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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
06 | 2020/07 | 08
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スイス中銀のサプライズ効果とGLOBEX高に支えられ反発
 スイス中銀の30年ぶりの通貨リンク製の復活は、世界の市場のカンフル剤になったようです。実効性については、疑問視されていますが、投機筋がスイスフランを買いにくくなったことだけは確かでしょう。また、EU の債務問題も、今回の波乱をエスカレートさせたイタリアの富裕層への課税見送りが、再度、課税方針に転換。市場は財政赤字削減が前進したとして、歓迎しているようです。また、今日は、EU債務国への支援がドイツの憲法に違反するのでは…との訴訟の判決があり、訴えが退けられたことも好感されています。今日のところは、好材料が相次ぎ、ユーロは上昇。欧州株式市場もほぼ全面高で始まっています。とりあえず、ドイツにとってはひつとの山を越えた…というところでしょうか。

 ただ、問題は、今月29日に欧州金融安定化基金の枠を拡大したことについての議会承認が控えています。先週行われた地方選挙で与党が大敗。この原因がギリシャへの際限の無い支援でした。与党内の議員も選挙結果を見て、反対に回り始めたといい、ます。最大の金主であるドイツで承認がなされなかったら、今後の債務国問題への対処が事実上できなくなってきます。銀行の資本不足の問題もなんら解決がついていませんから、いずれ、またユーロを売る動きが出てくるはず…。

 スイス中銀の果断を受け、昨日、今日と日銀金融政策決定会合が開かれましたが、何もしないことを決めました。もしかしたら、投機の対象が円に向かうかも知れないときに、「何もしない…」ことを決めたのは、これもまたすばらしい決断。ユーロが売られた場合、円が受け皿になりますから、どうぞ買ってくださいと公言したようなもの…。相変わらず、すばらしいKYぶりです。政府も、税調会長に増税論者の藤井氏を選任。増税へ向けての路線を着着と固めています。こんな景気が低迷しているときに、増税をやろうとし、片や日銀は円高歓迎の姿勢…。なんだか、国民はハーメルンの笛向きの話よろしく、笛に踊らされて水に飛び込んで死ぬねずみのような感じがしてきます。民主党はいったい何をやろうとし、日銀はどんな仕事をしているのか…なんだか、怖くなってきました。

 もうきれいごとはやめたらどうでしょう。世界は米国の力が衰え、弱肉強食の時代に入ろうとしているときに、八方美人みたいなことをしていたら、危なく東西に分割されかかった終戦後のような目に合わされないとも限りません。まあ、今回の欧州危機の原因のひとつに、国債の消化を円滑に進めたいという米国の意思が働いていた可能性もあるようです。何もしなかったら、食われるということを肝に銘じるべきでしょう。平和ボケの体制派の皆さんは…。

 今日の日本株はスイス中銀の決断で円安のプレゼントをもらい、これを好感してCME日経平均先物が、120円高し8700円台を回復して帰ってきたことを好感。昨日の軟調相場で売っていた玉の買戻しや、新規の先物買いで急反発してスタート。先物yとの裁定買いが指数銘柄に入ったことや、円安に伴い輸出株が買われたことも指数の押し上げに寄与しました。また、GLOBEX夜間取引市場で米国株が高く推移したことや、アジア市場が全面高になったことも相場を高止まりさせていました。ただ、円高への警戒感が強く、主力株が伸び悩むなか、昨日売られたディーエヌエーやグリーなどネット関連が反転上昇。高値を更新するなど、短期資金は軽量級に向かい、日本橋再開発に絡む思惑からヒューリックが上昇。不動テトラやディーシーなど復興関連も値を伸ばしていました。

 欧州でドイツ連邦憲法裁判所が、EU債務国への支援を違憲とする訴訟を却下し、イタリアが富裕層への課税案を復活させ、一時期、ユーロが上昇。円も軟化しましたが、易い場面ではすかさず買いが入り、77円10銭台に押し戻されるなど、円への需要は強く、じりじりと円高方向に動いています。なにしろ、日銀や政府は何もしないといったんですから、投機筋も安心して円が変えます。EUの域内銀行の資金不足問題やギリシャに与えられた10日の猶予(12日が期限)など問題は山積み…。何かあったらユーロが売られる地合はまだ続いたまま…。野田内閣に本気で為替対策をやるんだったら昨日、今日は良いタイミングだったような気がするんですが…。まあ、だんだんボロが出てくるんでしょう。

 まあ、当面、主力株のリバウンドと軽量級の値幅取りが平行していく相場展開になるんでしょう。ただし、難問は山積みですから、ひとつのポジションを持ち続けるのはリスクが大きいのかもしれません。ニューヨーク株は、前月9日に底入れしてから、高値、安値が切り上げるパターンになっていますが、日経平均は、9日安値をつけたあとは、高値と安値がきり下がるパターンを描いています。欧米株がさえないことや円高から、相対的にウェートが高まった日本株を売っているものと思われますが、為替が安定し、米国株が反発に向かえば売り物もとまってくるはずです。最近では、短期資金の売り、長期資金の買いというパターンも定着してきたといいます。

 まあ今日のところは、スイス中銀効果であげましたが、かえって円高懸念が強まっただけに、まずは、指標である米国株の底入れを確認するところからはじめたほうがよさそうです。まあ、今日は何でもかんでもあがっていますから個別の解説はいらないでしょう。あさってにメジャーSQを控え、先物やオプション筋の思惑も交錯しているようですが、今日も指数は8750円の先月のSQ値を中心にもみ合う時間が長かったようです。目先はこれも懸念材料…。逆張りと順張りの区別をはっきりし、中途半端な動きをしないことが大事…か。(全体感について、弱気ではありませんので誤解の無いように) 
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プロフィール

大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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