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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
09 | 2011/10 | 11
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止まらない主力株への内外投資家の売り…決め手は流動性のない株?
 今日も、欧州の小田原評定と米国の金融不安に振り回される展開になってしまいました。昨日開催されたEU17カ国財務相会合は、ギリシャへの融資の決定を11月に先送りすることに決めたようです。ギリシャの財政赤字削減計画が思うように進まないことに業を煮やして圧力をかけにきたようです。もともと、見通しが狂ったのは、4月にドイツなどインフレ過敏症の国が無理やり利上げを実施。その後も引き締め気味の政策を取ったために景気がダメージを受け、7月の追加利上げでリセッション入りが濃厚になった影響が大きいのははっきりしています。 
 金利をそのままにしておいて、財政赤字を削減しろといっても、景気の先行きに見通しがたたないなら、対GDPで云々言ったって意味はありません。ギリシャの場合は、税金は払わない、年金や公務員の支給額を増やして、皆がハッピーみたいな国家運営をやってきましたから、赤字削減で締め付ける前に、国家体制を変えることから始めないと、何時までも現在のようなどたばたが続くことになります。すでに、信用機構そのものが崩壊しているとも言われ、現金以外は信用できないようになっているとも言います。少々、コストがかかっても、EUから脱退させて、安い通貨のもとで、一から国づくりをやり直したほうがいいのではないでしょうか。それにしても、俺がうまく数字合わせをやってやるから…とうまいことを言って、法外な利権をふんだくり、EU加盟の資格を作り上げたゴールドマンザックスの責任は大きいと思いますが、この混乱のなかでも高見の見物ですか?

 今回の世界的な危機の引き金を引いた証券化バブルも、政権内に人材を送りこみ、議員を抱きこんで、都合の悪い規制をとことん取っ払い、自由気ままに振舞ったことから、発生しています。都合が悪くなったら、危機をあおって税金を投入して、政府に救済させるなど、まあ、やりたい放題でした。しかし、今、確実にその付けを払わされようとしています。腐る可能性がある商品を混ぜ込んで、自分たちが組成しながら、危ない商品だと分かっていて、だますようにして販売した責任を問われ、損害賠償訴訟が山のように出てきています。また、腐った商品は欧州の銀行にも3000億ドル程度はあるといいますが、ドルの必要な欧州銀行がドル資産の売却を始めており、これが、再び米国の住宅市場を圧迫し、銀行の損失を拡大させる…という悪循環を生むリスクが生じ始めています。
 
 この意味では、欧州の銀行以上に、米国の銀行の経営リスクが高まっているといえます。このことは、市場でも分かっていて、預金部門を持たない旧投資銀行の資金繰りに不安が生じているようです。これらの銀行は、ヘッジファンドへの資金供給源ですから、危ない銀行のレッテルを貼られる前に資金回収を急ごうとしているため、貸しはがしを受けたヘッジファンドなどが、投資資金の回収を急いだことが、世界的なリスク資産の下落につながっているようです。市場では、欧州危機と米国の動きを混同するような見方もあるのですが、この二つは分けて考えておかないとリスクに対応できなくなる可能性があります。もう、米国の金庫もすっからかんですから、損害賠償請求が山のように積みあがる一方で、簿外に飛ばしてある含み損が拡大した場合、対処できるのでしょうか。この予備軍は、アジアのどこかの国にもあるといわれています。どこかで、連鎖の輪を断ち切らないと、どうしょうもなくなりそうです。

 まずは、目先の、リスク資産下落に歯止めをかけるため、国際協調の結束の固さを市場に示す必要がありますが、平気でギリシャへの融資を11月に先延ばしするなど、EUの行動は全く市場を無視したものばかり。市場に配慮することが全くありません。市場に敵対する動きをすればするほど事態を悪化させていることに気づかないのでしょうか…。今日の市場は、融資の11月への先延ばしを受けて、素直に反応。欧州市場は軒並み2%を超える下落。特にドイツは3%を超える大幅安で始まっています。再び、DAX指数は5000ポイントの大台われに追い込まれるのでしょうか。日本株が下落幅を縮めるのに貢献したGLOBEX市場の米国株高も、欧州市場の下落を見て、再び下落に転じています。また、今晩も気をもまされることになりそうです。

