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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
06 | 2020/07 | 08
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昨日の急落の余波で乱高下。日銀の債券へのテコ入れで、市場が落ち着くとともに、小幅反発して終了
 今日は午前中から孫が帰省。子守りならぬ「孫守り」で一日を過ごしました。時間を見て、相場のほうも観察していましたが、見るたびに状況が変わっており、終わってみれば、今日も1000円を超える値幅…。ここまでの上げで行き過ぎた部分のガス抜き…とはいえ、やっとの思いで市場に戻ってきた投資家にとっては、きつーい一発になりました。

 米国や欧州のように厳しい規制がないことから、日本にはCTA(商品投資顧問)やたちのよくないヘッジファンドが集まり、株価操作まがいの商いをして、市場をかく乱しています。昨年の11月以来の上げが先物がリード。現物との裁定取引が指数を押し上げてきました。特に、ここ数週間の上げ方は異常で、本来なら、信用規制や先物への何らかの規制措置が必要だった…と思われますが、東証は、何らの規制措置も講じずにここまできました。ヘッジファンドの先物売買は、裸で買うことはなく、円売りや債券先物売り、現物との裁定買いなど商品間裁定を伴っていることが普通。そのため、先物買いが増えるほど、一方で、債券先物の売り残や、現物との裁定買い残が増加することになります。

 裁定買い残は、リーマンショック前の08年5月の段階では、3兆1000億円台でした。この後、リーマンショックによる先物売りから、裁定解消売りがガンガン出てきて、日経平均を押し下げ、結果的に7000円台まで株価を押し下げる原動力になりました。09年3月に株価が底をつけるとき、裁定買い残は2133億円まで減少しています。一旦、解消売りが出始めると、解消売りが吸収できなければ、日経平均が1000円台に下がっても不思議ではありません。現在の、裁定買い残は、4兆3000位億円台に積みあがっています。投資家のセンチメントが悪化し、買い物を入れなくなったら、解消売りを吸収できず、下落幅が拡大することもないではありません。始末が悪いことには、ヘッジファンドなどは、ここまで日銀の異例の金融緩和を受け、債券先物を売り。一方で株先物を買う、商品間裁定を組んできました。債券価格の下落は金利上昇につながりますから、どこかの時点では、金利上昇が株価を圧迫する局面が出てきます。

 日銀の緩和が始まる前の10年債金利は0.315%でしたが、海外投資家の債券先物売りや国内金融機関の手持債券の売りから金利は上昇。昨日、1%という大きな節目を迎えることになりました。2か月足らずの間に金利は3倍以上に上昇。おまけに1%という大きな節目になれば、債券先物を売っている投資家は、買い戻しを入れるのは自然でしょう。これまで、「債券先物売り・株先物買い」の商品間裁定を行ってきたことが、債券先物買い…に転換したら、何が起きるかは自明の理でしょう。株先物は売られ、現物株との裁定買いは解消され、円の売りは買い戻される…という逆回転が起こります。これが、波状的に起こったのが昨日の相場だった、ということでしょう。今日も、まだこの影響が尾を引き、午前中に債券が下落する局面では株先物が買われ上昇、午後から債券が上昇に転じると、株先物が売られ解消売りから、日経平均が一時502円安しています。また、引けにかけては、債券が下落。つれて、先物が買われ、裁定買いから、結局、日経平均が前日比128円47銭高の1万4612円45銭、TOPIXは5.74ポイント高の1194.08ポイントと小幅に反発して終わっています。債券市場の動きを見ていればすべて説明できる…という単純な相場でした。

 他の銘柄は、あまりの下げっぷりを見て、買いの手が止まっているところに、ロボット売買で容赦なく売り物が出てくるわけですから、下落幅が大きくなるのも当然でしょう。ロボット売買の対象にならないような小型株は、整理が遅れますから、戻り売りを浴びて、動きが鈍る…、一方、ロボット売買で徹底して売られた大型物は、戻り幅が大きくなる…というパターンになります。こんな波乱がおきる可能性があることは、取引所の関係者なら、当然、予想ができたはず。道中で先物取引を規制するなど何らかの手が打てたはずです。1990年のバブル崩壊、リーマンショック時、昨年3月高値以降の昨年3月高値時からの下落(裁定買い残2兆190億円⇒1兆94億円)と何度も裁定解消売りによる急落を経験しながら、市場の安定策を何も講じてこなかったことは、取引所の怠慢でもあります。昨日、今日の今日の下落で、どのくらい裁定買い残が減少したかわかりませんが、市場が委縮して買いが減少すると、解消売りが吸収できなくなる恐れがあります。

 なにより問題なのは、ファーストリテーリングやソフトバンクなど指数寄与度の大きな銘柄を意図的に売れば、指数を操作でき先物売りを誘発できるところにあります。株価操作まがいの行為が、今の日本市場ではまかり通っているところに問題があります。ここにまともな海外投資家が近づかなかった原因があったのではないでしょうか。まあ、急落が起きるたびに同じことを繰り返し書いているようなきがしますが、なんだか、デフレに対し無為無策を続けてきた日銀と似ているような感じがします。思い切って、正常化するような努力をしてみれば…と思いますが、無理な相談か…。

 指数は上下にがぶりましたが、週の引けでは、以前から指摘してきた機能線付近で終わっており、決して弱気する動きではありません。今まで、安全パイだと思っていた債券市場が、一気にリスク市場になったことによる混乱が生じており、ここが落ち着かないと、株価も安定しない…。株、債券、為替、もしかしたら新興国市場との間でも商品間裁定が組まれており、この一角が崩れると、すべての歯車が逆回転する…。詳しくは、日曜日発信のレポートで注目株とともに、解説します。まあ、今週は、相場の転換点を予想できたことで良しとしましょうか…。
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大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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