークダウは4立会日、NASDAQ総合指数は7立会日連続の上昇になりました。以前から書いているように、上昇トレンドが壊れていない200移動平均線が下値を支えるものの、5月20日の長大陰線の呪縛からまだ逃れられない格好になっています。また、これまで下値を支えてきた26週移動平均線に接近していることも、上値を追うことを慎重にしているようです。このところ、新規失業保険申請件数や景気指標内の雇用項目に悪化の兆しを示すものや、製造業統計で、在庫が急増するなど、ファンダメンタル面で変調の兆しが出ていることも警戒感を高めています。ただ、運送大手FEDEXの内外取扱高など実際の景気の体温計に当たる指標は堅調に推移しており、市場はやや神経質になりすぎている感じがします。当面、景気指標に一喜一憂しながら、来月はじめの雇用統計、来月末からはじまる決算発表へとつなげていくものと思いますが、懸念材料を抱えながら、水準を切り上げていくパターンになりそうです。とにかく、最大のポイントは、今年1月の高値を上回ること…。

18日の米国市場
ニューヨークダウ 1万450ドル64セント +16ドル40セント(0.16%)

NASDAQ総合指数  2309.80ポイント  +2.64ポイント(0.11%)

S&P500   1117.51ポイント +1.47ポイント(0.13%)

CME日経平均先物 (ドル建て)  1万0040円 +40円

         (円建て)  9995円  -5円

米国10年もの国債金利  3.223%  +0.033%

WTI原油  77.18ドル  +0.33ドル

GOLD  1258.3ドル  +9.6ドル



18日の日本株

日経平均株価 9995円62銭 -4円38銭

TOPIX  884.64ポイント  -2.34ポイント

出来高: 15億5513万株   売買代金 :1兆1387億円

日経平均サイコロ :7勝5敗   騰落レシオ :86  RSI :56

25日線かい離 :+2%  25日線 :9803円     


★市況
 終日、外部環境にらみの展開。上海市場の重たい動き、膠着感を強めた円相場、GLOBEX米国株先物も終日小動きに推移。先物も仕掛けの材料不足から小動きに推移。終日値幅は80円にとどまったものの、引けでは1万円大台をキープ。大台の固さが目立ちました。先物が小動きに推移したことから現物市場はさらに膠着感を強め、日経平均の終日値幅は64円にとどまっています。好調な企業業績見通しが個人投資家の押し目買いを誘い、主力株を中心に信用買い残が増加。荷もたれ感が出ていることも動きを重くしています。ただ、昨日も大型株指数がマイナスになる一方、小型株指数がプラスで終わるなど、全般は成長株を中心にした業績回復を先取りする動きを強めています。

★来週は
 米国CME日経平均先物(円建て)は小幅(5円)安で帰ってきました。円相場は対ドルでは膠着感が強まり、90円60銭台、対ユーロは依然ユーロへの懸念が残り112円20銭台とやや円高で終わっています。週明けの相場は、手がかり材料難から、週末終値付近でのスタートになりそうですが、その後は、GLOBEX、為替、上海市場など外部環境にらみの展開に…。ただ、市場の流れは、先物市場の影響を受けやすい指数よりも、個別銘柄の材料を評価する動きになりつつあります。米国NASDAQ市場の強さを反映し、ハイテク株中心の流れへ。

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経済指標に一喜一憂し、出入りの大きい相場…200日線と上値抵抗帯の間のレンジ相場が続く
 おはようございます。
 
 昨日の米国株は、懸念されていたスペイン国債の入札がほぼ予定額を満たしたことや、欧州株が堅調に推移したことを反映。高寄りしてスタートしました。ただ、この日発表された新規失業保険申請件数やフィラデルフィア連銀景況指数が予想に反する数字になったことや、5月消費者物価指数がマイナスになったことで金利が低下。景気の先行きを懸念した資金が債券市場へと流出。一時は90ドル近く下落する局面もありました。しかし、コンファレンスボード景気先行指数が過去最高水準になったことや、テクニカル面から押し目買いが入り、引けにかけ上昇。結局、ニューヨークダウとNASDAQ総合指数は続伸。S&P500は反発して終わりました。ニューヨーク市場の出来高は前日比1114万株減の11億5874万株。騰落状況は値上がり1489、値下がり1506でした。

 この日は、経済指標に一喜一憂する展開で出入りの激しい相場になりました。市場の不透明感を映し、医薬などディフェンシブ系銘柄が買われたほか、前日発表された鉱工業生産指数で大きな伸びを示した公益事業関連が引き続き物色される一方で、自動車・同部品株が続落するなど物色の方向感のない展開。その中で、新型アイホンの受注好調が伝えられたアップルがこの日も買われ、一時272ドル90セントの過去最高値を更新。これに刺激されハイテク株全般も堅調に推移しています。

 ニューヨークダウは、この日も上値の重い展開。昨日も、5月20日に376ドル安してつけた長大陰線の寄り付き付近が戻りの壁になるが、下値は、これまで頭押さえになってきた200日線が下値支持線に転換しており、当面はこのゾーンでのもみ合いとしました。この日も、予想通り200日線からの反発になっており、下値の強さをうかがわせます。ここからの課題は、今年1月の高値を上回って市場が懸念しているテクニカルな問題を払拭できるかどうか。まずは、今晩のSQを無事に乗りきってほしいものです。

17日の米国株
ニューヨークダウ 1万434ドル17セント  +24ドル74セント (0.24%)

NASDAQ総合指数  2307.16ポイント    +1.23ポイント (0.05%)

S&P500   1116.04ポイント  +1.43ポイント (0.13%)

CME日経平均先物 (ドル建て) 1万0080円  +70円

         (円建て)  1万0030円  +20円

10年もの国債金利  3.1900%  -0.0920%

WTI原油  76.79ドル  -0.88ドル

GOLD  1248.7ドル  +18.20ドル 


 米国株は小幅続伸、CME日経平均先物も軟調だった昨日の日本市場を上回って帰ってきました。円相場は、対ドルが90円80銭台、対ユーロが112円台半ばの取り引きですが、米国消費者物価の下落を映し米国の金利が低下した分、日米の金利差が縮小。対ドルでの円高が今日の相場の足を引っ張りそうです。当面、米国株高から堅調なスタートが予想されるものの、外部環境が変化しやすいところにあり、先物の動き次第では、昨日のように売り崩しの動きが出るかもしれません。今日も、GLOBEXなど外部環境をにらみながらの神経質な展開になりそうですが、昨日のように、先物の下値には押し目買いを意識した買い板が這わされているようで、大きく崩れることは無いものと思われます。昨日に続き、ハイテク、ソフト株を中心にした新テーマ関連株の押し目買い。米国で、金に注目する投資家が増えており、半導体関連と金関連に二股をかけた松田産業など都市鉱山関連も面白くなりそう。週末控えで無理はしないほうが無難か?

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外部環境が気になって仕方がないという風情…日本はしっかりしているのにね~
 17日木曜日の日経平均株価は、67円75銭安の9999円40銭、TOPIXは4.90ポイント安の887.48と、ともに6立会い日ぶりに反落して終わりました。海外情勢が気になって仕方がないという感じで商いは薄く、出来高は15億266万株、売買代金は1兆1407億円にとどまっています。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは83、RSIは57、25日線かい離はプラス1.8%でした。指数的には何の問題もなし…というところでしょうか。今日の終値での25日線は9822円。依然、じりじりと、下落しています。まだ、下方への引力を持っていますから、日経平均が引きずり込まれなければ良いんですが…。

 昨日の米国株は、急進した後にもかかわらずしっかりに終わり、CME日経平均先物も、ほぼ日本の前日終値と同水準で帰ってきたんですが、どうも、市場はユーロの急落ショックから抜け切れないのか、今晩のスペインの入札は大丈夫か、IMFとEUに米国財務省まで加わって2500億ユーロも支援する、と新聞が書いていたが、国債の償還に応じられないような状況なのか…、ストレステストの結果をEUのトップを切ってやるということだが、大丈夫なのか…と、スペインのことが気になって仕方がないという感じでした。また、上海市場は高よりして始まったものの、じり安になるし、GLOBEX米国株先物は一時40ドル以上下げるなど、外部環境が弱含みに推移したことから、先物筋に売り崩しにに出るところもでて、1万円割れもありましたが、大台以下の買い板は厚く、結局、売り崩せず先物は1万10円とわずかに大台を維持して終わりました。ただ、やはり、今晩のスペイン国債の入札が気になるのか、引け近くに売り物がでて、日経平均は大台にわずか60銭届かず、大台を割れて終わっています。

