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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
06 | 2020/07 | 08
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結局、週末のSQを意識したデリバティブ業者のご都合相場に戻った…?
 11日火曜日の日経平均株価は、119円60銭安の1万411円10銭、TOPXは12.54ポイント安の932.10と、共に反落して終わりました。出来高概算は27億1300万株、売買代金は1兆9260億円と、ともに前日比で増加しています。また、日経平均サイコロは5勝7敗、騰落レシオは95、RSIは32、25日線かい離はマイナス5.7%でした。今日の終値での25日線は1万1037円で、前日からの下落幅は27円に拡大。下落ピッチをやや早めてきました。

 結局、上昇率を見ていると今回の欧州危機は日本にとっては「対岸の火事」だった、ということでしょうか。もともと、欧米株に比べて下落率も小さかった(米国13%、日経平均10%)ですから、反発もその分小さかった、ということなんでしょう。日本経済にとっては、今日発表される中国の経済指標の方が大事…ということで、数字が発表される前引けにかけだんだん伸び悩んで終わっています。また、この間、片がついたと思っていた欧州のソブリンリスクに関し、危機時にお金を入れてくれるスポンサーは決まったが、肝心の債務国がどうやって借金を返してくれるのかが示されていないじゃないか…。明日はギリシャで大々的なゼネストがあるらしいが、本当に政府が作った赤字の削減計画は実施できるのか…と、市場は再び不信感をあらわにしてきました。このため、ユーロが再び下落したことも、手控え気分を強めさせたようです。

 また、このまま食いついたえさを放り出してなるものかと格付け会社のムーディースがポルトガルの格下げを狙い、ギリシャの国債を投資不適格のジャンク債(クズ債券)にしようとタイミングを狙っています。どうも、この間から、ユーロ安が一服してくると、格下げの話が流れてくるんですが、あれだけ大きく動いたのに、まだ投機筋は食いついたままなんでしょうか。もう、目端の利いたファンドマネージャーだったら、さっさと手仕舞いして、次の投資対象を狙うか、キャッシュに変えていると思うんですが…。何事も、爪をのばすとろくなことはありませんからね。ユーロが下落傾向を強めたことや、昨日の欧米株が上げすぎたことに対する警戒感から、GLOBEX米国株先物が60ドルを越える下落になっていたも、株価の足を引っ張りました。

 今日の朝も、GLOBEX次第では先物の影響が強まり波乱するかも…と書きましたが、やはり、ユーロの下落、GLOBEXの軟化、中国消費者物価の上昇を嫌気して、後場から先物の売り仕掛けが増加。午前中は4万5000枚強しかなかった出来高は、後場、7万枚近くに増加しています。日経平均が急速に軟化したのも、先物売が裁定解消売りを誘発したことの影響が大きいものと思われます。今週末には、オプション取引のSQを控えていますが、4月の清算値1万1146円から遠く離れていることから、損失カバーの動きから、先物を売る動きが強まっているのかも知れません。今日は、オプションの取引価格1万500円を中心に揉み、一時は、上の1万750円を窺う動きもありましたが、結局、弱き筋の攻勢にあい500円を下回って終わりました。今晩の、米国株の相場次第では、さらに下の取引価格1万250円を目処に仕掛ける動きも出てきそうです。

 業績発表の真っ最中ながら、増額修正をしてもサプライズをともなうくらいの変化率がないと市場は反応しないという、力強さに欠ける展開になっています。この意味では、日本株はファンダメンタルよりも、デリバティブ業者の力関係だけで動く無機質な市場になっています。今回の危機をきっかけに、デリバティブの存在そのものや、高速売買に規制をしようという動きが強まっているのに、東証は超高速売買システムを導入したと、誇らしげに言い、新たにデリバティブの品数を増やそうとしています。システム売買を強化すればするほど、相場がファンダメンタルを反映しない無機質なものになっていき、個人投資家が逃げて行っていることに取引所の頭の良い方々は気づかないのでしょうか。それとも、個人投資家が国富を増やす場として証券取引所を使うことより、投機的な行為を規制されて、欧米市場から追い出された金融マフィアみたいな連中のバクチ場として、取引所を整備しておられるんでしょうか…。何故こんな薄っぺらい市場になってしまったか、取引所の関係者は真剣に考える必要があると思うんですが…。

 まあ、文句を言ったって、所詮は負け犬の遠吠えで何も変わるはずはなし…。今日の朝も書きましたように、ニューヨークダウも一見景気良く立ち上がったように見えますが、しっかりと、6日に急落し長大陰線をつけたときの寄り付き付近で伸び悩んで終わっています。ザラ場安値は9787ドルまでありましたから、昨日までに下落幅の3分の2を取り戻した勘定になりますが、まだ不透明感の残ったところで全値返しがあるんでしょうか。所詮はリバウンド相場だと思いますので上げ下げを繰り返しながら、適正な居所を探す動きになるんではないでしょうか。今晩、先週の急落相場についての議会公聴会が開かれますが、その結果によっては超高速取引に制限が加えられる可能性もでてきます。当面は、下値支持の52週線と今後下落に転じることが予想される13週線との間の持ち合い相場に入るのでしょうか。

 また日本株についても、以前から指摘してきた52週線と昨年3月安値と同11月安値を結ぶラインを下値支持とし、下落に転じた75日線との間で持ち合う展開に入りそうです。ニューヨークダウはRSIが30%台という昨年3月安値来の水準から切り替えしたものの、日本株の場合、短期、中期ともに整理の未了感は残ったまま。中期的な出直りには、日経平均週足のサイコロジカルラインやRSIが底値信号を発するまでスタート出来ません。まあ、目先は待つのも相場…とみておくのも良いのではないでしょうか。ただ、5月の安値は、6、7月と続く堅調相場の買い時と見ていますから、期待感をもって待つことが出来ると思います。
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大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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