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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
11 | 2019/12 | 01
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週末の米ジャンク債ファンド閉鎖に、著名投資家も弱気節。今日の日本株は海外安につれ安しそうだが、1年以上かけて織り込まれてきた材料であり、米国市場では、悪材料出尽くしになるのかも…
 おはようございます。
 12月の月命は「戊子(つちのえね)」で、久しぶりに恐怖を表す水(子)が来るうえ、土と相克関係にある水の組み合わせは悪く、相場は良い状況にならないかもしれない…と、月初めに予想しましたが、だんだん、ひどくなってきました。別に占いで相場を張っているわけではありませんが、本来なら、新年への期待からの派手な相場展開を期待した投資家も多かったはず…。でも、今のところは期待外れに終わっているようです。ただ、いつも書いていることですが、指数を見ていてはこれからの相場観を組み立てることはできないように思います。このところのレポートでも触れていますが、すでに、日本の新しい経済の流れを象徴するような企業は、全体が波乱色を強めるなか、しっかりと右肩上がりを維持しています。一時的に全体安に連れ安しても、株価の回復力は早いはず。

 国内でも景気が上向くとともに雇用が増加。これを受け賃金が上昇を始めていますが、一方で、賃金格差が拡大。マスコミなどは、これを攻撃するような記事を書いています。しかし、なぜ、このような格差が生じ始めているかについての満足いく解説はありません。物価と同様に賃金も需要と供給の関係で決まるものですが、企業が求める人材の質が変化。これを満たすようなスキルを持った人材が少ないため賃金の上昇につながっているものです。大量生産・大量消費の時代に求められた均質な労働力から、企業の成長に必要なスキルを持った労働力へと、ニーズが大きく変化してきたわけです。企業でも状況は同じ…。いつまでも、大量生産・大量消費を前提にした企業経営を続け、新興国と競争する企業の成長は圧迫され続けています。

 一方、AI(人工知能)によるビッグデータ解析によるマーケテイングなどを駆使し、需要を先読みしながら動いている企業の成長力は加速しています。自動運転車にしても、実現すれば、道路など社会インフラや物流を一変させるだけでなく、国民のライフスタイルさえ変えてしまう可能性を秘めています。いまの日本は、この入口に入ろうとしています。当然、企業が求めるサービスのニーズも変化してくるはず。人材派遣や中小企業の経営支援を行っている企業の株価が、なぜ高値圏にあるか…背景を考えてみることが大事です。言葉は悪いですが、指数採用銘柄には、大きすぎて変わろうにも買われない企業が多すぎる、という側面もありそうです。

 当面の相場ですが、先週末、原油価格の35ドル台への下落、米サード・アベニューが運用するジャンク債ファンドが清算に追い込まれたこと、中国がドルインデックスの向こうを張って、同様な指数を作ったことが元安容認とみられ、これを嫌気し週末の欧米株は急落しています。特に、ジャンク債ファンドの実質破たんが、ショックととらえられ、著名投資家が「リスクオフだ…」と騒ぎ立てたことが売りの拡大につながっています。原油高を背景にした米国のシェールオイル・ガスの開発ブームで、掘削会社などは多額の社債を発行して開発資金に充ててきましたが、これにより、2007年ごろに7000億ドルだったジャンク債の残高は12月初めの段階で1兆3000億ドル(157兆円)に増加。原油価格の下落による収入減で元利払いに疑念が生じ、債券の格下げが増えたことが背景にあります。

 ただ、この問題は以前から懸念されてきたことが表面化した…という点で、「知ったら終い」ということになるのではないでしょうか。昨年から続く、市場の波乱の根幹は、今年7月21日から実施された金融機関へのリスク資産の保有や投資を制限するボルカールールにあります。本来は、昨年から実施される予定でしたが、影響の大きさから1年延期されていました。このため、昨年の夏以降、米金融機関はリスク資産の圧縮を進め、新興国や原油、ヘッジファンドなどから資金を引き揚げ、その結果、今に至る混乱が起きてきました。ジャンク債の問題もこの過程で懸念されてきているほか、この夏以降ジャンク債金利が上昇(価格は下落)してきており、今回の清算に関しても、決して今まで市場が知らなかった目新しい悪材料とはいえないと思われます。やはり、ゼロ金利時代に終わりを告げるかもしれないFOMCを控え、投資家心理がナーバスになっているところにでてきた話で、市場が過剰に反応した…という側面もあるのではないでしょうか。リーマンショックも、サブプライムローンを含むジャンク級の証券化商品の破たんからはじまっており、楽観的に考えるのは危険かもしれません。

 しかし、今回に関しては時間をかけて織り込まれてきており、「目に見える悪材料による下落は買い」というパターンになりそうな気がしますが…。直近レポートで下値めども検討しましたが、今週は、年末相場へ向けてのステッピングボードになるかもしれませんね。楽観的に過ぎるでしょうか。家内の風邪がうつり、熱に侵されながら書いていますので、もしかしたら妄想かも…。
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プロフィール

大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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