 とにかく、海外投資家の売りは、寄り付きと引け近くに売買して、後は流すか家に帰って寝てる…という感じでしょうか。海外投資家の売買は、TOPIX30や日経平均などインデックス銘柄の売買が中心。kのところ、個人投資家も先物に絡んだインデックス銘柄の売買に辟易としていますから、できるだけインデックス銘柄を避けるようになっています。したがって、板が薄くなっていますから、下手に場中にまとまった売買注文を出すと、株価が乱高下するケースが出たり、玉の処理ができなくなるなど、流動性に問題が出始めており、結局、流動性が一番高まる寄り付きと引けに、注文が集中するということでしょうか。まあ、裁定取引やデリバティブで散々パラ日本市場を引っ掻き回してきましたから、個人投資家にはインデックス銘柄に対する嫌悪みたいなものが出てきたんでしょう。実際、指数採用銘柄とそれ以外、特に中小型株の状況を比べてみると、一方は、中期線が上向いて、右肩上がりを維持している銘柄群。もう一方は、ファンダメンタルに関係無しに売られ、13週線や26週線、52週線が風に吹かれる柳のように下向きにたなびき、株価はその下に位置している…。まさに、インデックス銘柄は柳の下の幽霊みたいな存在になりかかっています。

 投資家も、賽の河原の石積み相場で、何度も何度も裁定業者という鬼に石積みを崩されることに、抵抗し始めたという感じではないでしょうか。米国が、寄り付きと、引け前に乱高下しやすくなっているのも、恐らく、同じような流動性の問題でしょう。米国でも、これまで投資銀行が円滑な根付のために動いてきましたが、これだけ犯罪者みたいにしてつるし上げられたら、その役割も放棄せざるを得ません。明日の夜は、米国でもメジャーSQを迎えますが、市場は、何かを気にしているような感じがします。まあ、「懐疑」の段階にある以上は、まだまだ相場は大丈夫なんですが、海外の投資家が、寄り付きや、引けでした玉の処理が出来なくなっている市場って果たして健全なんでしょうか。証券関係者は、何故こうなったかをよく考えてみる必要があるんではないですかね。

 とにかく、ここからは、海外投資家や、国内の機関投資家の手垢がついていない清潔な銘柄が狙い目…。米国で始まったICT革命の動きに引き続き注目。当面はソフト業界が注目を集めるが、今回の革命は情報量のやり取りがこれまでとはすう段違う…。結局、最後はハードの問題になり、日本の企業がメリットを受ける図式に変化なし。

 今日は電話が長引き、書き込みが遅れました。十分な調べが出来ていませんので、思いつくままに書いています。分かりにくければご容赦。現在、新規会員の募集を行っていますが、相場の低迷時の方が成果が上がりやすくなります。関心のある方は、遠慮なくご連絡ください。

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好悪材料が交錯し、膠着相場…週末のSQにらみで薄商いが続く
 おはようございます。

 相変わらず、欧州情勢に敏感な動きが続いています。昨日は、スペインの新聞が、EU、IMF、米国財務省が2500億ユーロの救済策を実施する…と報道したことから、ユーロが売られる局面がありましたが、IMFなどがこの報道を全面否定ユーロが買い戻されるという動きがありました。スペイン中銀総裁は、同国銀行への信用低下から、ストレステストを公開し、信用回復に努めると、公表。火消しに躍起になっています。

 昨日の米国株は、欧州の金融情勢が安定的に推移したものの、この日発表された住宅着工件数(5月)が市場予想を大幅に下回ったことや、宅配便大手FEDEXが冴えない業績見通しを発表したことを嫌気。前日急伸した後でもあり利食い売りが先行。反落してスタートしました。ただ、鉱工業生産指数が市場予想を上回る伸びになったことや、ガソリン在庫が予想に反して減少したことを受け、資源・エネルギー株が上昇。引けにかけ上げ足を速め、結局、ニューヨークダウとNASDAQ総合指数はほぼ横ばい状態で終わったものの、金融株が冴えなかったS&P500は、小反落して取引を終えました。ニューヨーク市場の出来高は565万株増の11億7018万株。騰落状況は値上がり1245、値下がり1796と、値下がり数が上回りました。

 この日は、鉱工業生産指数で、公益事業が4ヶ月ぶりに増加。前月比4.8%増という高い伸びを示したことから関連株が買われました。また、アップルが新型携帯が発売初日に60万台の予約を獲得した、として買われるなどしたことからテクノロジー、ハード機器などが上昇。全般が軟調に推移するなかSOXX(フィラデルフィア半導体株指数)は続伸して終わっています。一方、食品や生活必需品小売などディフェンシブ系の銘柄には冴えないものが多かったほか、自動車部品なども売られています。市場は大きく反応しなかったものの、政府系住宅金融のフレディマックとファニーメイの上場廃止が決定されており、住宅問題が将来問題になる可能性を残しました。

 この日のニューヨークダウは、小動きに終始。終日値幅も100ドルを下回っています。昨日も書きましたように、下落途上にある26週線が接近していることや、5月につけた日足長大陰線の寄り付きに接近していることから、節値に対する警戒感も出ているようです。ただ、今回のFEDEXの決算にみられるように、アジアから米国への輸出品の取り扱いや米国内の宅配貨物の取り扱いがともに20%を超える伸びを示していることをみても、米国内の景気拡大やアジアを中心にする景気の好調がつづいていることが確認され、米国株の上昇基調に変化は無いものと見られます。昨日の日足でもこれまで頭を押さえてきた200日線を下値抵抗にするような動きが出ており、いずれ上値を試す動きが出てきそうです。NASDAQ市場の強さに注目。今週末のSQ後の出来高に注目したい。
16日の米国株
ニューヨークダウ 1万409ドル46セント +4ドル69セント (0.05%)

NASDAQ総合指数  2305.93ポイント +0.05ポイント (━)

S&P500  1114.61ポイント -0.62ポイント (0.4%)

CME日経平均先物(ドル建て) 1万140円 +50円

       (円建て)  1万90円  変わらず

米国10年もの国債金利 3.28% -0.028%

WTI原油 77.67ドル +0.73ドル

GOLD 1230.5ドル  -3.9ドル


 米国株は横ばい、CME日経平均も円建ては大証先物終値比変わらずで帰ってきています。円相場は対ドルで91円40銭付近、対ユーロが112円50銭付近の取引となっており、相場環境は前日と大きな変化はなく、基本昨日と同じような相場展開が予想されます。ただ、外部環境に振られやすい流れに変化はありませんので、為替やGLOBEX米国株先物、上海市場をみながらの先物リードの展開が続きそうです。指数的には大きな崩れは予想しにくいため、今日も2012年3月期決算を展望した中小型株の個別株物色が続きそうです。米国市場でのクラウドコンピューターサービス関連の人気を受け、関連株が上げ足を速めそうです。

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他力本願で動く日本株。指数は膠着しても、各論は結構にぎやかになってきた
 16日水曜日の日経平均株価は、179円26銭高の1万0067円15銭、TOPIXは13.55ポイント高の892.38と、ともに5日続伸して終わりました。外部環境にらみの展開で見送り気分が強く、出来高は17億2807万株、売買代金は1兆2482億円と、わずかながらボリュームアップしているものの、薄商い状態が続いています。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは89、RSIは62、25日線かい離はプラス2.2%になりました。まあ、順風が吹いているという感じでしょうか。今日の終値での25日線は9847円。依然下落基調が続いています。

 日本株は相変わらず、主体性を欠いた展開。今日も、昨日の米国株が急伸したことやCME日経平均先物が1万円大台に乗せて帰ってきたこと。円相場が一時1ユーロ113円台に乗せるなど円安気味に推移したことなどから、先物の買戻しやユーロ安を嫌気して売られてきた輸出株が買い戻されたことから、寄付きから大幅に続伸して始まりました。ただ、立会時間中、GLOBEXなど外部環境が小動きに推移。立会いが再開された上海市場も大きな動きが無かったことから、指数は上値に張り付いた状態fが続き、終日値幅はわずか76円幅にとどまっていました。下落傾向にある52週線が1万240円台にあること、ともに下落している13週線と26週線の差が20円を切り、デッドクロスをつける時期が近いこと、今日で3空になるなど、テクニカル面からの警戒感も強まっているようです。

