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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
06 | 2020/07 | 08
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円高を促す悪材料の山…米国債市場はついに3%割れ。リスク資産からの逃避が加速
 29日火曜日の日経平均株価は123円27銭安の9570円67銭、TOPIXは8.81ポイント安の852.19と、ともに3日続落して終わりました。出来高は15億9587万株、売買代金は1兆1138億円と、前日に比べ増加したものの、依然、薄商い状態が続いています。また、日経平均サイコロは5勝7敗、騰落レシオは103、RSIは54、25日線かい離はマイナス2.2%でした。今日の引け値での25日線は9784円。前日の9779円から、4円の上昇に転じました。日経平均週足のサイコロは4勝8敗、RSIは30まで落ち込み、昨年11月安値時の水準も下回ってきました。それでも、まだ日足ベースのテクニカル指標の調整不足が目立っています。

 米国株は良い引け味だったんですが、今日の為替市場が全てをぶっ壊してしまいました。G8、G20が終わった途端、ドバイ首長国の政府系航空機会社ドバイエアロスペースが、ボーイング、エアバスに発注した220機の引渡し延期を要請。キャンセルの恐れもあるとフランスの経済紙が報道。デフォルト懸念が一気に高まったほか、英国は再度金融危機が起きると、財政面から支援はできない可能性があると報じられ、その次には、中国の6月PMI指数が事前予想数字を下回り、景気の先行きに懸念を生じさせるような話も流されています。中国では、中国農業銀行の大型IPOで市場から2兆円を超える資金が吸い上げられる可能性があり、市場が神経質になっているところに、こんな話が流され先物に売り叩かれ、大幅に下落しています。アジア株も全般的に下落。これを受け、欧州市場も大幅に下落してスタートしています。

 また、GLOBEX米国株先物もニューヨークダウが130ドルを超える大幅な下落している一方、債券市場で10年物国債金利が3%を割り込み、2.97%に低下するなど、市場は大荒れになっています。為替市場も、昨日の荒れ模様を受け継ぎ、ドバイ政府系航空機会社のデフォルト(債務不履行)懸念を受けてユーロが急落。対円で107円70銭台に下落。8年半ぶりの安値に下落しています。まさに市場は大荒れの状態…。日経平均の下落率が1.2%台にとどまっていたのが不思議なくらいです。前場中は意味の分からない先物の買いに値を上げる場面もありましたが、これでもか、これでもかと海外から流れてくる悪材料に、先物売が増加。ヘッジの売りも増加したことから、これが裁定解消売りを誘発。下落幅を拡大したようです。今日、裁定取引で大きなシェアを持つ国内大手証券が170枚を超える先物を買っていましたが、先物を買い戻して、現物を売る裁定解消売りを出したのでしょう。

 まさに、大荒れの展開ですが、この急激な波乱が、G8,G20首脳会議で、2013年までの財政赤字半減で合意したあとに起きていることに注目したいと思います。昨日も、「偽りの夜明け」に騙され、消費税の引き上げやゼロ金利の解除を実施。かえって景気を悪化させた日本の失敗について書きましたが、欧米市場の下落幅が大きくなっていることをみると、もしかしたら、市場は、欧米政府が日本と同じ間違いを犯した…と判断したのかも知れません。今日の動きは、リスク資産から一斉に資金を引き上げ、米国債や円などリスクフリー資産に資金が集中した格好である意味「極端」な動きが出た…とみることもででます。特に、3%割れの国債を買うことに躊躇する投資家が多かった、といいますが、昨日の米国の債券市場でも、二の足を踏んでいた投資家がせかされるようにして、3.1%割れの国債を買いに行ったようです。いろんな意味で、「極端」な動きが出始めました。

 ただ、日本の場合、まだ信用買い残が増加するなど引かれ腰の弱さが目立っています。今日あたりの前場主力輸出株買いは、前日安値を更新したから…という値ごろ感からの買いですが、こういうのが出ている間はまだまだ…。一分でも早く手放さなくては…という感覚になって初めて底が入ります。以前も書きましたが、相場の神様は皮肉なお方…。天井が近づくと買いやすいような材料をどんどん流してくれますし、底値に近づいてくると、悪材料をどんどん流し、投げやすいようにしてくれます。今日あたりの動きを見ると、まだ投げたり無いと仰っているようです。まあ、直近のレポートでは、今回の底入れパターンは「逆三尊底」として、今週はかなりきつい場面がでるが、底入れするかもしれないとして、押し目買いをする準備だけはするように…として起きました。どうやら、その兆候が出てきたような感じです。昨日も、シカゴIMM通貨先物市場で円ロングのポジションが3ヶ月ぶりに買い越しになった、と紹介しましたが、G8、G20首脳会議で通貨波乱問題が出ませんでしたから、早速、お墨付きをもらった、として投機筋が仕掛けてものと思われます。

 これが、単なる中間決算期末の動きなのか、それとも新しい仕掛けのはじめなのかは分かりませんが、答えは月代わりしたら出てくるでしよう。とにかく、今回の波乱が、財政再建が世界会議で公認されたあとに起きていることには注意が必要です。景気に配慮する…などといっていますが、二兎を追うやり方ができるほど優秀な政治家も金融マンもそんなにたくさんはいないでしょう。やはり、市場は「あんたたち…、偽りの夜明けに騙されているよ…」といっているような気がしてなりません。世界中が雁首をそろえてデフレ経済に突っ込んでいくのでしょうか。中国と米国は、景気刺激策で乗り切っていくような気がしますが、教条主義者が金融を支配しているEUと日本は…。まあ、良い時に選挙戦が始まっていますね。何しろ、どれだけ円高になっても来月11日過ぎまで何の手も打てませんからね。今日みたいな日には、何か一言くらい政府や日銀から出ても良いとは思うのですが…。

 短期のテクニカル指標が、中期に追いつけば底は入る…。米国株の二枚腰に強さに期待…。
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大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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