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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
06 | 2020/07 | 08
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買戻しで急伸…円安と先物買戻しの持続、米国株の6月高値抜けが一段高の条件
 28日水曜日の日経平均株価は、256円42銭高の9753円27銭と反発。TOPIXは19.39ポイント高の865.51と4日続伸して終わりました。この日は主力株中心に買い(買戻し…?)が入り商いは増加。出来高概算は19億2283万株、売買代金は1兆3000億円と前日比で増加しています。また、日経平均サイコロは4勝8敗、騰落レシオは80、RSIは63、25日線かい離は2.6%でした。今日の終値での25日線は9503円と、前日から15円の低下。引け値で25日線を上回ってきましたが、対応点の状況から見て、まだ4~5日は下落が続きますから、下方への引力に引き込まれないようにしなければなりませんね。

 さて、久しぶりに国内に戻ってきても、好環境が続きました。欧州情勢の安定や米国株高、リスク指向の回帰など市場の状況が変化するなか、安全資産として一番資金が逃げ込んでいただけでなく、円の先高観が根強くあったため、資金流出が一番遅れていた円資産からの逃避が遅ればせながら始まりました。ユーロ・ドル間は現在も1.30台と小動きの展開ですが、円・ドルは88円10銭台に上昇。ユーロ・円も114円台後半まで上昇。円安が進行しています。また、米国金利の上昇を受け、債券の先物も軟化。今日は、債券先物売り・株先物買いの裁定取引も活発に入り、これが現物株との裁定買いを誘発。日経平均の上げ幅を拡大した…という面もあります。昨日までは、なんとか円相場を高めに維持することで、突っ張っていた日本売りの商品投資顧問も今日は突っ張りきれず、買戻しを入れたようです(窓口に使っている欧州系証券会社が3800枚を越える買いもの)。シカゴIMM通貨先物市場には、円高を予想した円ロングのポジションがまだ5万4700枚以上残っていましたから、昨日、今日の荒っぽい動きをみると、損切りの円売りが出ていたのかも知れません。やはり、ユーロ情勢の落ち着きとともに、状況は変わってきましたね。

 また、中国政府は、利上げをしないまま、なんとか不動産価格の押さえ込みに成功しましたが、ユーロ情勢の変化(ドル安の回帰)は、米国株の上昇につながるとともに、ドルとのリンクをはずさない中国にとってもメリットがあり、資金は中国など新興国に向かっていく…としましたが、やはり、中国本土株が急ピッチで上がってきました。ユーロ危機は、EU(ヨーロッパ共同体)そのものの崩壊まで織り込む凄まじいものでしたが、その分安全資産に逃げ込んだ資金はものすごい額になります。通貨情勢は落ち着いたものの、欧米の景気に関しては見方が分かれており、資金が一気に流出すると言うところまでは行きませんが、ここにきての適度なドル安は米国の輸出を刺激。4~6月に落ち込んだ受注を回復し、再び在庫循環を修復してくるものと思われます。具体的な数字になって出てくるのは、まだ1~2ヶ月先になりそうですが、市場の方は、それを先に織り込んでくるはずです。

 そのときに、刺激材料になるのが、先週末に起こった変化。日本でも同様の動きがありましたが、このときは、景気刺激の方向には回らなかったために、一層景気の谷を深めることになってしまいました、しかし、米国はこんなのをほっといたら株主から何を言われるかわからない…。市場はこの変化をかぎつけたのかも知れませんね。

 まあ、今日の相場は、買戻しや米国の金利上昇などテクニカルな要素が作用した面が大きいと思います。とにかく、今の日本株は米国株次第…。株が上がればリスク指向が増して円ガ安くなり、日本経済にプラスに作用するとして株価は上昇してきます。もっと、手っ取り早く、円安誘導するような手を打てばいいのですが、今日みたいに円安方向に動いているときにも、日銀の関係者は「為替水準を意識して金融政策をやっているわけじゃない」と先日の山口副総裁と同様な発言を繰り返し、円安の動きに水を差すような態度を示しています。どうも、日銀の真意が分かりません。需給ギャップが25兆円もありインフレの心配は皆無なのに、インフレを怖がって通貨供給を絞る行動を続けています。何か変ですね。やはり、何かの意図をもって円安にしたくない政策をとっているとしか思えません。まあ市場は勝手に走るでしょうけど…。

 とにかく、日経平均は元気良く戻してくれました。ただ、目先的には25日線の下方引力が働いているほか、今日の高値付近には、急落してきた13週移動平均線がいます。この圧力をしのいで6月21日のザラ場高値1万251円を抜いて、下落相場に歯止めが打てるか…。朝も書いたように、米国と同じ状況にあります。ただ、米国と違うのは、1万200円付近で、下落中の26週線と52週線がデッドクロス寸前になっていること…。テクニカルで見ても、このハンディキャップをしのぐには、米国株の一高や政府または金融当局の本格的な円安への取り組みが必要になりますが、これが当てにならない…。先物の買戻しや円のみきり売りが一巡した後の相場の伸びが気になるところですが、今のところ、企業業績が4~6月の厳しかった状況下でも意外に健闘。最近になり、さらに受注が拡大するなど、先行きに期待できる動きも出てきます。米国だって、株が上がれば資産効果から消費が増えるのも、今回の回復期で経験済み。全体的に良い方向に回転し始めたのではないでしょうか。ただし、今の相場のパターンは、2004年の回復期の相場と同様なパターン。勢いの良い上昇は期待しないほうがよく、2進1退のエスカレーター相場が続きます。
今晩の米国株の状況に期待しておきましよう。
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プロフィール

大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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