 ただ、昨日も指摘しましたように、新しい四季報や会社情報が販売され、個人投資家を中心に2012年決算見通しからみて割安なものを物色しようという意欲が強く、今期予想EPS36円、来期45円が予想されるオリジン電気(6513)(5月30日号、6月6日号レポート注目株)やメガチップス(6875)などが値を飛ばしていました。指数銘柄の場合は、どうしても先物売買の影響を受けてしまいますので、当面、指数が堅調に推移する中、小型好業績株が個別に循環物色する展開になりそうです。

 5月のヘッジファンド、6月のミューチャルファンドなどの中間決算にからみ、5月相場と6月前半相場は大荒れとなりました。ただ、彼らの刈り取りも一巡し、ここからしばらくは平穏な状態が続きそうです。投機筋が徹底して、EUの組織的な弱点や加盟国のバブル崩壊による財政事情の悪化を、突いたおかげで、問題国は必死になって赤字解消に取り組み、EUも、ECBの加盟国の国債買い入れや、金融安定化ファンドの創設で組織的なウィークポイントをカバー。当面は、大きな揺れは収まった状態になっています。ただ、不良債権の処理で英米銀行に大きく立ち遅れてしまっていることや、問題国の債務弁済はこれから本格化してくることなどを考えると、また、どこかの時点で投機筋が矛盾をついてくることになるんでしょう。のど元過ぎれば何とやら…で、ラテン系民族のいい加減さが復活して来るのは夏場くらいから…。ヘッジファンドなどの投機筋も11月の本決算をめざし、次の餌食を探すころですから、そのときまでに、英米がヘッジファンド規制やCDSなどデリバティブに関する規制を設けていなかったら、またどこかがひどい目にあうことになります。
 
 まあ、今回のユーロ危機が始まった当時、CDSや債券叩き、格付けの引き下げをセットにして売り叩き、破たんに追い込むやり方は、米国の金融危機で次々と金融機関が経営破たんや、経営統合に追い込まれていったときの危機の増幅の手法と同じだから、甘く見ているととんでもないことになるかもしれない…としましたが、まさに、米国の金融危機と同じで、次から次へと危機が連鎖していきました。単に、企業が国に変わっただけと言う状態でした。CDSなどのデリバティブを使えば、国単位でも危機を増幅できるということが分かりましたから、人為的に危機を演出出来るシステムの連鎖を断ち切るようにしておかないt、再び、投機筋の理不尽な攻撃にあう国や企業が出てくる可能性があります。ドイツは、空売りやCDS売買の禁止に踏みきりましたが、現実にはこの手法はロンドンやウォールストリートでも実行できますので、英国と米国が改善に乗り出さない限り、続くことになります。(こんなおいしい手法を簡単に英米が手放すことは無いと思うんですが…)。

 この意味でも、ヘッジファンドへの銀行からの資金の流入を遮断できるかどうか…米国の金融規制法の中味が注目されます。まあ、今月から来月にかけては、投機筋に痛めつけられた被害者の治癒期間みたいなものでしょうか。ここで頑張っておかないと。気学的にも8月からしばらくは悪い時期が続きます。

 さて、中国のことが、ボロクソに言われ始めました。ついこの間までの賛辞に満ちた表現がウソのようです。人件費が上がるし、元も上昇するので、もはや中国を生産基地としては使えない…というものです。恐らく、金利上昇による景気の減速を気にしているものでしょうが、本当に、金利の引き上げを続けるんでしょうか。先ごろ発表された不動産統計では、相変わらず住宅価格の上昇は続いています。しかし、ちょっと変わったのは、住宅販売戸数が減少していたことです。米国も、2006年1月の段階で住宅販売戸数が頭打ちになっていましたが、住宅価格が上昇していたため、FRBは引き締め策を続けました。結果、引き締め効果が効き過ぎてバブル崩壊につながったわけですが、中国もこのあたりは研究し尽くしているはず。販売戸数が頭打ちになったことは現在の政策を続けていればいずれ価格は下落して来るはず。ここで無理して利上げすると、価格の下落を拡大し、ハードランディングしてしまう危険性がでてきます。こういう事態にならないように、直接的な利上げを行わないで、価格をコントロールする策に出て来るんではないでしょうか。
 
 また、中国から輸出企業が出て行く…という論法もあるようですが、果たして、現在の中国のように原材料の調達や物流、製造インフラが整っている国は他にあるんでしょうか。結局、他の労働コストの安い国に行っても、安い原材料を調達しようとすれば中国から輸入せざるを得ず、コストが高くつくため、中国に戻った企業も多いといいます。結局、賃金の安い内陸部に移るか(現在は沿海部も内陸部も大差がなくなっている)、機械化を進めるしかなくなるわけで、我田引水的になりますが、日本の設備投資関連がメリットを受けることになります。最近の工作機械株の言いの長い相場は、どうもこのあたりを読み始めたのかも知れません。先進国の企業の中で、最後の最後まで儲かるのは、日本の設備投資関連だということを、覚えておく必要があります。とにかく、中国が持っている生産へ向けてのインフラは、他の新興国とは比べ物にならないレベルにあることは確かでしょう。エコノミストの評判が悪くなってきただけに、天邪鬼的に考えてみました。とにかく、インフラ関連…。

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6月に入り風景が一変してきた米国株…今週末のSQも関係?
 おはようございます。

 昨日の米国株は、ムーディーズのギリシャ国債格下げを受けた欧州株式市場が材料を順調に消化。懸念されたスペインやアイルランドなどの国債入札が順調に推移したことを好感。小幅に上昇して終わったことにくわえ、6月のNY連銀製造業景気指数が前月比でやや上昇したことを受け、景気の上昇基調が確認できたとして、買い物が増加。ユーロが買い戻されたことからドル相場が軟化。これを好感してキャタピラーはボーイングなど対欧輸出比率の高い主力株が買われたことも指数の押し上げに寄与しました。ほぼ終日株価は上昇し、結局、ニューヨークダウとS&P500は大幅反発。NASDAQ総合指数は、大幅続伸して終わりました。ニューヨーク市場の出来高は前日比2409万株増の11億6453万株。騰落状況は値上がり2622、値下がり442と、ほぼ全面高となりました。

 ボーイングは、この日、新型機737の製造を35台に拡大することを発表。モルガンスタンレーが自動車部品大手TRWオートモーティブなどの株ヵ見通しを引き上げるなど、個別の材料面でも支援材料が増加。パソコン生産の拡大を手がかりにマイクロソフトが買いなおされたほか、前日の世界的な半導体需要の拡大見通しを手がかりに、サンディスクなど半導体・同製造装置関連が買われ、SOXX(フィラデルフィア半導体株指数)は5.5%急伸し、NASDAQ総合指数の上昇に寄与しました。

 米国株は、今回のユーロ危機の震源地である欧州市場がギリシャ国債格下げを冷静に受け止めたことを評価。ユーロ相場が最安値からみて。30%以上反発したことから、米国の対欧州向け輸出の交易条件が改善されたことも好感しています。ただ、出来高の増加が少なく、今週末に控えた、オプションなどのSQを意識した買戻しなどが振れ幅を拡大していることもあるのかもしれません。ただ、昨日指摘した、抵抗帯を全て一気に払ってきた動きは強いといえそうです。
次のポイントは先月20日につけた長大陰線のより付き付近。このゾーンには下降している13週線と26週線があり、抵抗力は日足ベースよりも強いかもしれません。ユーロ相場が一応理論価格の1.23ドル台に乗せてきましたが、先物市場の買戻しを誘い、さらに上昇できるかがかぎになりそうです。

15日の米国市場
ニューヨークダウ 1万404ドル77セント +213ドル88セント(2.10%)

NASDAQ総合指数  2305.88ポイント  +61.92ポイント(2.76%)

S&P500  1115.23ポイント +25.60ポイント (2.35%)

CME日経平均先物 (ドル建て)  1万80円 +240円

         (円建て)   1万35円 +195円

米国10年もの国債金利  3.3100%  +0.03500%

WTI原油  76.50ドル  +1.38ドル

GOLD  1234.40ドル  +9.90ドル


 米国株は急伸、CME日経平均先物も1万円の大台に乗せて帰ってきました。円相場は対ドルで91円台半ば、対ユーロは112円60銭台と対ユーロでの円安が進んでおり、相場的には強いフォローの風が吹いています。ドルが軟化したことから、これまで低迷していた銅などの資源価格が一斉に反発しており、今日は資源株を含めて幅広い銘柄が物色されることになりそうです。aディフェンシブ系銘柄を除き全面高が予想されるものの、このコーナーで一貫して主張してきた通信基地のインフラ整備問題が今日の日経一面で取り上げられてきました。関連株の動きが注目されます。また、ドル安により海運市況の好転も予想され、今日は海運株も物色されそうです。やはり、6月に入って相場の状況は様変わりになって来ましたね。直近の上値抵抗線の52週線は1万250円付近。再び上昇に転じていますので、案外もうひとつ上の抵抗線までいくのかも…?

