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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
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中国は計画経済の国ということをお忘れなく…
 本日の日経平均は150円78銭高の1万7106円75銭、TOPIXは17.46ポイント高の1617.75と、ともに反発して終わりました。日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは105、RSIは58。25日線との乖離は2.27%とやや開きました。昨日は、一目均衡表の雲と75日線に支えられてなんとか助かった、という感じでした。

 今日は、昨日の先物売の買戻しなどからしっかりに始まってきましたが、昨日のインドに代わり、今日は中国の下げが足を引っ張りにきましたね。中国本土と香港に同時上場している株価の格差を裁定取引で是正しようという提案の当局がする、という噂が伝わり本土株にとってはマイナスという、読みが働いたようです。だいたい、一物二価という状態は市場にとって許容できるものではありませんが、最近の香港市場の上げは、この同時上場している企業の価格差を狙って買いに来ていた、という話もあるくらいです。
 
 タイミング良くというか、意識的にやったのかもしれませんが、本土の投資家の香港株売買を認めましたから、価格差を狙った買いが殺到したのも無理はありません。ファンダメンタルを無視して買った中国本土と、ファンダメンタルを重視したら、とても中国本土のPERまでは変えないという香港市場…果たしてどちらが正しいのでしょうか。まあ、牛の暴走ではないですが、ファンダメンタルを無視して株価だけを買っている中国投資家ですが、上がったほうが正解なんでしょう。

 最近の日本の証券関係者も日本株の動きの悪さに辟易して、中国やインドなど新興国の株や国際商品をポートフォリオに入れるべきだ、と危なっかしいことを言い始めました。メリルリンチの調査したファンドマネージャーの動向調査でも、成長率が2%内外の先進国の株より、7~12%も成長している新興国の株を買ったほうが良い、という意見が大半をしめていたようです。
 まあ、インフレや将来を考えたら確かにそれで正解なんでしょう。でも、昨年から預金準備率を13回、今年に入り貸出金利を5回も上げ、さらに、不動産や鉄鋼など過熱業種を狙った窓口規制も強化してきました。なんだか、列島改造末期やバブルピークの1989年の状態と似てきましたね。

 それに関連して思い出すのが、ITブームでハイテク株が急上昇した2000年ごろ、当時の投信の花形ファンドマネージャーが言った言葉です。「過熱していてもどんどん買いに行く。危なくなったら崖っぷちでブレーキを踏めば良いじゃないか…」―よく似てきたと思いませんか。そんな強気の発言がでて、間無しにニューヨークからITバブルが崩壊…。
 うまくブレーキが踏めたんでしょうか。よくテレビなどにも出ていたんですが、最近はとんとお目にかかりません。ひょっとして、急ブレーキを踏みすぎてブレーキが焼け付き、車ごと崖下へ…なんてことは無いんでしょうね。

 とにかく、中国は代11次5ヵ年計画にそって国内経済の方向を変えようと動き出しています。縫製や単純加工など労働集約的な産業から、自動車やハイテク産業を中心にした高付加価値産業への転換。また、個人消費を中心にした内需型経済への転換です。昨年から始まった5ヵ年計画の初年度は農村対策を中心に実施された、といいます。農村部と沿岸部との所得格差の問題が言われていますが、北京や上海など主要都市に観光に来ているのは、内陸の農村部からの「おのぼりさん」が多い、といいます。その点では、農村対策はそこそこの成果をあげたんでしょう。

 日本の農機具メーカーでも、中型の耕運機などの輸出が増加しているようですが、この1~8月の間で最も大きな伸びをしめしたのは刈払い機で前年同期比で20%以上の伸びを示しています。売上規模も200億円をこえています。この間から、共立(6313)がぴくぴくしていますが、この数字を考えたら何故なのかが分かるはずですね。

 今年度からの課題は、産業の高度化と環境対策。今回の窓口規制についても環境対策投資については例外としていますね。来年のオリンピック、2010年の上海万博を控え、今のような公害大国では国辱以外のなにものでもありません。おそらく、かなり強制的に取り組んでくるはずです。海外の公害関連機器メーカーは数年前から続々と中国に押しかけ、中方政府や地方政府、企業への食い込みを図っています。環境関連は今年からものになってくると思われます。

 一体何を書いているんだ、といわれそうですが、中国もインドも、このように計画経済を進めているのです。特に中国は個人消費の増加による内需型経済を志向しようというときに、これ以上株価が上昇し、最終的に破裂したら、個人消費の育成どころの話ではなくなります。最近の一連の早手回しの株価対策を考えたら、中央政府が何を考えているかは明らかです。中国は自由主義の国ではないということを、そろそろ念頭ににおいて、ポンピングブレーキをかけながら走行しておいたほうが、いざというときにブレーキの効きが違ってきます。

 日本の環境機器メーカーはどこも公共需要の減少で青息吐息の状態です。でも、中国が本気で対策に動き始めたら…。株式投資は変化率を買うゲームだということをお忘れなく…。本当に有能なファンドマネージャーが今どこの国の株式を買いたいか…本音を聞いてみたいですね。
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プロフィール

大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。




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