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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
06 | 2020/07 | 08
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過小評価していたドバイ危機が格付け機関のかく乱で拡大の可能性
 9日水曜日の日経平均株価は、135円75銭安の1万4円、TOPIXは11.76ポイント安の884.94と、ともに続落して終わりました。外部要因の悪化から見送り気分が強まり、出来高概算は19億2900万株と20億株を割り込んだほか、売買代金も1兆2527億円と前日比で減少しています。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは75、RSIは58、25日線かい離はプラス3%でした。25日線のかい離率が目先的な危険ゾーンの3%を少しですが割り込んできました。その他の数字はほぼ巡航速度。今日現在の25日線は9714円と、上昇傾向は続いています。まあ、スピード調整が進んでいるという感じでしょうか。

★なんだか格付け会社がバタバタし始めた…嫌な感じ…

 今日は、朝っぱらから、海外でうっとうしい材料が続き、朝の書き込みに手間取ってしまいました。
 ギリシャの財政事情の悪化は以前から言われていたものですが、新興国の回りが騒がしくなってきたとたんに、格付け会社のS&Pが懸念を表明。遅れてはいけないと、同じ格付け会社のフィッチは一気に格下げに踏み切り、またまた、お騒がせ屋ぶりを発揮しました。あれだけ、おかしな格付けをやって世界の金融界を破滅の渕まで追い込んだ格付け会社ですが、まだ、懲りずにやっていたんですね。一時は、独自にリスクを判断し、格付け会社を使うのは止めようというムードになっていたんですが、結局、自分で判断するのが面倒くさいから頼ることになっているんでしょう。

★金融危機の共犯なのに、何で、でかい顔してるの
 大体、米国の金融機関の決算を見てもレバレッジを効かせて、ディーリングをやったところほど良い業績を上げているようですが、あれだけの危機があったのに、何にも変っていないようです。自分たちが無茶苦茶やるためにはずした規制や相対売買への監督官庁の干渉回避などは、何か制度改正が行われたんでしょうか。もし、そのままだったら、またおかしなことをやる連中が出てきます。何しろ、法律さえ守っていたら何をやっても正しい…だから、金の力に物を言わせて自分らがやりやすいように法律を変えてしまったらいい、として、無茶をヤッタ結果があの世界的な金融危機だったわけです。その当事者の格付け会社が何も無かったように業務を行っていることに奇異な感じを持ちます。これまでの格付けの仕方をみても、会社側が何らかの材料を発表した後に、後追いで格付けを変更するケースが多く、そんな安易なものなのかな~と不思議に思ってきました。今回の、ケースもなんだか安易な感じを受けます。もし、真剣にやっているんだったら、よその国の格付けを云々する前に、テメーの国の格付けをまともに判断してみろよ、といいたくなります。

★ドイツの鉱工業生産の低下は、出口政策の延期につながる?
 腹立ち紛れにまた余計な事を書いてしまいました。まあ、EU がなんとかするでしょうから、成り行きを見守るしかありませんが、EUは第二、第三のギリシャになりそうなところをたくさん抱え込んでいますから、とても、出口政策などといって金利を上げることができないことがはっきりしました。また、ドイツの鉱工業生産の予想外の低下にしても、EU域内向けの輸出が景気の低迷で冴えないだけでなく、域外への輸出もユーロ高で思うように伸びず生産が落ちたのではないでしょうか。景況感が冴えないにもかかわらず、ユーロが買われたのは米国と比べた金利の高さから…。昨日の二つの出来事は、EUがまだ出口政策に着手するどころか、まだ、利下げが必要なことを暗示しているように思われてなりません。

★周辺に飛び火、格付け機関の得点稼ぎがはじまった
 また、ドバイショックの再来については、予想外の展開を見せ始めました。朝方はブルームバーグが不動産運用開発会社ナキールの上半期の利益が35億ドルを超える赤字になった…といまさら何で?という記事を載せていましたが、続報では、上期末の負債額が199億ドルに達していた…となっていました。売り上げは激減していますので、これではたまりません。
 それだけでなく、先ほど名前が出ていなかった、米国の格付け会社ムーディーズが、負けてはならじと、今度はドバイ電力水道局の格下げを実施。これに絡んで、同国に貸し込んでいる英国ポンドと円の間でまとまった売買があったようで、現在円相場は87円60銭台に急伸しています。どうも、格付け会社がバタバタし始めるとろくなことはありません。ドバイ問題については、大したことはないという評価でしたが、中東の湾岸で行われ、またおこなわれているインフラ投資は巨額に上ります。もし、格付け会社が調子に乗って引き下げ合戦を始めたら、債権国からの返済要求が増加し、いくら産油国でも返済に窮する事態にもなりかねません。ちょっと大げさには考えているのですが、過小評価して痛い目にあうよりはましですから、ここではドバイ以外への波及状況を見守って行くしかありません。昨日も、オイルショック後のことを書きましたが、やはり歴史は繰り返すのでしょうか。原油価格が下落する「逆オイルショック」の影響も考えておいた方がいいかもしれません。

★資金の流れは劇的に変化。内向き志向を強めそう。
 まあ、新興国投資は大きな傷を負い、ドル安を前提にした投資も修正を余儀なくされています。恐らく、決済通貨を支配している米国の一人勝ちみたいな状況になるものと思われますが、はっきりしてきたことは、米国の金利が上昇し、流動性が吸収されても、ユーロと円が流動性を供給することから、総量自体はあまり変らないということになるのかも知れません。その意味では流動性を背景にした相場は変りませんが、ドルが強含みリスクの考え方が変化しますので、資金は、米国を含めた成長性が期待できる地域に集中的に投資され、これまで以上に成長力格差がついてくることになりそうです。また、米国と日本との成長格差から来年はドル高。円安傾向になる物と思われ、日本の輸出企業にとってはプラスに作用してくる物と思われます。まあ、物色の方向性はこれまでどおりでいいものとおもいます。

★日本株は外部環境悪に比べ堅調だったが、新たに為替の試練を受けそう
 さて、外部環境の波乱を受けた、日本株ですが、週末にSQを控えているものの、売りしかけや買い仕掛けをする動きもなく、意外と平穏に終わった感じです。日銀が資金供給を増やしていることから、金利低下を意識し、債券が急伸していますが、反面、裁定取引で株の先物が売られ、解消売りが出ているはずなのに、株のほうは大崩れしていません。昨日も書いたように、どこかから長期性の資金が入ってきているんでしょう。日経平均については、3本新値が陽転してから5本の陽線をつけているものの、今日の下げでも陰転はしていません。むしろ、引けを見ていると、昨日も下値支持線として書いた26週線を意識して終わった感じもあります。外部要因が消化難で終わっているほか、円への仕掛け的な動き(日銀や財務省の出方を窺う動き…?)もあり、ちょっと動きが取りにくいところですが、次ので直り相場にそなえ、財務面や業績面から見て割安なものや輸出ハイテク株の押し目を狙ってみるのが良いと思われます。もちろん、ドバイ危機が中東諸国や新興国に広がらないという条件付ですが…。外貨不足のベトナムも通貨の切り下げをやったりしていますので、ちょっと危ないかも…。日銀サプライズも雇用統計サプライズも、バーナンキさんの金利上昇けん制発言や欧州のごたごたで消し飛んでしまった感じですね。まあ、環境の激変から今週は無理をしない方が無難…ということでしょうか。
 なんだか、私、相当気迷っているようですね。
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大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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