 日本株は、欧米市場次第の動きが続いています。欧米株安を受けた先物売りや、ユーロ下落にともなう現地通貨建て価格の上昇から欧州からの日本株売りがとまりません。日経平均を見ていると、まだ、震災後の安値を切っていませんが、大型株指数をみると、8月に安値を切って以降、怒涛の下げが続いています。海外投資家が流動性を重視してTOPIX30や同70など、日本を代表するブランド企業で構成する銘柄を買った分を、連日バスケット売りしてくるため、主力株の売りがとまりません。このブログでは、以前か、個別の業績に関係なく売買される指数株は避けるべき…と言い続けてきましたが、全くひどい状態になっています。一方、海外投資家や国内の大手投資家が、流動性がないために持っていない小型株は、堅調に推移しています。もちろん、全体が暴落するような局面になれば、ここも売られますが、現段階ではここしか抜け道はありません。レポート銘柄は、この考えに沿って、8月以降注目銘柄を選定してきましたから、指数が下落する中でも、年初来高値を更新するものが連日でてくるという好調を持続できました。

 ただ、前段でも書きましたように、米国株の下げの内容が変質してきている点には注意が必要。一人、気を吐いていたNASDAQ100指数も、先週末から大きく崩れてきました。アマゾンが、アップル寡占のタブレット端末に安値構成をかけてきたことで、アップルの成長にかげりが発生する懸念がでています。今晩、新製品の発表が予定されていますが、相場が上げに反応しなかった場合、市場は柱を失うことになるだけに、今晩の動きが注目されます。

 今日のい日本株は、日経平均の下落幅は、89円36銭安の8456円12銭、TOPIXは10.93ポイント安の736.18ポイントと小幅な下落にとどまっていますが、騰落状況をみると、値上がり299、値下がり1287と、大幅な下落超…。指数と実態はかけ離れています。サイコロ(6勝6敗)、騰落レシオ(99)、RSI47と、まだのこのこ買いにでる水準でもありません。直近レポートで注目した建設株やネット関連などは堅調に推移していますが、レポートに書いたように、資金は最小限に絞って対処するところ。値動きにつられないように、厳しいところで入るようにしてください。ニューヨークダウですが、ボックスを下はなれると、怖い…。
突然、融資を11月に延期する…と言い出すところなど、今年の「辛卯」の裏切り、陰謀、暗殺の卦が出ている。また、相場のながれも「一白水星」の水の恐怖が残ったまま…。9日「寒露」の気変わりが待ち遠しい。
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国内外に悪材料が相次ぎ大幅続落…米国銀行のCDS上昇が新たな懸念材料に
 おはようございます。 朝の冷え込みに、布団のなかで身震いして目が覚めました。今日の生駒のお山は一段とくっきりと見えます。かなり温度が下がっているようです。今晩から、毛布を一枚増やしたほうがよさそうです。

 さて、世界同時株安というか、リスク商品のスパイラル的な下げがとまらなくなってきました。米国の金融緩和で発生した過剰流動性が、有利なリスク資産を求めて、国際商品や新興国株式・為替などに向かっていましたが、米国の銀行そのものが危なくなってきましたから、貸しはがしが増加。デフレリスクが高まったことから個人投資家もファンドから資金を引き上げ、現金化する動きが強まっていることが要因だと思われます。特に、預金を持たない投資銀行の資金調達難が市場でささやかれ、米国銀行のCDS上昇が止まらなくなってきました。投資銀行は、ヘッジファンドの有力な資金源ですから、ここから貸しはがしにあうと、レバレッジをかけているだけに、市場への影響は大きいものになります。ヘッジファンドの決算は、11月末のものが多いようですから、解約45日前ルールから、来週くらいまでは、きつい状況が続くかもしれません。

 ギリシャへの融資も、公約した対GDP比の財政赤字比率が未達成になったことで、条件の見直しがありそうですし(実際には、融資を実行せざるを得ない)、ますます、時間がかかりそうな状態になってきました。昨日は、とうとう、交渉をリードしてきた、パパンドレウ・ギリシャ首相が辞任を検討しているという報道まで出て来る始末です(分かるような気もするが…)。ギリシャ第一次支援に反対した、スロバキアの批准見通しもたっていない状態ですから、市場がイラついて下げるのも仕方が無いところでしょう。それに、かぶせるように、今度は景況感の悪化です。ユーロ圏17カ国の製造業PMIは、前月に続き、判断の分かれ目になる50を下回り景況感の悪化が鮮明になってきました。ユーロ安の恩恵を受けているドイツだけが50を超えているというのも、象徴的な動きでした。米国大手銀行では、ユーロ圏がリセッション入りした…という見方をしています。