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閑散、見送り商状のなか、始まった2012年3月期業績の織り込み相場
 15日火曜日の日経平均株価は、8円04銭高の9887円89銭、TOPIXは0.27ポイント高の878.83と、ともに4日続伸して終わりました。全般的には見送り気分の強い展開で、出来高概算は15億4177万株、売買代金は1兆675億円と、前日に比べやや増加したものの、超薄商い状態が続いています。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは83、RSIは60、25日線かい離はプラス0.3%と、ついに25日線を回復してきました。今日の終値での25日線は9860円…前日からの下落幅は21円となり、下落ピッチは緩くなってきました。今日は、ギリシャ国債の格下げという、悪材料を抱えながらのスタートでしたが、ヘッジファンドなどの悪たれ坊主どもの決算対策が一巡しており、至極平穏な相場になりました。

 今日の相場は、週明けの米国株が続伸後にギリシャ国債格下げのニュースを受けて下げ幅を圧縮。結局下落して終わったことや、CME日経平均先物がドル建てで1万円大台にあと20円に迫りながらも、前日の大証先物終値を下回って帰ってきたことを嫌気。先物売が先行し軟調に始まりました。昨日のムーディーズによるギリシャ国債のジャンク級(投資不適格債)への引き下げが、欧州市場の終了後に発表されたもので、市場が未消化になっていたことから、欧州市場の反応を見たいというムードが強く、終日見送りがちに推移。日経平均の終日値幅はわずか85円にとどまっていました。ただ、日本株が崩れなかったのには、格下げのニュースにもかかわらず、円高が大きく進まなかったことやGLOBEX米国株先物が小幅高で推移。アジア市場も全般にしっかりに推移していたことから、先物筋も仕掛けのタイミングをつかめなかった…というところもあるんでしょう。ただ、東証終了後のインターバンク市場では円高がやや進行するとともに、スタートした欧州市場も反落していますが、ギリシャ国債格下げの材料は、米国や日本市場、アジア市場で冷静に受け止め消化されており、案外、欧州市場も切り返して終わるのかも知れません。

 以前から、「八白土星」の5月相場は、年盤の「八白土星」と同じになって、相場は低迷する可能性が強いとして、4月中に整理をつけておくように、と書きました。株式レポートでも5月に入って、慎重姿勢をとり注目銘柄を取り上げない週もありましたが、無理して注目したものは、やはり結果がよくありませんでした。ただ、「7赤金星」にはいる6月からは相性が良くなるので、積極的に攻めるべきとし、レポート銘柄も注目株を増やし、オリジン電気(6513やセガサミー(6460)などを取り上げましたが、やはり6月に入り、値上がりを始めました。このコーナーでも、「占いは…」と遠慮しながら、6日の「芒種」から季替わりするので、流れが変わる…と書いてきました。実際、米国株は先週から上げに転じたほか、先週末の予想を下回る小売売上高統計に関しては、強気の材料を詳細に探すという方向に転換。明らかに、雇用統計への失望相場とは異なった動きにメンタル面でも変わっています。まだ本当に強くなったかどうかは、分かりませんが、今晩の欧州株がギリシャ格下げの影響を跳ね除けて切り返せば、流れはずいぶんと変わってくるのではないでしょうか。今晩の欧州株の終わりかたは見ものです。

 さて、昨日も書きましたが、このところ個人投資家が相場を見送っているのは、新しい四季報や会社情報が出るのを待っているんじゃないか…と書きました。今日当たり、どうしてあげているのか分からないものがぱらぱら出ていましたが、調べてみると、2012年の業績見通しの良いものに買いが入っているようです。新しい情報誌を手に入れた投資家が、来年度の業績の良いものを調べ、割安なものを仕込もうという動きが始まっているようです。その意味では、いよいよ来年度の相場を織り込む動きが始まってきた…といえるのではないでしょか。

 例えば、株式レポートでは、指標株として、日立(6501)を継続して取り上げていますが、同社は、東芝や三菱電機など他の重電株に比べ、選択と集中という点では大きく遅れを取りました。しかし、ここにきて、新興国や先進国で始まった鉄道やエネルギー、通信などのインフラ投資ブームで、同社の総合力が注目されるようになってきました。パソコンの復調でHDD事業も復調。2011年3月期のEPSは29円50銭、2012年3月期は44円70銭に拡大する予想です。この数字からみれば、時価はPER10倍以下の割安株。また、他の主力株の相場のスタートが昨年3月なのに、同社は昨年の12月がスタート。相場の若さという点ではまったく異なっています。さらに、昨年1年間株価の頭を押さえていた抵抗ラインを上抜いているほか、現在は、この抵抗ライン付近まで下落。このラインが下値抵抗ラインに変化しているかどうかを試している段階。底に出てきたのが、2012年3月期予想EPS44円70銭…。株価がどう反応していくかが楽しみになってきました。

 昨日も書きましたように、日経平均週足のサイコロは5勝7敗、RSIは40と、中期の上げに対しても余裕含み。来月までは相性が良いとなっていますが、夏場にかかってくると、11月や年末に決算を控えた悪がきどもがまた動き出してくる…早いうちに勝負をつけてしまいましょうか。そのためには、人より早く、上がりそうなところに入っておくこと…か?

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またまた格付け会社がKYぶりを発揮…でも影響力は明らかに弱まっている?
 おはようございます。

 週明けの欧州市場は、比較的平穏に推移。ECBが先週末までに国債の買取を実施していたことが伝わったことや、4月のユーロ圏の鉱工業生産が前月比0.8%増加し、11ヶ月連続上昇するなど、政策面や景気面への信頼感が回復。EUの主要市場が全面高するとともに、ユーロも主要通貨に対して買い戻され値上がりしました。しかし、市場が終了するとともに、格付け会社ムーディーズがギリシャ国債の信用格付けを一気に4段階引き下げ、ジャンク級(投資不適格)としています。IMFなどの支援策は一応評価しながら、きつい引き締め策などがギリシャの成長を阻害する可能性があることを指摘しているようですが、再び、市場の流れが変化しようとしているときに、抜群の「KY」ぶりを発揮しました。たまたま、このタイミングになったのか…、それとも、危機感を煽るためか…。引き下げするなら欧州市場が開く前にやれば良いのに、わざわざジャンプしているときに足払いをかけることはないだろうと思いますが…。昨晩の話ではないですが、意図的なものを感じずにはいられません。

 昨日の米国株は、先週末の好地合を引き継ぎ、続伸してスタート。ドルが軟化したことから、キャタピラーやインテルなど欧州向け輸出比率が高い主力株を中心に買われたほか、サンディスクのフラッシュメモリーの成長性を高評価した記事が経済紙に掲載されたことや、アップルがアイホンやアイパッドなどの新製品の好調で、売り上げが大幅に増加するなどのレポートが出されたことから、ハイテク株全般も買われました。ただ、欧州市場が終了した昼ごろに、ムーディーズのギリシャ格下げの話が伝わると銀行株から売られ、急速に上げ幅を圧縮。結局、ニューヨークダウとS&P500は反落したものの、ハイテク株が中心のNASDAQ総合指数は、小幅続伸して終わっています。ニューヨーク市場の出来高は、前週末比9980万株増の11億4044万株。騰落状況は値上がり1888、値下がり1165と、値上がり数が上回っています。

 この日は、世界的な半導体需要の増加を予測する受託製造会社経営トップの話を好感。半導体・同製造装置関連などが買われ、SOXX(フィラデルフィア半導体株指数)が上昇して終わるなど、NASDAQ総合指数の堅調ぶりが目立ちました。米国内では、クラウドコンピューターサービスが、企業のコスト削減経営とマッチして急速に拡大。関連株は市場とは逆行する動きをしています。一方、ニューヨーウダウやS&P500など主力株を中心にする指標は輸出依存が強いため。、ユーロ相場に敏感に反応。昨日のように、場中に為替に関する悪材料がでると、ハランするもろさを抱えています。昨日のNASDAQの強さにみられるように、米国経済自体が構造変化を起こしつつあることを市場が映し始めたのかもしれません。

