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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
07 | 2015/08 | 09
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週明けにの日本株は、鉱工業生産指数の2か月ぶり減少や中国株の下落を嫌気した主力株売りから、4日ぶりに反落…指数敬遠から買いは小型株へ
 先週末のジャクソンホール「財政金融シンポジウム」では、結局、米FRBの利上げ時期に関する明確なメッセージは得られませんでした。ただ、これまで利上げのためなら…と、あえて無視してきた中国株式市場の下落に言及しており、中国をはじめとする新興国の波乱が続くようなら、利上げ時期を先延ばしすることもありうるというようなニュアンスがあったことは、収穫だったのかもしれません。もっとも、先週、ニューヨークダウが、一時、1000ドル超え下落したおり、本来なら逃避資産として買われる債券が下落。この背景に中国が債券などドル資産を150億ドル(約1兆8000億円)売却したという動きもあり、下手に利上げし、米資産を保有する新興国を波乱させると、米資産売却となって跳ね返ってくるというデメリットが発生することにもなりかねません。中国は、資本流出が続くなか、ドルペッグを維持しようとして国内金融を逼迫させ、異例の金融緩和に踏み切りましたが、もし、利上げにより新興国の波乱が続き、米資産が売られた場合、米国内でも中国と同様に資金需給がひっ迫することも起こりかねません。あえて、中国の波乱を強調したあたり、やはり、9月の利上げは無理かな…というサインを送ったのでしょうか?

 先週末にかけ、世界の株式市場は、ジャクソンホールでのシンポジウム開催を前に、ポジション調整の買戻しが行なわれたほか、利上げ時期に関する示唆があった場合に備えたポジションが作られ、反発して終わりました。しかし、結局、ヒントになるようなものが無かったことから、強気のポジション解消が行なわれ、日本株は、反落してのスタートになりました。CME日経平均先物の終値は1万9170円でしたが、日経平均の寄り付きは1万9006円(前週末比130円安)と、大幅に下回っています。朝方発表の7月鉱工業生産指数が2か月ぶりに下落したことも影響したようですが、ジャクソンホール会合で何も出なかったことに対する失望売りも大きかったのではないでしょうか。寄り後の関心は中国市場の始まりに移りましたが、中国市場が下落して始まると、先物売りが出て、裁定解消売りなどから下落幅を拡大。後場寄り後、まもなくこの日の安値1万8749円(同387円安)をつけていました。引けにかけ薬品や食品など内需株が買いなおされ、下落幅を縮めたものの、結局、日経平均、TOPIXとも4日ぶりに反落して終了。

 日経平均は、245円84銭安(1.28%)の1万8890円48銭、TOPIXは、12.75ポイント安(0.82%)の1537.05ポイントと、ともに反落。出来高は、前週末比4.9億株減の24億7360万株、売買代金は同3480億円減の2兆7460億円と、ともに大幅減。騰落状況は、値上がり918、値下がり897。業種別は、その他製品、紙パルプ、食料、金属など8業種が上昇。鉄鋼、機械、非鉄、銀行、輸送用機器などを上位に、25業種が下落。

 今日の終値での、日経平均、TOPIXサイコロは、4勝8敗(33%)に低下。日経平均RSIは1ポイント下げ32%、TOPIXも1ポイント下げ31%に、それぞれ低下。25日線かい離は、日経平均が-4.8%→-5.9%、TOPIXは-4.47%→-5.0%に、それぞれ拡大。騰落レシオは6ポイント上げ92%に拡大。指数が足踏みするなか、指数採用以外の銘柄が幅広く買われたという恰好。資本金別では、大型株指数が-1.06%だったのに対し、小型株は+0.43%と対象的な動き。2週にかけての指数の波乱が先物筋の仕掛け的な動きや裁定解消売りで引き起こされたことから、個人投資家が、指数売買の影響を受けにくい小型株物色を強めたことが影響したようです。レポート銘柄も、M3やアウトソーシング、イトーキ、乃村工藝社、SMSなど小型系の動きが良かったようです。
 
 まあ、先週の買戻し相場で短期的な急反発を終え、今週以降は、戻り売りを消化しながらのゆっくりした戻りになりそうです。晩の米国株も、一応ジャクソンホールに対する失望を織り込まなければなりませんが、先週までの動きは、ファンダメンタルが変化したというよりは、コンピューター売買が行き過ぎた「フラッシュクラッシュ」とみておけばいいのではないでしょうか。これ以上、中國を追い込むようなことがあれば、ドル建て資産の売却となって米国にも跳ね返ってくることになりますから、米中首脳会談では、危機に対して協調して対処するというような話し合いもなされてくるのではないでしょうか。環境的に似ている昨年10月安値の底からの出直りパターンが参考になりそうです。
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プロフィール

大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。




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