 昨晩の書き込みでも、6日に開催されるECB金融政策委員会で、利下げが検討されるのでは…とし、市場がこれを意識したら、案外反発も、としましたが、ギリシャ支援の先行きに懸念が生じ、ベルギーの大手金融グループへの追加支援問題(ムーディーズは格下げを検討)、ギリシャ首相の辞任報道と立て続けに悪材料が続いては、売るしかないということでしょうか。ただ、リセッション懸念が現実のものになってきたほか、米国も、S&P500が1100ポイントの節値を割り込むなど、危機的なゾーンに入りつつあり、昨日も書いたように、先進国、中国を含めた何らかの緩和措置が取られる時期が近づいているような気がするんですが…。

 3日の米国市場動向
 ニューヨークダウ 1万655ドル30セント -258ドル08セント(2.36%)

 NASDAQ総合指数  2335.83ポイント -79.57ポイント(3.29%)

 S&P500 1099.23ポイント -32.19ポイント(2.85%)

 CME日経平均先物(円建て) 8380円 -130円

 米国10年もの国債金利  1.761% -0.158%

 ニューヨーク原油 77.61ドル  -1.59ドル

 GOLD 1657.7ドル +35.4ドル

 ドルインデックス 79.62 +0.83  


 昨日の米国株は、アジア株安、欧州株安を受け続落して始まりました。寄り後に発表されたISM製造業景況指数(9月)が、予想を上回る上昇となり、ニューヨークダウは、一時、1万979ドル(前週末比66ドル高)をつける場面もありましたが、ギリシャ首相の辞任報道や赤字削減目標の未達成による融資の先送りなど、欧州金融情勢の後退懸念から売り物が増加。欧州の混乱に加え、米国銀行の資金調達懸念が浮上。さらに、大手航空会社の破綻思惑、決算発表が近いアルコアへの業績下方修正懸念など、米国からも悪材料が続いたことから、市場は弱気にかたむき、終日売られる展開になりました。

 業種別では上昇したものは無し。わずかに、貴金属の下落率が少なかった程度。一方、AMRの破綻懸念がでた航空会社が下落率トップでした。ニューヨークダウ30のうち、あげたのはウォルマートだけ、経営不安がでたバンクオブアメリカが9%を超える下落になったほか、アルコア、キャタピラー、デュポンなど景気敏感株が3%を超える下落になるなど、景気減速を織り込む動きもでています。結局、主力3指数ともほぼ安値引けとなり、続落して終わっています。ニューヨーク市場の出来高は、前週末比7998万株増の14億175万株。騰落状況は、値上がり282、値下がり2812でした。

 ニューヨークダウは、1万600ドル台に下落してきました。レポートでも指摘しておきましたように、9月22日に1万577ドル安値をつけ、8月9日安値1万588ドルを切り込んでいましたので、下値不安が増幅しています。当面、ボックス圏の動きが維持できるかどうかが焦点になりますが、欧州金融情勢、米銀の経営不安、景気減速懸念と複合的な悪材料があり、ボックスの下はなれ懸念はのこったまま…。短期の解消は望むべくも無く、当面、6日のECB金融政策委員会付近での、協調金融緩和しか、変化の思惑材料がないように思われます。ただ、ニューヨークダウの水準は、長期のテクニカルな下値抵抗ゾーンにあり、一段と売り込むにもリスクがある水準です。

 米国株は大幅続落。CME日経平均も大証先物終値を130円下回る8380円で帰ってきており、今日の下落相場はさけられそうにありません。特に、ユーロが100円台に乗せており、ユーロ売りが強まり大台われに迫るような場面があれば、輸出株を中心に一段安は避けられません。先物先行で売りがかさみ、裁定解消売りから指数採用銘柄にした押し圧力がかかりすですが、当面は、売り一巡後の、復興関連株の動きが注目されます。引き続き、GLOBEX、アジア市場株の動きに神経質な動きに…。


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プロフィール

大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。




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