 直近の株式レポートで解説しましたように、やはり、ニューヨークダウは値を延ばすことが出来ませんでした。6月4日につけた長大陰線、下落中の25日株価移動平均線、5月後半から6月初旬にかけて形成した1万250ドル~300ドルのテーブル、そしてそのテーブルを作るもとになった200日株価移動平均線(週末1万313ドル)という抵抗帯があり、押さえ込まれた格好になっています。ちなみに、昨日のニューヨークダウの高値は1万328ドルでした。ただ、市場心理は先週末にかけ変化しており、当面は、上昇中の52週線と、同じく上昇中の200日線の間で往来相場となりそうですが、日本と異なり、25日線の状況が改善するのに一週間ほどの日柄で済みそうで、案外早い上昇相場への転換があるのかもしれません。

14日の米国株
ニューヨークダウ 1万190ドル89セント -20ドル18セント(0.20%)

NASDAQ総合指数  2243.96ポイント  +0.36ポイント (0.02%)

S&P500    1089.63ポイント  -1.97ポイント (0.18%)

CME日経平均先物 (ドル建て) 9890円 +10円

         (円建て) 9840円 -40円

米国10年もの国債金利  3.2750% +0.059%

WTI原油  75.12ドル +1.34ドル

GOLD  1224.30  -5.60ドル  


 週明けの米国株は、高安まちまち。CME日経平均先物は、一時ドル建てが9980円と1万円大台に接近したものの、ギリシャの格下げを受けて、小幅下落して終わっています。円相場は、海外で一時対ドルで91円96銭、対ユーロで112円87銭まで軟化する場面がありましたが、国内では、対ドルが91円60銭台、対ユーロは111円80線台と安定的な動きをしており、市場が悪材料に打たれ強くなったことを示しています。指数的には、今日も先物次第の展開になりそうですが、ギリシャ格下げを受けた先物筋の売り崩しの動きが予想されるものの、為替や、GLOBEXなどの外部環境が先物筋に味方するかどうかは疑問…。昨日も書いたように、指数採用株と、小型成長株には明らかに違いが見られ、今日も、二面性の強い展開になりそうな感じがします。米国の流れを受け電子部品、自動車部品などパーツ関連、ソフト関連などが賑いそう。

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薄商いの中、3日続伸。三本新値も陽転し、基調は強気に。指数銘柄と小型成長株の違いに注目
 週明け14日の日経平均株価は、174円60銭高の9879円85銭、TOPIXは12.12ポイント高の878.56と、ともに三日続伸して終わりました。出来高概算は14億7106万株、売買代金は9941億円と、一兆円の大台を割り込む超薄商いになってしまいました。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは81、RSIは62、25日線かい離はマイナス0,02%でした。今日の終値での日経平均の25日移動平均線は9881円。今日のザラ場高値は9882円ですから、4月27日以来、一ヶ月半ぶりに25日線にワンタッチしたことになります。

 「欧州の嵐はどこへ行ってしまったの…?」というのが、今日の投資家の本音でしょう。連日、EUの悪い話を流されまくってユーロが売られ、域内からのネタが尽きたらこんどは、EUの銀行が貸しこんでいる域外のハンガリーを利用。貸し倒れが出るぞ…と脅して、さらにユーロを売る、という具合でした。ただ、GDP比赤字が4%台のハンガリーをまな板のうえに上げたのは、ちょっとまずかった。よく考えると、フランスの方がGDP比の赤字額は7%以上となっており、もっと悪いじゃないか。でも、フランスの場合は金融安定化基金で守られているから、これ以上攻撃は出来ないしな~。というのが投機筋の本音でしょう。

 以前から、ユーロ安をしかけた本尊は5月末までに抜けているんじゃないですか?と書いてきました。購買力平価からみたユーロの対ドル理論価格は1,23ドル台。すでに割高感は解消されているからユーロ安は行き過ぎているのでは…としましたが、英米銀行やファンド勢から流れてくる話はいずれも、1ユーロ1ドルになる、いや1ユーロ0.8ドルだ、といずれも弱気な話ばかり…。なんだか、原油や金、穀物価格が急騰したときに、ゴールドマンザックスやメリルリンチなどの投資銀行が、「上がるよ…、上がるよ…。我を忘れて買いに行けよ」とレポートで煽ったときと状況が似ています。これに煽られて、140ドル台の原油を買った人は30ドル台まで叩き込まれたんですから、泣くに泣けませんよね。でも、煽りまくったところが巨額の損失を出した、という話は一向に聞きません。皆が信用して買っているといに、彼らはしっかり売りつないでいたわけです。でも、騙された…という抗議は通用しません。彼らに言わせれば、あなた方もプロなんでしょう。騙される方が悪いんですよ…という理屈です。まさに、今回のサブプライムローン問題で、彼らが「私たちは悪くない…」と言った理屈でもあります。

 もともと、彼らアングロサクソンの歴史は、狩猟民族から発生しているように「トラップ(罠)の文化」。農耕民族のように、食べ物を栽培して食料を確保するというより、農耕民族から食料を奪ったり、動物の習性を研究して落とし穴などの罠にはめて食料にするという文化から発生しています。自分が生きるためなら、他人を騙しても良いという文化なんです。搾取が基本なんですね。集団の「和や信頼」がないと農耕文化を維持できない農耕民族とは根本的に異なっているんです。また、横道にずれそうですが、要は騙されて罠にはまってはいけない…ということです。最近、日本でも格付けがはやっていますが、どうも、外資系が流してくると、神社のお札のようにありがたがる風潮がありますが、本当に、盲目的に信用しても良いんでしょうか。馬鹿みたいに買いに行っているときに、ほくそえんで売っている人がいるんじやないでしょうか?日本の投資家ももう少し、人を疑うことを覚えた方が良いのかもしれません。

 まあ、そういう観点でみると、本来なら、米国株は先月の29日に300ドル近い下ヒゲを引いた時に底が入っていたはず…。しかし、6月に入ると急にあちこちから弱気の材料があふれ始め、本来、底だったはずの安値も更新。あまりの悪材料の多さに、「総悲観」の局面になったのが先週までの相場だった…といえます。しかし、先週末の米国株の動きは明らかに「総悲観」の局面とは違う動きをしました。為替も同様です。直近のレポートでも流れの変化を指摘しましたが、やはり、今日は、為替の動きも反対向きになりましたし、GLOBEXの米国株先物でも、ニューヨークダウは40ドルを超える上げになり、今晩に期待を抱かせる動きになっています。まだテクニカルの問題をクリアしなければなりませんが、少なくとも、メンタル面では大きな変化が起きた…とみても良いのではないでしょうか。

 さて、問題のテクニカルですが、日経平均hは今日で3日続伸。変則ながら「赤三兵」みたいな線をつけました。また、三本新値も陽転…。買いサインを入れました。ただ、25日線は対応点が1万円以上にあり、まだ2週間くらいは上げに転じませんから、これを上向かせるだけのエネルギーが出て来るかどうかが焦点になりそうです。とりあえず、25日線に届いたこと、以前からポイントにしてきた、2月安値9867円に届いたことで、目先目標達成感が出ることもあるかもしれません。当面、上昇局面入りを確実なものにするには6月4日の戻り高値9962円を上抜くことが必要になりますが、25日線の下落圧力をしのいで、達成できるかどうか…。

 先週末の日経平均週足サイコロは5勝7敗、RSIは40と、ほぼ昨年11月安値時に接近する数字になっていますので、中期的な出直り相場に入っても不思議ではありません。ただ、以前から言うように、指数はデリバティブでがんじがらめになっていますから、これを云々しても無意味。チャートをみても、13週線や26週線など中期のトレンド線が下を向き、かつ株価が移動平均線の下に入って、典型的な戻り売りパターンを示している指数採用銘柄と、機械や電子部品、自動車部品など軽量級のものとは根本的に動きが異なります。米国でも、低迷相場の中で、クラウドコンピューター関連は連日新値を更新するなど、新しい流れが始まっています。相場の前提は、ドル安からドル高に変っており、輸出主導の大型株相場は、NASDAQ主導の中小型株相場へと変わりつつあります。以前から言っているように、指数は崩れなければそれで良し…。あとは、成長性を重視した銘柄を買えば良い。国策の変化反映したゼネリック薬の日本調剤(3341)とうとう、4000円の大台に乗せてきました。

 今日は四季報と会社情報の発売日。これをみて、今週くらいから個人投資家の買い姿勢が高まりそうですね。

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好調な経済指標と企業業績により相場は反転…悪材料のなかに好材料を探すしたたかさが戻った?
 おはようございます。

