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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
06 | 2020/07 | 08
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回りは悪材料ばかり…近くで戦争が起きるかもしれないのに円が買われる不思議
 25日火曜日の日経平均株価は298円51銭安の9459円89銭と5日続落、TOPIXは20.19ポイント安の859.82と反落して終わりました。出来高概算は23億5038万株、売買代金は1兆5964億円と、前日の商いをやや上回りました。また、日経平均サイコロは3勝9敗、騰落レシオは66、RSIは16、25日線かい離はマイナス10.65と指数的には陰の極に近づいています。今日現在の25日線は1万587円。前日から一気に70円近く落ちています。

 スペイン中銀が、実質的に経営破たんした貯蓄銀行の救済に乗り出したことは、世界の金融市場にとってリーマンショック時に起きた金融収縮の悪夢を甦らせたようです。欧米の銀行はお互いを信用しなくなり、銀行間の貸し借りが停滞。銀行間貸し出し金利は急騰。財政赤字が問題になったときは、ギリシャやスペインの国債を持っているかどうかが注目材料になりましたが、今回の危機は欧米銀行間の貸し借りの問題。融資に関しては複雑に絡み合っているだけに、不信感が世界の銀行に拡大。米国の銀行売りにまで波及しました。今回は、うまく収めないと、難しいことになるかもしれません。

 もともと、今問題になっている「PIIGS」には、EUが共通通貨ユーロを発行したとき、観光レジャー開発などを目当てに膨大な資金が流入。これが引き金となり不動産ブームが発生。労働者の3分の1が不動産や建設に関係する仕事につくという異常なブームが起きました。リーマンショック後は、海外からの資金の引き上げが起こるとともに不動産価格が下落。失業率は急上昇するは、銀行の不良債権は急増するは…で、景気も一気に奈落の底へ突っ込んでいきました。金融関係者も、やばいのは政府債務だけではなく、PIIGSの金融機関も…とみていただけに、今回のカハ・スールの破たんは、EUの銀行全体の不良債権問題に発展しかねません。米国の銀行は危機後に徹底した資産評価をやり、公的資本を注入。経営体質を強化していますので、大きな影響は無いと思いますが、問題は欧州の銀行…。結構、手抜きをしてきただけに、下手をすると、またCDSや株の空売りを使って窮地に追い込まれる可能性も出てきます。ドイツは銀行の空売りを禁止していましたが、欧州での実際の取り引きの中心は英国のシティー。投機筋が破滅の方程式をまた使わないようにお願いするばかりです。スペインの大手銀行サンタンデールあたりは、以前から不動産貸付の不良債権化が言われてましたから、もしかしたら、狙われるかも…。どうやら、最後は、投機筋対国際協調という対立構図にまで行くのかもしれませんね。

 まあ、今日の日本株は、EUの危機が金融機関まで波及したことを嫌気し、米国株が下落した流れを受け続落してスタート。昨日、不動産課税の適用が見送られるという噂で急騰した中国株が反落。為替は、海外からの流れを受け次いで大きな動きは無かったものの、GLOBEX安、中国株安を手がかりに先物市場に断続的な売りが出されたほか、世界景気の減速を受け安全資産としての国債の買いが増加。金利が低下する中、債券先物にも買いが入り、その一方で株の先物を売る動きも強まり、裁定解消売りが多発。じょじょに下げ幅を拡大しているところに、北朝鮮の金正日総書記が軍に対して戦闘準備を取ることを支持した…とつたわると、さらに先物売が増加。信用取引の投げも手伝い需給面の最悪の局面がでて下落幅を拡大。9500円も簡単に割り込んでしまいました。需給の崩れだけに、テクニカルな下値目処の算定が出来にくいところがあります。

 ファンダメンタル面だけから見れば、日経平均のPERは16.5倍に下落。割安感が出ていますが、回りの悪材料を怖がって手が出せないという感じ。値ごろ感が通用しなくなっています。朝鮮半島の緊張は、当事国の全てが戦争をしたくないわけで、結局、日本がカネを出させられて、またしばらくは緊張の糸がほぐれる、という方向にむかうのでしょうか。ただ、不思議なのは、欧州市場での取引が始まって、株はのっけから2%を越える下落でスタート。これを嫌気してドルが買われていますが、不思議なのは、対ドルでは円が上昇。89円台なかばになっています。下手すると、近くで戦争があるかもしれない国の通貨が買われるのも変…。結局、市場は朝鮮半島の問題は大したことはないと見ているんでしょうか。まあ、とにかく、なんやかんやと言いながら、円相場を押し上げれば、日本に投資した資産の価値はあがるので、この際、ついでに引き上げておこうということでしょうか。本当なら、中国に元の切り上げをさせて資産価値を上げて投資資産の回収をしようと思ったのに中国が言うことを聞かないから、日本からいただこうということかもしれません。 政府もボーッとしていないで、為替に対して何らかの手を打たないと、とことん円高に持ち込まれる可能性もありますよ。期待するだけ無駄かもしれませんが…。

 まあ、今は「野も山も 皆一面に弱気なら、阿呆になって 買いの種撒け」と言う状態なのかもしれません。短期テクニカル指標は、極端な数字を出し始めましたし、日経平均の三本新値は陰転後9本目の陰線をつけてきました。一旦は買いに出ることを検討するポイントには着ていると思うのですが、何しろ今の日本株は、自律性を失っており、海外要因次第のところがあります。やはり、米国株の動向かポイントになりますが、その米国株は、今のところGLOBEX市場でダウは220ドル以上下落。欧州株の下落の影響を受けているものと思われますが、これが、今晩どういう動きをするかが焦点。一気に下値からたくるような動きがでれば、流れが変わるのですが、果たしてどうなるか…。

 下値目処については、もう昨年11月安値しかなくなっていますが、敢て、自分勝手な計算を持ち出せば、上昇時に抑えるべきポイントのうち9395円が未整理になっており、このポイント付近がターニングポイントになるか…?ただ、ここをさらに切る様だと、整理を済ませているポイントが7900円台まで無く、場合によっては、8400円台への押し目も考えられます。下げエネルギーは上昇時に溜め込まれるという牧野チャートで算出すると、下げエネルギーの解消点がこの付近に出てきますので、考えたくは無いのですが…。まあ、とにかく今晩の米国株の動きを見てみましょう。そろそろ、政治の出番なんですが…。
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大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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