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大仏さんの「株やぶにらみ」
儲けるにはまず情報分析!。こってり濃厚に市場を分析中。
07 | 2020/08 | 09
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世界の株式市場が米国の金利上昇を懸念…
 27日火曜日の日経平均株価は、150円16銭安の1万212円46銭、TOPIXは15.24ポイント安の895.48と、ともに反落して終わりました。出来高概算は19億1803万株、売買代金は1兆3772億円と前日比ではやや増加に転じました。また、日経平均サイコロは7勝5敗、騰落レシオは90、RSIは75、25日線かい離はプラス0.9%でした。25日線は前日の1万126円から、1万123円い低下。このところ方向感の定まらない動きをしています。まあ、米国株が2日連続で100ドル以上下げたんでは、ちょっと先行きが心配になってきますね。今日、13週線を切りましたので、次は25日線の下値支持力を試すことになりますが、方向感がさだまらないだけにどの程度の力を発揮するかは疑問。もしかしたら、26週線(9930円)付近まであるかも…。

 さて、米国株は2日続落。CME日経平均先物も二桁の下落…。唯一の好材料は為替市場の1ドル92円台だけ、という状況で始まった本日の日本株でしたが、反落して始まった後、先物筋の小口の売り仕掛けが入り、だらだらと値を下げる展開。米国株安を受け、アジア株全般が下げたこともあり、買い支える材料も無いままに、結局、安値付近で終わりました。為替はほぼ終日92円台の推移になったものの、米国株が景気の先行きを懸念して下げただけに、輸出株を買いなおすことも出来ず、ほぼ全面安商状になっていました。ただ、日経平均の終日値幅は89円幅となっており、実態よりも指数はかさ上げされている感じがします。

★債券の下落が株価の底上げをした?

 最近の書き込みで、債券市場の動きを注目するように…と書いてきましたが、このところ、米国の金利が急上昇しています。財政資金調達の増加に加え、実体経済が思ったよりも良く、民間の資金需要の増加が金利を押し上げだした可能性があります。まあ、いい金利上昇と悪い金利上昇が混在しているようですが、このところの世界の株価の不振も米国の金利上昇が為替を通じて国内に波及することを懸念した動きとみることも出来ます。今日の日本でも、米国の金利上昇を受け債券先物が下落(金利は上昇)してスタート。反対に株の先物に買いをいれるロング・ショートポジションが組まれ、その影響で現物市場に裁定買いが入ったのではないでしょうか。今日も、証券会社の格下げをふけたファーストリテーリングが150円高で終わっているところをみても、裁定買いが相場全般を下支えした可能性があります。

★この金利上昇は「金融相場」のさきがけか?
 まあ、しばらくはこんな出入りの激しい相場展開が続くのでしょうが、問題は米国の金利上昇が景気の回復を先取りした良い金利上昇だった場合、債券市場→株式市場への資金移動が始まることになります。米国経済は、まだ金融収縮から立ち直ったばかりですが、それだけに景気の先行きに対する強弱感は対立したまま…。景気の2番底や金融危機の再来を予想する投資家も多く、リスク回避先として債券市場に資金をとどめたままの状態になっています。しかし、今後、金利上昇が一段と激しくなった場合、債券を持つリスクは大きく膨れ上がり、いずれ、他の投資先を探さなくてはならなくなります。以前から金融相場が来る可能性がある…と指摘したのも、いずれこの良い意味での金利上昇が債券市場から投資資金をあぶりだしてくると考えたからに他なりません。

★米国の企業の資金需要は順調に回復
 でも実際に企業の資金需要というのはそんなに増えているんでしょうか。一時、資金の引き受け先が無く壊滅状態にあった企業の短期資金調達手段であったコマーシャルペーパー市場は、最近まで10週連続で増加し、残高は1兆3660億ドルに達しています。週間で400億ドル近く増加する動きが続いているのです。また、金融機関から企業への資金の流れを示す資産担保証券(ABCP)も6週連続で増加。昨年8月の4160億ドルから、5486億ドルまで回復。金融機関から企業へと資金が循環し始めたことを示しています。企業の資金需要は予想以上に早いピッチで回復しているわけです。そうなると、金利上昇(価格は下落)リスクは益々高まっていくことになりますから、いずれ過剰流動性相場が実現することになるのではないでしょうか。

★11月は諸般の事情から安値を付けやすいが、待機資金が多く底は浅いかも?
 以前から、9月~11月は動きの少ない相場になるが、この間の安値が年初にかけてのかなり大きい相場の絶好の買い場になるとしてきましたが、最近の債券市場の動きを見るにつけ、その可能性が強まってきたものと思います。いよいよ、実質的な11月相場に入ってきましたが、11月は、ヘッジファンドの決算があるとともに、税制面で損だしをする動きが強まり安値を形成することが多い月でもあります。まあ、そんな計算どおりにことが運ぶと思いませんが、債券市場に資金を置いているもののリスクを感じ始めている投資家や、債券へのリスクを感じ債券から退却。キャッシュポジションを上げている投資家は多いはずです。ただ、いまのこの水準ではいくらなんでも買いにはきませんから、押し目を待って出てくるはず…。その意味では、待機資金が多いため相場全般も大きくは崩れにくいということになるのかもしれません。

 まあ、勝負は11月に入ってから…。このところ、9月中間決算の増額修正を発表しながらも、通期の見通しを変えないところも多く、決算発表があまり株価にインパクトを与えていないような感じがします。結局、いわゆる「二進一退」相場を繰り返しながら、11月相場になだれ込んでいくことになるんでしょう。まあ、11月の安値を拾えるようにキャッシュポジションを上げておくのもいいのかもしれません。ただ、買うものはもう決まっていますけどね…今週は米国の財政資金調達がありますが、終わった後も金利が高止まりすることになると…これは問題ですよ。
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大仏さん

Author:大仏さん

国立大学卒業後、大手証券会社に入社。
その後、投資顧問会社に転出。調査・分析部に所属し、上場企業調査、マクロ経済分析、株式レポート作成などのかたわら、株式講演会講師、地方ラジオ局株式番組コメンテーターなど。地方経済紙、スポーツ紙などに株式記事執筆。地方新聞投資相談コーナー担当。
その後、関西地方新聞に移籍し、政治経済部記者として地方経済の活性化に注力。
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