 昨日の欧州情勢は大きな手がかり材料もなく、ユーロ相場は小動きに推移しました。PIIGS関連では、イタリアが70億ユーロの国債入札を実施。内40億ユーロを占めた5年債の入札倍率は1.27倍となり、順調に消化されました。また、この日は、域外ではありますが、直近のユーロ安の引き金をひいたハンガリーに関し、オルバン首相が今秋にも財政再建策の第二弾を策定すると発表。対GDP比3.8%以内に赤字幅を押さえ込むことへの決意をしめしています。ただ、同国では、中央銀行総裁と同総裁の辞任を求める政府間の確執が強まっており、投機筋が売り仕掛けの材料にする火種は残ったままです。

 昨日の米国株は、欧州情勢が落ち着き、欧州株が総じて堅調になったものの、寄り付き前に発表された5月の小売売上高が市場の増加予想を裏切り、8ヶ月ぶりに減少したことを嫌気。反落してのスタートになりました。その後も小売売上高ショックから抜け切れないまま、ニューヨークダウは前日引け値付近でのもみ合い商状を続けていましたが、特殊要因を除いた売上高が前月のマイナスから増加に転じていたことや、前年比では6.7%の増加になっていたことを好材料視する動きが強まり株価はプラス圏に浮上。ミシガン大消費者信頼感指数(6月)が増加したことや、半導体大手ナショナルセミコンダクターが好決算を発表したことから、引けにかけ上げ幅を拡大。結局、主力3指数とも続伸して終わりました。ニューヨーク市場の出来高は、前日比2億9490万株減の10億4064万株。騰落状況は値上がり2212、値下がり805と買いが上回りました。

 この日は、5月の小売売上高ショックが頭を押さえましたが、市場は一方的な悲観に陥ることなく、統計数字の中から好材料を探し、変化を読み取ろうとする前向きな姿勢がでてきたように思われます。為替市場でもユーロへの悲観的な見方は多いものの、理論価格を下回ったところから、下値抵抗感がでており、双方ともに売り飽き気分が強まっています。ユーロ相場につい株式レポートでは早期から1.8ドル付近を下値目処としてきましたが、これもほぼ達成しています。ニューヨークダウについては、一昨日の上げで3本新値も陽転。目先的な買いサインをだしていますが、来週は、日本株と同様に25日線の下落圧力をしのげるかどうかがポイントになりそうです。詳しい分析や目標値については、これから作成するレポートに譲りますが、「売り飽き気分」という投資家のメンタルな変化が、為替や株式にどういう変化をもたらすか…来週の注目点になりそうです。再び、NASDAQ相場との格差が広がりそうです。

11日の米国市場
ニューヨークダウ 1万211ドル07セント +38ドル54セント (0.38%)

NASDAQ総合指数  2243.60ポイント  +24.89ポイント (1.12%)

S&P500   1091.60ポイント +4.76ポイント (0.44%)

CME日経平均先物 (ドル建て) 9850円 +140円

         (円建て) 9795円  +85円

米国10年もの国債金利 3.2160% -0.1030%

WTI原油 73.78ドル  -1.70ドル

GOLD  1228.90ドル  +6.7ドル
 

 米国株は続伸。CME日経平均先物も、大証終値を上回って帰ってきています。円相場は対ドルで91円60銭台、対ユーロが110円98銭と、ともに円安気味に推移しており、週明けの相場はCME先物終値にサヤ寄せする格好で堅調にスタートすることが予想されます。このところ発表されたGDPの上方修正などの好材料が織り込み不足になっており、来週は、ファンダメンタルからの買いとテクニカル面からの上値圧迫のはざ間で上値を模索する動きになりそうです。住宅販売戸数が低下し始めた中国市場は色んな意味で要注意。

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勢い翌上げたものの、明確な買いサインを発するにはいたらず…
 週末11日の日経平均は162円60銭高の9705円25銭、TOPIXは9.65ポイント高の866.44と、ともに続伸して終わりました。出来高概算は28億2352万株(うち、SQ分9億800万株)、売買代金は2兆2754億円(同9211億円)でした。SQ分をのぞいたボリュームは、やや増加したものの、薄商いが続いています。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは81、RSIは48、25日線かい離はマイナス2%でした。今日の引け値での25日線は9907円。今日の日経平均終わり値と移動平均線との差はわずかに200円。来週の相場で、25日線の下落圧力をしのいで上昇相場に転換できるかどうか…。いよいよ正念場を迎えることになりそうです。

 さて、今日は欧州で久しぶりで前向きな材料が続いたことに加えて、懸念されていた中国の輸出(5月)が対前年比で48%の増加、日本の1-3月期のGDP改定値が増額修正されたことから、世界景気の拡大傾向が続いているとして、米国株が急伸。これを受け日本株も先物が買い先行でスタート。注目のSQ値も9747と高いところに決まりました。一時は「幻のSQ値」になるのでは…との懸念がもたれましたが、今日は9764円高値まで買われ、SQ値をクリヤー。引けはこれを下回って終わりましたが、先高感を強める終わり方になりました。ただ、昨晩から、明確な買いサインを出すかどうかが、当面のカギ…としてきましたが、結局、三本新値の陽転値9758円を上回れずに終わってしまいました。チャート的には、底値も見合いの両端に窓を開ける「逆離れ小島」のパターンをつけましたので、底入れの可能性が強まりましたが、問題は、25日線を上回って1万円大台を回復するだけのエネルギーを残しているかどうか…。外部環境次第の相場になっているだけに、今晩以降の米国株が焦点になってきそうです。

 また、中国の輸出が増加したのはいいのですが、今日発表されたCPI(消費者物価指数)はついに、政策目標とする3%の壁を突破。3,1%に上昇してきました。個人消費も二桁の伸びを示しているほか、最近の給与水準の引き上げ、食料品への投機的な資金の介入など、物価上昇が一段と加速する兆候がでてきました。一方、預金金利は2.6%という低い水準に据え置かれており、このままでは預金を取り崩して物を買う流れが加速する可能性もあり、金利の引き上げが焦眉の急になってきました。また、固定資産投資も相変わらず高い水準を持続しており、不動産バブルの抑制のためにも一段の金融引き締めが課題になってきます。このところ、金融当局が銀行への自己資本の増強を促していることを見ても、徹底した不動産価格の抑制に乗り出してくる可能性があります。欧州危機の山場は過ぎたものの、来週は中国の利上げが、目の上のたんこぶになって市場を圧迫するかもしれません。詳しい、分析はレポートに譲ります。レポート最新号で注目した日本調剤(3371)が3700円台に入ってきました。まだ、大きく株価が伸びるところが無いだけに息の長い相場が期待できそうです。

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珍しく好材料が相次ぎ株価を押し上げ…でも明確な買いサインを出しにはいたらず
 おはようございます。

 昨日の欧州情勢は、ひさしぶりに好材料の発表が続きました。注目されたECB理事会は、金利の据え置きを決定。域内各国の国債買取による資金供給策の継続も決めています。また、懸念されたスペイン国債の入札についても、当初政府が計画していた38億~40億ユーロの調達に対し、39億ユーロとほぼ満額を達成しています。さらに、欧州金融安定化ファンド7500億ユーロのうち、1476億ユーロを負担するドイツの分担額に対し、ドイツの国会議員が支出差し止めを求めていた裁判について、ドイツ連邦裁判所が却下する判決を下したことも、ユーロ買いにつながり、昨日は1ユーロ1.21ドル台に上昇しています。

 この日の米国株は、欧州情勢の安定に加え、中国の5月の輸出が前年同月比で48%の増加になったことを好感。より前に発表された新規失業保険申請件数が前週に比べ減少したことも手伝い買いが先行し、大幅高でスタートしました。また、日本の第一四半期のGDP改定値が上方修正されたことから世界経済は予想外に堅調な動きをしている、として買いが増加。これまで売られてきたキャタピラーやアルコア、GEなど輸出主導型景気敏感株が買い戻されたほか、下ニュ価格が続伸し、1バレル75ドル台を回復したことを好感。このところ急落していたBPを含む資源・エネルギー株も買われるなどほぼ全面高商状となり、結局、主力3指数とも大幅反発して終了。ニューヨークダウは、久しぶりに1万ドルの大台を回復しています。ただ、ニューヨーク市場の出来高は前日比3億6320万株減の13億3554万株と減少。買戻し主導の相場だったことが分かります。また騰落状況は値上がり2690、値下がり380と、全面高商状でした。

