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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
06 | 2020/07 | 08
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イタリア総選挙ショックから急落するも、先物筋の早めの買戻しで、底堅く終了
 イタリア総選挙ショックは、世界の市場を揺らがせました。欧州市場にもっとも時間的に近かった米国市場では、株価が急落。安全資産としての債券が買われ、金利は急低下。ユーロの対ドル相場は1.3039台まで急落しています。市場がアジアに移ってもショックは続きました。日本をはじめとするアジア市場は、ほぼ、全面安。昨日、日銀新総裁歓迎相場で、円安が進行していた日本市場への影響は大きく、為替市場が、92円台の円高になったことで先物売りが増加。裁定解消売りに加え、輸出株などが売られたことから、日経平均は他のアジア市場の下落率を上回る下げになりました。ただ、日本株については、昨日のCME日経平均先物が、レンジ下限で1万1100円をつけていましたので、もっと下げる…かと思ったんですが、終わってみれば、今日の安値は1万1374円まで。まあ、意外にしっかりした相場だった…と言えないこともありません。今日、日経に先物の建玉残が載っていましたが、今日の買い手口をみると、ソシエテジェネラル、ドイツ証券、大和証券など売り建玉の多かったところが、買い越しになっており、彼らが買い戻しに動いたことで、意外と底堅い動きになった…ということでしょうか。

 ただ、今晩の欧州市場は、改めて選挙結果を織り込まなければなりません。昨晩は、出口調査結果を受け、中道左派が有利として織り込みにかかり、欧州市場は、ほぼ全面高になっていました。しかし、結果は、下院は350議席(トップの党に54%の議席を振り分ける制度の適用)と過半数を占めたものの、上院では、ベルサニ派がモンテイ派を含めても141議席と、定員の315議席の過半数に届かず、ねじれ国会になってしまいました。モンティ首相のもとで進めてきた財政改革で、世界が上がりGDP比の赤字は低下したのですが、見返りに景気が犠牲となりマイナス成長に下落。失業率も高止まりしたことから、国民的な不満が高まったようです。既存政党への失望感が強く、棄権する国民が多かったほか、ユーロ離脱や、緊縮財政に反対する元コメディアンが立ち上げた新党に票が流れたことが、既存政党が上院で過半数を取れなかった要因になったようです。おかげで、債券市場では、イタリア10年債の金利は、昨日が4.17%から4.49%に上昇。今日になってさらに4.81%に急上昇。債券市場は暴落状態になっています。イタリアの株式市場も一時4%以上下落してスタート。他の欧州市場も全面安になっています。金利上昇は、イタリアだけにとどまらず、一時、沈静化していたスペイン国債にも飛び火。朝方から、0.31%上昇し5.48%と、再び、警戒ゾーンに来ています。

 欧州では、ドイツのメルケル首相を中心に、財政の正常化のため、緊縮財政が押し付けられ、イタリアやスペインなど問題国で財務体質の改善が見られましたが、一方で、景気が犠牲となり、南の諸国はマイナス成長と高失業率に見舞われ、政府への批判が高まっていました。今回の、戦況結果は、まさに、緊縮財政への反対姿勢を示したもの。今後、ECBなどに景気刺激のための緩和要求が高まりそうです。ただ、輸出の好調で、景気が高止まりしていたドイツは、ECBの緩和でインフレ懸念が高まるため、緩和には反対姿勢を強めてくる可能性があります。このためEUでは、景気に対し、有効な手が打てないのではないか…と市場は懸念しているようです。金利が急騰したイタリアは。近々、まとまった資金調達を予定しており、選挙結果を受けて、まともな資金調達ができるかどうかも懸念されています。ECBが、無制限の債券買い取り(OMT)などの安全弁を用意しており、おかしなことにはならないものと思われますが、ねじれ状態では、危機時の国債買取支援も申し込めないと思われ、当面、事態の推移を見守るしかないのではないでしょうか…。結局、上院だけ再選挙となるのでしょうか…?また、時間で気をもまされることになるかもしれません。イタリアとスペインの国債金利の推移が指標になりそうです。

 今日の日本株は、昨日上げた分の反動もあり、朝方から売られてスタートしました。CMEレンジの下限が目標にされたらただでは済まない…と覚悟はしていましたが、昨日のCME日経平均先物の出来高は、前日比倍増しており、ある程度、織り込んで帰ってきていた…という見方もできます。多くの売り残を抱えていた先物筋が早めに買戻しに入ったのも、CMEでオ織り込んだ…とみていたからではないでしょうか。案外、すんなりと始まり、一時は下落幅を縮める場面もありました。この動きをみて、さっそく、日銀の緩和や自民党の消費者金融制度の改革、農業支援などのテーマ株を買おうとする動きが始まり、不動産や消費者金融、肥料、農機具関連などから切り返しに入っていました。まあ、個人を中心にした物色意欲は健在ということを示した相場になりました。ただ、引けにかけては今晩の欧州市場や、バーナンキFRB議長の上院での証言を警戒して、再度、売りが優勢となり、結局、日経平均は263円71銭安の1万1398円81銭、TOPIXは13.93ポイント安の966.77ポイントと、ともに急反落。昨日の上昇分を打ち消しています。出来高は、前日比6億株近く増加し39億447万株。売買代金は2兆2120億円に増加しています。騰落状況は、値上がり、366、値下がり1253。

 今日の引け値での、日経平均サイコロは、6勝6敗、RSIは57%、25日線かい離は+2.0%、騰落レシオは104%へと、それぞれ低下しています。
 まあ、外部的なショックで急落しましたが、下げの原因がはっきりしていますから、一時的な下げと見て置けばいいでしょう。焦点は今晩のバーナンキFRB議長の上院での議会証言。市場で高まっている、政策転換懸念を打ち消せれば、イタリア総選挙のスパイラルショックから抜け出しことができるのですが…。歯止めがかかり、為替が安定すれば、財政刺激がある日本株は、独自の動きができるようになります。まず、バーナンキ議長の議会証言に、乞う御期待…というところでしょうか。
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Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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