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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
06 | 2020/07 | 08
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世界的な金利上昇や安全資産としての円買いによる円高を嫌気。投資家心理が弱気に傾き売りが増加。、今年2番目の下げで終了
 海外投資家の果たして何割が「アベノミクス」の成功を信じて、日本株を買ってきたのか…。海外投資家に聞くと、8割が成功するとは見ていないといいます。ただ、運用競争上、ベストパフォーマンスの日本株を組み入れているかどうかが、運用利回りの上昇にかかわってきますから、仕方なしにTOPIX30やTOPIX70など日本を代表する企業で構成する指数構成銘柄を買ってきた…ということなんでしょう。もし、パフォーマンスが低下するようなら、さっさと売って、次の有利な市場に乗り換えるということも出てきそうです。とりあえず、アベノミクスへの期待感で「理想買い」してきた段階から、成長戦略の具体的な内容を検討。現実買いに移行する前に、買い過ぎた分を処理しておこうということでしょうか。しかし、下げ始めるといろんな話が出てきますね。

 ただ、これまで日本株上昇の勢いをつけてきた、海外ヘッジファンドにとっても、足元の状況が変わってきました。朝も書きましたように、米FRBのQE(資産買い取りによる金融緩和)政策の見直し懸念から、米国で長期金利が上昇。住宅ローンの借り換えが急減。不動産リートが下落を始めるなど、金利敏感セクターへの影響が出始めました。やがて、彼らの借り入れコストの上昇にもなって跳ね返ってきますから、警戒的にならざるを得ないというところでしょう。また、短期的には、中間決算を5月末で締め、6月には配当の支払いも出てきますから、キャッシュを創らなければならない…という事情もあり、一部ポジションの解消を行っているようです。まあ、これからいろんな解説が出てくるでしょうから、それを見ながら判断すればいいと思いますが…。

 ただ、彼らが先物買いを中心に買い進めてきましたが、株の先物買いに付随して「債券先物売り」、「円売り」など商品間裁定が組まれており、いったん、株先物が売りに回ると、債券先物が買い戻され、円も買い戻されるなど、株式市場を支えてきた相場環境が一変。これまで強気で買ってきた投資家心理が委縮し、買い板が減ってくると、先物買いとセットになっていた指数採用銘柄との裁定買い残の解消売りが勢いを持ってきます。まあ、それが彼らの狙いでもあるのかもしれませんが…。先物を売っておき、その後、ファーストリテーリングやソフトバンクなど指数寄与度の大きい銘柄を意図的に売りたたき、日経平均を押し下げれば、先物売りが出て来ると同時に、裁定解消売りが出てきてスパイラルに下げていく…ということになり、売り仕掛けは大成功ということになります。今日もしきりとファーストリテーリングをたたく動きがあったようですが、結果的に同社だけで、日経平均を166円も押し下げました。また、ソフトバンクも27円押し下げています。そのほか、LTE回線の普通でKDDIが、中国の成長率引き下げでファナックが売りたたかれ、それぞれ26円、25円、指数を押し下げています。下げを操作しているとは言いませんが、少なくとも演出していることは間違いないんでしょう。

 でも、QE見直し懸念から、長期金利が上昇。住宅ローン金利が上昇し、現在絶好調で雇用吸収力の大きい住宅産業に影響が出るかもしれない。設備投資にも影響が出るかもしれない…というときに、果たして、バーナンキ議長は、金融政策の見直しをやるのでしょうか。彼の頭の中には、常に、「偽りの夜明け」に騙され、金融緩和を中止し、デフレを深刻化させた日銀の失敗があります。同じ間違いを犯したくないということから、再度、長期金利の低下を促す方向に向かうのではないでしょうか。以前、米国の金利上昇は、ドルペッグの国に、金利上昇が伝染し、経済にダメージを与える可能性がある…としましたが、すでに各地でその兆候が出てきました。米国株に一段安する兆候が見えれば、同議長は、追加緩和をすることくらいはやるかもしれません。もしかしたら、ポジティブサプライズが出てくる可能性の方が大きいのではないでしょうか。とにかく、6月相場はFRBの金融政策やバーナンキ議長の発言に関心が集まることになりそうです。

 とにかく、勝負は6月になりそうです。中間決算対策を終えたヘッジファンドの出方も注目されます。早くも、下値目途を立てる動きが盛んになっていますが、だれも1万6000円接近を予想できなかったように、下値も予想できるわけはありません。特に、まだ4兆円近く残っている裁定買い残は、市場のセンチメントが弱気になって買いの手が引っ込むほど下げ圧力を増してきます。海外投資家の先物売買比率は76%にも達しており、彼らが先物の処分売りをし、指数が現物価格を下回れば自動的に裁定解消売りが出てきて指数が下落。それを見て、ヘッジの先物売りが入りだし、スパイラル的に下げていけば、目標値なんて無意味になってしまいます。今日の先物手口を見ると、みずほやドイツ証券の買い手口が目立っていましたが、両社とも裁定取引では上位にランクされています。おそらく、今日「先物買い・指数現物売り」の裁定解消売りをやった結果、買い手口が上回った…ということなんでしょう。裁定解消で売られる現物株を吸収するような買いが入らないと、スパイラルな下げに歯止めはかけられません。

 まあ、そのためには、買いに出れるような数値的な裏付けが必要になってきます。今日の下げで、日経平均の3本新値は3本目の陰線をいれましたが、最初の、陰線が長すぎるため、あと、1~2本の陰線があったほうが、陽転しやすくなります。一方、今日の終値での日経平均サイコロは、8勝4敗と高止まりしたまま。RSIは36%に低下。底値ゾーンの40%を割り込んできました。25日線かい離率は-6.1%と売られ過ぎの7%に近づいてきました。また、物色意欲を見る騰落レシオも今日は97%に低下。昨年11月以来の100%割れに低下してきました。この月には90%割れから反転していますので、指数的には、投資家心理が好転しやすい状態に近づいてきた…といえそうです。ここからは、値ごろ感よりも、客観的なテクニカル指標を重視したほうがいいと思うのですが…。指数は、そろそろだけども、ちょっと早いかな…といっているみたいです。
 
 22日の急落は、21日の24節句「小満」の翌日から起きていますから、順番通りなら、5日の「芒種」が変化日となりますが…。果たしてどうか…。何を買うかは、それぞれの相場観次第ですね。
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大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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