 昨日の米国株は、最近では珍しく好材料が相次いだこともあり、材料に押し上げられる格好で上げ幅を拡大して終わりました。ただ、商いが減少していることや、25日線が下落傾向を続けていることから、当面、戻りの目処を図る相場になりそうです。一旦、三本新値が陽転し強気サインを出しましたが、先週5日の急落で再び陰転。昨日の急騰でもまだ買いサインは出していません。5月後半から6月初旬にかけての1万ドル大台の攻防戦時に1万250~1万300ドル付近でテーブルを形成しており、当面、この抵抗帯を突破できるかどうかがかぎになりそうです。このゾーンには、25日線のほか、5日につけた長大陰線など罫線上の節も多くあります。昨晩日本株でも書きましたが、明確な買いサインが待たれます。

10日の米国市場
ニューヨークダウ 1万172ドル53セント +273ドル28セント (2.76%)

NASDAQ総合指数 2218.71ポイント +59.86ポイント (2.77%)

S&P500  1086.84ポイント +31.15ポイント (2.95%)

CME日経平均先物9月限り (ドル建て) 9750円 +240円

             (円建て) 9695円 +185円

米国10年もの国債金利  3.3190%  +0.1320%

WTI原油  75.47ドル  +1.10ドル

GOLD 1222.20ドル -7.7ドル


 米国株は急反発。CME日経平均先物は9月限りが9700円に接近して帰ってきました。円相場は、国内に帰り対ドルで91円30銭台、対ユーロで110円60銭台とやや円安気味の取引になっています。ユーロ・ドルが大きく変動したことに比べると、円相場は第一四半期のGDPが上方修正されたことを手ががかりに買われ、ドル、ユーロともに上値を抑えれていてます。今日は、全面高になりそうですが、昨晩書いたように、引け値で9784円の三本新値陽転値を上回って終われるかどうかがカギ。週末控えだけにどこまで強気が持続できるか…。でも、ユーロはなんだか安定してきたような…。売られすぎの輸出ハイテク株の買戻しが始まりそう。
 



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外部環境さえ落ちつけば、だめな日本株だって上がれるんだぞ…
 10日木曜日の日経平均株価は、103円52銭高の9542円65銭、TOPIXは6.42ポイント高の856.70と、ともに反発して終わりました。明日にメジャーSQを控え見送り気分が強く、出来高は16億8525万株、売買だいいんは1兆1900億円と、ともに急減しています。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは71、RSIは42、25日線乖かい離はマイナス3.9%でした。今日の終値での25日線は9933円。昨日1万円を割り込んだあとも、下落ピッチを早めています。

 今日は、米国株が反落して帰ってきたものの、CME日経平均先物が堅調になったことや、為替がやや円安気味に推移するなど、外部環境が落ち着いていたことから、個人投資家を中心に日本株の割安感に注目。押し目買いが入り堅調にスタートしました。昨日伝えられた中国の5月の貿易統計で、輸出が予想通り前年同月比48%の増加になったことや貿易収支が前月の17億ドルの黒字から195億ドルに急増したことを好感。また中国の年金運用担当者が、「EUはソブリンリスク問題を乗り切れる…」と発言したことから、ユーロに買戻しが入り一時110円台に反発。これも手がかり材料となり先物に買戻しが入り、上げ幅を拡大。さらに、GLOBEX市場で米国株先物が(ニューヨークダウ)で70ドル近く上昇したことも先物の買戻しを誘い、結局、日経平均は反発、9500円の大台を回復して終わりました。

 今日も結局外部環境次第の相場付きでした。順調に調整してくれているなと思っていたら、突然ユーロが買い戻されたり、GLOBEX市場で米国株が急伸したりで、戻さなくても良いところで戻してしまう…。結局、整理が不十分なままで切り替えしてしまうから戻り売りに押されて上げ止まってしまう…というパターンを繰り返しています。日本市場で、ナントカ円安のまま、欧州市場が開くと、株が下落して、ユーロが売られ、現在は、1ユーロ1.20ドル台の攻防戦に入っています。前日も購買力平価から見た、ユーロは理論価格を下回っておりそろそろ底がための動きが始まるのでは…としましたが、やはり対ドルでは底堅い動きに変わり、1.20ドル台が固まってきました。ただ、対円っでみた理論価格は104円でまだ割高感は解消されておらず、この辺が110円台から先に進めない原因かも知れません。まだ、予断は許しませんが、そろそろ地合が変わってきた…とみても良いのではないでしょうか。

 ただ、全体が下落傾向を強めているにもかかわらず、信用買い残が今年最高水準に達するなど、どうしても整理未了感は免れません。なまじ、ファンダメンタル面で割安感が出ているだけに、だらだらと買い下がるため、上値にシコリを作ってしまっています。今日の朝も、日経平均週足の週足サイコロは5勝7敗に低下、RSIも38に低下し、中期的には整理が進んできました。EU危機の端緒になった中東ドバイショックが起きた昨年11月安値時の週足RSIは33、サイコロは4勝8敗でしたから、かなり良い線まで調整は進んでいました。また、13週線とのかい離は、当時は9%ですが、今回はすでに10%に達しており、この点では何時流れが変わってもおかしくない時期に来ています。ただ、目先的に、買いゾーンには届いているものの、まだ、明確に「買い」のサインは出ていません。ただ、それも昨日、引け値ベースで安値を更新したことで、三本新値の」陽転値が、5月20日の1万30円から、同21日の9784円に低下。これまでよりは陽転しやすくなっています。単なる値ごろ感ではなく、「赤三兵」や三本新値の陽転など、底打ちを暗示するサインを待つところではないでしょうか。

 それにしても、韓国やベトナム、中国、米国など、通貨が安くなった国の経済が立ち直り、ここにきて、ユーロ安になったドイツやオランダ、ベルギーなどの経済指標が急速に回復するなど、通貨安政策が景気回復にそれなりの効果を挙げることが分かっていても、何にも手を打たない日本って…。やはり、国際合意で、日本が最終的な通貨高のババを引くことで、世界経済を救済することが決まっているんでしょうか。最近のユーロ首脳の発言を聞いても、折角つかんだユーロ安という錦の御旗を手放してたまるか…という雰囲気になっています。日本だって、そろそろ声を上げても良いんではないですか。声が上がらないのが不思議で仕方がない…。

 相場の神様が「GO」サインをだしてくれるまで、おとなしく待っていましょう。

これから出かけますので、今日はこの辺で…。

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弱気の材料を並べて、いつも通りの引け際マジックで下落。大台回復はならず…
 おはようございます。

 昨日の欧州情勢は比較的平穏でした。EUの経済統計監査権限の強化が発表された際に最初の検査対象と名指しされたブルガリアのCDSが上昇。次の火種として市場の懸念を増幅しています。また、これまで、行き過ぎと批判が多かったドイツの空売り規制について、これまで反対してきたフランスが賛同。EUもこれに賛意をあらわすなど、空売り規制やCDSの売買停止などの案が成立する見通しが強まってきました。金融危機の原因を作った英米流の金融システムにEUが反対姿勢をしめせば、世界の金融が混乱する可能性もあります。また、ギリシャやイタリア、スペインなど愛製に問題を抱える国の国債金利が高止まりしており、ユーロの不安定な動きは依然続いたままの状態です。

 昨日の米国株は、ユーロが安定していたことや、中国の5月の輸出が増加した…とする報道を受けて、続伸してスタート。昨日発表されたベージュブック(全米地区連銀経済報告)で、景況感の改善が12地区全てに波及していることが確認されたことも好感。一時、ニューヨークダウは高値1万65ドルまで買われ大台を回復。しばらくは大台を超えたところで推移していましたが、昨日もまた引け近くになって波乱。ユーロが伸び悩んだことや、メキシコ湾の原油流出事故による損失で、BPが無配に転落または経営破たんの可能性もあるなど弱気の噂が飛び交い急落。結局、主力3指数とも下落して終わりました。ニューヨーク市場の出来高は前日比5296万株増の16億9874万株。騰落状況は値上がり1568、値下がり1472とほぼ拮抗した状態でした。

 この日は、堅調な小売売上高を映し、ウォルマートやコストコなどが買われたほか、原油価格の上昇を受け資源・エネルギー株が買われ、一時指数を押し上げました。また、不動産リートへの投資判断引き上げを受け不動産株も上昇しています。ただ、引けにかけては、BPの経営悪化を懸念し、午前中に上げていたエネルギー株が下落に転じたほか、昨日の上げをリードした金融株も売られています。市場は大きく反応していませんが、一時話題になった信用保証会社(モノライン)大手アンバック・フィナンシャルが、来年度の資金調達に目処がつかず、破産法の申請可能性が伝えられるなど、気になる動きもでています。

