大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
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タイの二の舞はごめんだ…インドの本音
 17日、水曜日の日経平均は182円61銭安の1万6955円31銭、TOPIXは24.96ポイント安の1600.29と、ともに続落して終わりました。日経平均サイコロは7勝5敗と変わらなかったものの、当落レシオは94、RSIは63へと低下。25日線とのカイリ率は1.72%へと縮小しています。
 一時期は340円くらい安かったのですから、とりあえず移動平均線とのカイリ修正は一段落したとみても良いのではないでしょうか。

 ★やはり、でてきた新興国の本音
 調整期に入ってくると、どこからともなく悪材料が出てきますね。それも、今回は一番注目を浴びているインドからとは…。
 今日はインドの株式市場管理局が「株式への海外資金流入規制」を提案したと伝えられ、インド株が急落。一時期サーキットブレーカーを適用して立会いがストップするという騒ぎになりました。猫も杓子もBRICSだ、といって大して大きくも無い市場に世界中から金が流れ込んだら心配になるのは当たり前です。それも、ヘッジファンドなど荒っぽい資金も大量に入ってきています。

 そんな状態でインドの政府が心配するのは「第二のタイ」に鳴るのではないか、ということです。中国の場合は豊富な外貨準備を持っていますが、インドの場合は、経常収支が赤字で海外からの借り入れや資本投資など国際収支の黒字で埋めている状態です。1997年にアジア通貨危機のきっかけになったタイバーツへの売り仕掛けも、経常収支の赤字が積み上がっている弱みをヘッジファンドの連中に突かれて起きています。それに懲りて、タイは外貨準備の積み増しを十分行いながら経済発展をしています。

 以前、この欄でもふれたことがあるかもしれませんが、インドに関してはこの経常収支の赤字がずーと気になっていました。インド政府も、これい以上通貨が上昇すると、ヘッジファンドによる売り崩しのリスクにさらされる可能性があるわけですから、今回の措置を匂わしたのでしょう。今週末には、G7が開催され、ヘッジファンドの規制論議も話されるようですが、今日の措置は、けん制の意味も含んでいるのではないでしょうか。

 インドの借り入れは短期資金に依存している比率が高く、もし通貨が下落すると一斉に資金が引き上げ、株価が暴落、資金ショートを起こした企業倒産の増加、国内インフレ率の上昇、失業者の増加など、タイが味わった辛酸をなめさせられることになります。
 結局、財務大臣の「規制ではなく抑制」との発言により、なんとか事なきを得たようですが、ヘッジファンドの連中はサブプライムローン問題で大きな痛手を負っていますので、正直、何をしてくるか分かりません。

★投機的な通貨はルピーだけではないよ 
高金利通貨への投資だ、といってニュージーランドドルやオーストラリアドル、トルコなどの通貨買いが活発に行われましたが、良く調べてみてください。経常収支赤字がGDPに比べ比率が高いのは、第一位がニュージーランド、第二位がトルコ、第三位がハンガリー、第四位が米国で第五位はオーストラリアの順になっています。ドルを印刷できる米国は別にしても、もしヘッジファンドが売り仕掛けをしようと思ったら、やれる対象はいくらでもあるということです。

 韓国やタイ、オーストラリア、ニュージーランドが、通貨の売り介入をやっている意味がこれでよく分かるはずです。インドももし売り仕掛けがはいってくると、通貨の防衛上金利の引き上げをしなけれ場なりませんから、そのうち高成長国などといっておれなくなります。タイでは外国企業は一目散に逃げ帰りましたからね…。

 今日は、大きなことがありましたので、ちょっと解説してみました。最悪のことを書いていますので、起きないは思いますが用心するに越したことはありません。日本からも投資信託を通じて大量の資金が入っていますので、何かあったらタダではすまないでしょう。投信の設定をするほうも、これくらいのリスクがあることは、ちゃんとお客さんに説明しておく必要があるとおもうんですがね…。

 とにかく、おかげで整理のスピードが速まってくれました。ニューヨーク市場の引け後にインテルなどハイテク株の好決算が発表され、GLOBEX先物市場でもS&P500、NASDAQ100とも小高く推移していますから、このままなら、ちょっとした微震で終わる可能性もありそうです。RSIの40台がほしいですね…。

 
★軽く考えられない地政学的要因
原油のほうも、久しぶりに「地政学的要因」がでてきていますが、トルコとイラク北部にすむクルド族との因縁の対決が再会しています。米国は、比較的治安が平穏だったクルド自治区を味方につけるやり方をしてきましたが、支援を受け力をつけたクルド族がトルコ内に侵入しはじめており、トルコ政府も対抗せざるを得なくなっています。イラクの3分割などの計画がありますが、クルド自治区には豊富な石油資源があり、米国はクルド族を通して石油利権を維持する方針といいます。そうなると、石油収入を背景にイラク内のクルド族はますます勢力を強めることになりますから、トルコとしては放置できないということでしょう。
 
 トルコは親米国ですが、クルド族の扱い方によっては、米国と対立することにもなりかねません。米国はイラクの占領により、輸入原油の四割をイラクに依存していますから、紛争がこじれると、トルコ領内をとおるパイプラインもどうなるか分かりません。今回の「地政学的要因」にはこんな問題もからんでいます。どうやら、米国はまた厄介な問題を抱え込んだようです。通貨投機はべつにしても、今回の原油価格の上昇はしつこいかも知れませんね。

 とにかく、10月中盤以降は仕込み場探しとしてきましたので、今の波乱は想定内のうごきです。ここは楽観的に考えて、為替の状況を読みながら、物色の絞込みをすることにしましょう。
 
 


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プロフィール

大仏さん

Author:大仏さん
 昭和23年生まれの九州男児。国立大学卒業後、大手証券入社。その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。現在は株式レポートの発行へ向け準備中。

問い合わせは hideo-ta@m4.kcn.ne.jpまで、メールで。

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