 この日、ニューヨークダウは1万ドル大台を回復するとともに、5日移動平均線も上回り、短期的な強気相場入りの期待を持たせましたが、結局、好例の引け間際のマジックで下落して終わり、5日線の回復はなりませんでした。上昇中の52週線の回復はなかなか難しいようです。また、次の主役として期待されるNASDAQ市場が、欧州向け輸出のい採算悪化を嫌気して売られ、安値を更新していることもきになるところです。一時期は無視されてきたユーロ相場に関して、このところ敏感に反応するようになってきており、市場がユーロ安による対欧輸出の採算悪化→輸出企業の業績減額修正を気にし始めていることが分かります。ユーロ相場は目先小康状態ですが、当面の米国株もユーロ相場の方向感を見定めるため、見送り商状が続きそうです。日本に続き、来週末がSQになるのも懸念材料。

9日の米国市場
ニューヨークダウ 9899ドル25セント -40ドル73セント(0.43%)

NASDAQ総合指数  2158.85ポイント -11.72ポイント (0.54%)

S&P500   1055.69  -6.31ポイント (0.59%)

CME日経平均先物(ドル建て)9490円 +10円  9月限り 9545円 +75円

        (円建て) 9485円 +5円   9月限り 9480円 +10円

米国10年もの国債金利 3.1870% +0.019%

WTI原油 74ドル38セント +2.39ドル

GOLD  1229.70ドル -15.90ドル
 

 米国株は反落、CME日経平均先物は限月交替が接近していることから小動きに推移。ほぼ大証終値と変わらずで帰ってきています。円相場も、対ドルが91円20銭台、対ユーロが109円40銭台と、小幅な円安になっていますが、相場的には中立要因か。中国の輸出増加の噂を受け、中国関連が賑う可能性があるものの、5月は鉄鉱石や銅など原材料の輸入を抑えた結果の輸出超過額の増加の可能性もあり、実際の数字を確認した方が無難。今日も前場中は、明日のSQへむけた先物筋やオプション筋のポジション調整の動きから波乱含みの展開か…?GLOBEX市場の動きをみながらの神経質な相場になりそう。昨日の段階で日経平均週足のRSIは37に低下。昨年11月安値時は33で底打ち…。もうそんなに時間はかからない…?       

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世界大恐慌突入を覚悟した債券先物高値141円91銭…今日の先物高値は141円19銭。また大恐慌突入?そんな馬鹿な!
 9日水曜日の日経平均株価は、98円81銭安の9439円13銭と反落、TOPIXは7.96ポイント安の850.37と続落して終わりました。出来高概算は20億4000万株、売買代金は1兆3850億円と、薄商い状態が続いています。また、日経平均サイコロは6勝6敗、騰落レシオは65、RSIは34、25日線かい離はマイナス5.4%でした。なかなか、厳しい数字が出てくれませんん。今日の終値での25日線は9980円…とうとう1万円の大台を割り込んでしまいました。相場環境の悪さから、投資家が現物市場で見送り姿勢を続けるなか、先物筋やオプション筋が、先物と現物とのサヤや自分にとって都合の良いストライク価格だけを求めて、不毛な売買を繰り返す…、まったく無味乾燥な相場になってしまいました。最近の相場からは、まったくといって良いほど人間味を感じられません。個人投資家が逃げて行くはずですね。真剣に海外投資をかんがえはじめました。

 冒頭からグチを言っても仕方がありませんが、「これも相場」として、与えられた環境の中でベストを尽くすしかないんでしょう。
 さて、今日の相場は、為替の方が比較的落ち着いた感じになっていましたが、GLOBEX市場の米国株先物が軟調に推移。これを手がかりに先物売りが先行。景気の先行きへの懸念から債券先物も買われ、その反動で株の先物を売る、ロングショートポジションが出されたことも先物への売り圧力を強めました。その結果、裁定解消売りがまとまって出たこともあり、日経平均は一時9378円と、先々週つけた安値9395円を下回ってしまいました。オプション筋は、あわよくば9250円のストライク価格まで押し下げてやろうかと思ったんじゃないでしょうかね。まったく、米国雇用統計への期待感から買った先週の相場が余計でした。今晩の、米国株次第では、あさってのメジャーSQ前の人稼ぎを狙って売り崩すような動きが出るかもしれません。昨日も書いたように、なんとか、9500円で折り合うかな…と思ったんですが、明日も顔の前を飛び交うデリバティブに悩まされることになりそうです。

 今日、6月4日売買分までの裁定取引状況が発表されていましたが、裁定買い残は5071億円減り、1兆2782億円になっていました。先週の相場は比較的堅調に推移していましたから、この減少分は9月限りへのロールオーバーにともなうものでしょう。今日あたりは、先物価格が9400円に近づいたところで、かなりまとまった売り物が出され、それが裁定解消売りにつながり、日経平均が安値を更新する原因になったようですが、ロールオーバーしたくないところが、解消売りをするために売り崩しにきた、という見方もできます。

 情けないですね、今日の相場が下げたことを解説するのに、景気指標が悪化したからとか、業績が急速に悪化してPERが割高になったから…など、ファンダメンタルに関するものは一言もありません。株価は下げているのに、今日発表された5月の工作機械受注は前年同月比2.9倍という数字。PERは16.37倍、PBRももしかしたら1倍を割り込むかもしれないという状態。個人の中にはこんな割安なのはおかしい…と思って、買い物を入れても、先物筋や裁定業者が自分たちの都合だけで日経平均の指数を操作。下落圧力は増すばかりで、ファンダメンタルとはどんどん遠ざかっています。別に、悪いことだとは言いませんが、レバレッジの比率が25倍、日経平均は値嵩株を動かせばどうにでも操作できる…。こんな、欠陥商品に25倍ものレバレッジ比率を与え手いること自体が問題で、制度的な欠陥を放置している当局のkんがえかたが分かりません。いまのままでは、どれだけ企業業績が良くなっても、日本株を上げたくないと思えば、日経平均先物を操作すれば低位に押さえ込むことができます。日本経済をコントロールしたい国にとってはこれほど便利な道具はありませんね。なぜ、20年も日本経済が低迷したか…。日本を財布代わりにしたい国にとっては、日本の景気が良くなって、国内で資金需要が増加。金利が上昇すると、相手の財布の中に日本お金が流れて行きませんしね…。

 今日は、取り立てて書くようなこともありませんから、馬鹿なことを書いてしまいました。ただ、問題は債券市場。以前から、金融危機の際に世界中にばら撒かれた過剰流動性は、安全資産買いの一環として債券に向かい、長期金利を低下させました。その際、金余りにものを言わせ、ジャンク債にまで手を出すなど、一種の債券バブルの様相を呈しています。今回、問題になり始めたギリシャやスペイン、東欧諸国のソブリン問題も、市場が市場からの資金の引き上げを意識。リスクを無視して買ったジャンク級の資産への懸念から起きたものです。日本でも、債券先物は昨年3月の危機のピーク時には141円91銭まで買われています。しかし、危機の大きさでは比べ物にならないPIIGS問題が原因になった波乱で再び債券に人気が集中。今日の債券先物の高値は141円19銭まで買われてきました。金利が低下するということは、景気の先行きが悪化する…ということですが、債券の高値が大恐慌の再来を意識した昨年3月の水準に近づいているとしたら、これはちょっと問題かも知れません。再び「大恐慌」の再来を覚悟するなら、株は全て売りですが、市場はそうは見ていないようです。そうすると、債券は買われすぎ…ということになるのですが、これ以上買えないとしたら資金はどこへ向かうのでしょう。冷静に株式市場をみると、PERやPBRは記録的な低水準にありますし、東証一部全銘柄の配当利回りは2%超え…。景気の先行き見通しさえつけば、やはり株式に資金が流れるとみるのが正解ではないでしょうか。

 世界の景気が良くなればなるほど、貿易決済通貨としてのドルへの需要が膨らむ。ここに来て、主要通貨に対しドル相場の堅調が続いているのは。世界の景気が依然拡大している事をしめしているという見方もできます。ドル安を前提にした相場の流れと、ドル高を前提にした相場の流れとは自ずと異なるはず…。今の世界的な株価の調整が、この基調変化を前提にしているとしたら…。弱気になるべきか、強気になるべきか…ここは、性根をすえて考えてみるところだと思うのですが…。

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プロフィール

大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。




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